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美味しいブランケット・ド・ヴォー【後編】

皆さんこんにちは、Ichiです。

今回は前置きなく早速、後編のブランケット・ド・ヴォーの作り方を紹介していきます。

前回の記事ではブランケット・ド・ヴォーを作る時の注意点や改善したい点などについてお話しましたね!

では、まずは食材と分量の紹介です。

仔牛肉は豚肩肉で代用していただいても構いません。

【ブランケット・ド・ヴォーの材料と分量】10人前
仔牛の首肉 1.5kg
水  2L
白ワイン 300ml
玉ねぎ 2
人参 3
クローブ 4
ローリエ&タイム 
塩  15g
ナツメグ 2g
白胡椒  2g
生クリーム 100ml

【マッシュルームの調理材料】

マッシュルーム 300g
仔牛のブイヨン 100g
塩 2g
レモン果汁 5ml

【ルーブラン】

バター( Butter) 100g
小麦粉(Wheat flour) 100g

【仕上げのソース】

ソース 500g
レモン果汁 5ml
卵黄 1
生クリーム100ml

1・具材を2時間煮込む

まずはお肉の下処理から始めます。

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塊肉を扱う場合は約5cm角にカットします。

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鍋に分量の水とカットした肉を入れて強火にかけます。

アクが出てくるのでしっかりと取り除きます。お湯が激しく湧いている状態が続いていると灰汁がお湯全体に回ってしまうので、一度お湯が湧いたら激しい沸騰状態を避けてアク取りをします

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アク取りが終わったら、分量の白ワイン、香味野菜、ローリエ・タイムを鍋に入れて、火加減を落として優しい沸騰状態を保ち2時間煮込みます。

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クローブは玉ねぎに刺しておきます。

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表面にクッキングシートなどで作った落し蓋をすると、安定してちょうど沸騰状態が保てますし、表面に浮き上がってしまう食材にも均一に火を入れることができます。

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香味野菜の玉ねぎ・人参・ニンニクは、カットしないで大きい形のまま一緒に煮込みます。 

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香味野菜は2時間の煮込み時間に対して小さくカットしてしまうと煮崩れのリスクが上がり、ブイヨンが濁る原因になるのでカットしないで煮込みます。

また、玉ねぎ・人参・ニンニクは仕上げに盛り付けて食べるようでもあります

煮込み時間は2時間が目安ですが、もちろんお肉の状態や肉質に含まれているゼラチン量によって若干異なるので1時間煮込んだら一度お肉の柔らかさを確認することをオススメします。

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お肉が柔らかくなったら火を止めます。

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火を止めたらこの時点で塩を入れます。

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はじめから塩を入れてしまうとお肉の旨味が抜けきってしまうので、肉に火が入ってから塩を入れます。

食材は鍋に入れたまま一晩休ませて旨味と香りのある液体を食材になじませます。

常温で一晩置いておいても、翌日すぐに調理するのであれば衛生的には問題ないですが、熱い夏場や衛生面で心配ならば、粗熱が取れてから食材を別容器に移して冷蔵庫で休ませることをお勧めします。

2・ルゥー・ブランを作る

お肉・香味野菜を一晩休ませている間ソースにとろみを付けるために必要な、ルゥー・ブランの準備に取り掛かります。

分量のバターを鍋に入れて弱火でゆっくり溶かします。バターは予め小さくカットしておけば、素早く均一に溶けるので焦げるリスクは低いです。

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バターが溶けたらふるった小麦粉を一度に加えて炒めます。

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弱火を保ったままサラサラになるまで炒めます。約6〜8分ぐらいです。

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小麦粉をバターで炒め終わったら別容器に移して冷まします。

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これでルゥーの準備は完了です。

3・ソースを作る

一晩液体の中で休ませた食材を取り出します。

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取り出した食材はお好みの大きさにカット、もしくはお肉のサイズと同じくらいの大きさに揃えると盛り付けの際に綺麗に盛り付けられます。

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仔牛のブイヨンを濾してから1/ 3ほど煮詰めます。

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煮詰めたブイヨンは、ソース用・マッシュルームの調理用、そしてバターライスを炊く用に分けておきます。

