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日本の風土と日本人の知恵が生み出したトマトの冷製パスタ

本日紹介する料理はトマトの冷製パスタです

加熱しないで作るトマトソースと、細くて心地良い食感のカッペリーニの相性は、蒸し暑い日本の夏に絶品パスタ料理として活躍してくれます

一度茹でたパスタを冷水で冷やしてから、ソースと絡めて仕上げる冷製パスタ

季節に合わせてうどんやそば、そうめんといった麺類を一度茹でた後、氷水で冷やしてから食べる食文化のある日本では、パスタも冷やして食べる調理方法があり、今では夏の定番中の定番料理ですね

しかしフランスやパスタの本場イタリアでは珍しく、レストラン料理としては存在しないと思います

カッペリーニを使ってつくるトマトの冷製パスタは日本独自に進化し、日本の風土と日本人の知恵と繊細さから生み出された料理なのかもしれません

過去の記事で紹介した、日本のフレンチの前菜として定番の野菜のテリーヌも、フランスでは食べることはできず、こちらも日本独自で進化をしてきた料理の一つです

今回紹介するレシピも、簡単で初めてでも作れるヒトサラです

醤油と蜂蜜を加えて作る冷たいトマトソースと、細くて心地良い食感のカッペリーニの相性は、蒸し暑い日本の夏にはピッタリ

絶品パスタ料理として活躍してくれます

醤油といえば10年以上前、フランスに来たばかりの僕にとって印象的な思い出があります

初めて働いた伝統的な料理を出すレストランのシェフが、けっこう料理の隠し味に醤油を使っていました

今も昔も変わらないのが、基本的にフランス料理と言ったら、バター・クリームに魚や肉の出汁をベースにソースなどを作って料理を仕上げます

古典フランス料理と現代フランス料理の違いを全く理解できていなかった当時の僕は、狭い範囲のフランス料理の世界の中に、醤油やアジアの食材が使われることに、正直驚きました

現代フランス料理は、世界中の食材や調理技術を少しずつ取り入れている点が大きな特徴の1つだと思います。また伝統的なレシピを尊重しながらも、常にアップグレードしながら、世界中の異なる風土で料理しても、その土地の食材を用いても根付く料理なんだと理解しています。

他には生姜やパクチーと言った食材も、当たり前の様にフランス料理の中に浸透しているのは、実は自然なことなんだなぁとフランスで長く生活していると、つくづく実感させられます

それでは前置きが長くなってしまいましたが、レシピを紹介します

【材料・分量】
〈トマトソース〉7人前
トマト 400g
塩  7g
バルサミコ酢 30ml
醤油  20ml
EXヴァージン・オリーブオイル 40ml
蜂蜜  20g
黒胡椒 

〈飾り用〉
トマト 
バジル
塩 
黒胡椒 
EXヴァージン・オリーブオイル 

〈パスタ:1人前〉
カッペリーニ  60g
水 1L
塩  10g

*茹で上がったカッペリーニは約160gくらいになります。トマトソースは茹で上がったパスタの分量の半分の80gが適量です。

1:トマトの下処理

調理はトマトの湯むきから始めます、熱湯にトマト10秒ほどくぐらせたら冷水に浸して冷やします

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トマトを氷水から取り出して、少しめくれ上がった部分からトマトの皮引っ張れば、簡単にむことができます

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トマトの湯むきができたら、今回の料理の味の決め手となるソース作りです

トマトは熟していて甘みが強ければ強いほどソース焼きそばかいわわの仕上がりのインパクトも強くなり、カッペリーニと絡めたときのトマトの特徴がしっかり際立ちます。

トマトの大きさを約2cmの角切り揃えてカットします

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必ずしも大きさを揃える必要は無いのですが、この後トマトを他の調味料と合わせたりミキサーでまわす際に、スムーズに調理工程を進めやすくするためです

3つ目のトマトは、そのままの甘みと旨味、そして酸味が味わえるように、シンプルにくし切りにして、パスタと盛り付けるように準備をしておきます

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全体に軽く塩を振って冷蔵庫でしっかり冷やしておきます

エクストラバージンオリーブオイル、黒胡椒をかけてたら全体になじませて、再び冷蔵庫にいれて仕上げる直前まで冷やしておきます

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これだけでも立派なサラダとして夏のヒトサラになりますね

冷えたビールや辛口白ワインのお供に最高です

2:トマトソースを作る

今回トマトソースのレシピの中にフランス料理の食材では欠かせないエシャロットを使っています

ただ日本では購入しにくく高価な食材だと思うので、玉ねぎ、もしくは紫玉ねぎで代用していたでも構いません

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生のエシャロットは玉ねぎのような辛味のほかに、ニンニクのような独特の香りと若干の苦味が特徴です

丁寧に細かくみじん切りにしたら、トマトと合わせて塩をします

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他の調味料を合わせる前に、この時点でしっかりと、トマトとエシャロットに塩がなじむようによく混ぜます

後は残りの調味料を全て混ぜ合わせるだけです

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さて調理工程ですがトマトソースの材料を全て合わせてから、ミキサーでしっかりまわします

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ソースの水分量が多いので一気にまわすと、ミキサーのフタが破裂するリスクがあるので気をつけてください

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ソースをボウルに移したら、30分以上冷蔵庫で入れて冷やしておきましょう

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冷蔵庫で三日間は、味の変化なく保存することができます

ソースは完全に繋がる状態ではなく、水分が分離した状態なので、パスタと合わせる直前は、ソースをよく混ぜてからパスタに絡めます

3:カッペリーニを茹でる

たっぷりのお湯に塩をして全体がわいたらカペッリーニを茹でます

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パスタの箱には茹で時間は3分と書いてありますが,茹でてからカッペリーニを冷水で冷やすと、茹で上げた状態よりも少し硬くなるので少し長めに茹でています

カッペリーニが茹で上がったら素早くお湯を切り冷水の中でで30秒ほどしっかりカッペリーニを冷やします

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冷水から引き上げたらしっかり水気を切ってください

この後カッペリーニをトマトソースと混ぜるときに水気が残っているとソースの味がボケてしまいます

水気が切れたら氷水をかましたボールに移します

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ちょっと手間かもしれませんが、せっかく冷やしたカッペリーニと、冷たいトマトソースを合わせるので、最後の合わせる工程も氷を張ったボールの中で冷たい状態を保ちながら仕上げていきます

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ソースがパスタ全体にしっかり絡まったら盛り付けます

ソースと絡めたら素早くお皿に盛り付けます

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バジルをカットします

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包丁で切るとバジルが黒ずんでしまうリスクがあるので、手で小さくちぎれば、きれいな緑色を保つことができます

トマトとの相性が良い、程よくスパイシーで爽やかな香りがそそるバジルを仕上げにちぎって盛り付ければ、見た目にも華やかで食欲も刺激してくれます。

最後にバジルをちらして完成です

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料理人でない人でも、日本人の麺類に対する強いこだわりは世界的に見てもずば抜けていると思います

パスタに限らず、うどんやそば、ラーメンにしても幼少期から、家庭での食生活の中で自然と身に付けてきたそれぞれのおいしい食べ方が、あるのではないでしょうか?

そのほとんどが茹で時間による口当たりや食感、のどごしの好みの違いで、それぞれで多少の違いはあっても、みんなおいしい瞬間を逃さないように無意識のうちに麺類を楽しむ術を身に付けているのは、日本人の食に対する興味深いところだと思います

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出来立てが1番輝いている瞬間の麺類だからこそ、今回のレシピもカッペリーニをあらかじめ準備しておいたソースと素早く絡めたら、出来立てを食べてもらうのが最もおいしい瞬間だと思います

カッペリーニの代わりにそうめんを使っても同じレシピで作ることができます

食べながら黒胡椒やパルメザンチーズやふりかけるのもオススメ

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食欲がない日でも、たくさん食べたくなるトマトの冷製パスタ

是非こちらのレシピを参考に作ってみてください

それではまた次回の動画でお会いしましょう!

それではまた、次回料理でお会いしましょう!!

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Chef Ichi

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