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バターライスの作り方はこちらの記事で紹介しています。

マッシュルームはブランケット・ド・ヴォーに欠かせない食材です。

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薄皮をむいて四等分にカットしたマッシュルームは、仔牛のブイヨンとレモン果汁を少量加えて強火で火が入るまで加熱します。

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レモン果汁はマッシュルームの変色を防ぐために入れています。

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火が入ったら液体とマッシュルームを分けておき、マッシュルームの旨味も加わった仔牛のブイヨンはソース作りのために取っておいた1/3煮詰めておいたブイヨンと合わせます。

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ここまでできたら後はソースを仕上げるのみになります。

マッシュルームの旨味を加えた煮詰めたブイヨンを沸かしずつ、小さくカットしたルゥー・ブランを少しずつ加えていきます。

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ルゥーを加えるときは、絶えずホイッパーでブイヨンを混ぜながら少しずつ加えます。紹介した分量で作ったルゥーをすべて加えるとしっかり濃度を付けることができますが、そこはお好みでもう少しサラっとしたソースに仕上げたい場合は、全てのルゥーを加える必要はありません。

ブイヨンに濃度が付いたらナツメグ・白胡椒・生クリーム・レモン果汁を加えて味を整えます。

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これでほぼソースの完成です。ここに火の入れて形を整えたお肉と野菜を加えてソースと一緒に温め直して食べても、もちろん美味しく召し上がれます。

4・ソースに卵黄を加える

しかし更に本格的なブランケット・ド・ヴォーに味わいを近づけたいのであればもうひと手間加える必要があります。

卵黄をソースに加えて更にコクと卵黄の風味を加えるのですが、卵黄をソースに加えるとアツアツにソースを温め直すことはできません。

カルボナーラと同じ要領です

一度に食べきるのであれば、アツアツに温めたソースの火を止めてから、卵黄を加えソースを仕上げ、レンジや蒸し器などで温めておいた予めカットした食材を加えて仕上げます。

5〜6人前の分量で作るのであればこの方法も可能ですが、今回紹介しているレシピや、30人前以上一度に仕込むレストランなどの提供方法は、少し工夫する必要があります。

まず先程ルゥーを加えて濃度をつけて味を整えたソースは、具材を温めておくソースと卵黄を加えて仕上げ用のソースに分けておきます。

こうすることで鍋を弱火にかけておけば具材はソースの中でアツアツに保温しておくことができます。ソースは濃度があるので時々保温しつつも混ぜて鍋底が焦げないように注意をする必要があります。

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レストランでも同様に、具材を温めておく用のソースと、最後に卵黄を加えて仕上げる用のソースを分けてオーダーに合わせてアツアツで提供できるように工夫がされています。

もしくは一人前ずつソースと具材を真空袋に入れて湯煎や蒸し器で温めたものを、オードーに合わせて鍋に移して再度味を整えます。お皿に盛り付けた後に、仕上げに卵黄を提供ギリギリのタイミングで加えたソースをかけて完成させる方法もあります。

どちらが良いというよりも、レストランの規模や営業スタイルに合わえた提供方法を料理人が選べばよいということです。

話は戻り、自宅でも具材を温める用と仕上げ用のソースを分ける方法はオススメです。

こうしておけば、カレーやシチューのように余ったら翌日も具材を温め直すこともでき、常に熱々で食べることができます。

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別鍋に取り分けた仕上げ用のソースは一度沸騰させた後、鍋を火からおろしてから生クリームで伸ばした卵黄を加えて仕上げます。

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卵黄を生クリームで伸ばしておけば熱々のソースに卵黄を加えても凝固するリスクはなくなります。

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卵黄は500gのソースに対して1個が目安です。

後は温めた具材を盛り付けたお皿にたっぷりかければ完成です。

お皿に盛り付けるときは、一緒にバターライスも盛り付けておけばソースと一緒に楽しむことができます。

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フランスの家庭料理を代表するブランケット・ド・ヴォー。

これから気温も少しずつ上がり暖かい季節を迎えると思いますが、私は通年通して定期的に食べたくなるフランス人のおふくろの味です。

仔牛肉の代わりに、豚肩肉、もしくは骨付き鶏もも肉を使って作って味わってもらいたい料理です。

それでは、良い一日を!!


YouTube動画では、他にも私の料理を紹介しています。


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Chef Ichi

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