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魅惑のフォアグラのテリーヌ

さて本日はフォアグラのテリーヌの作り方を紹介します。前回の記事ではフォアグラについて、フォワグラの美味しさや、扱い方の注意点を詳しくお話させていただきました。

さて動画で紹介しているフォアグラは、12月25日に、知り合いのお肉屋さんから、通常価格よりも安く購入できたフォアグラです。

安く購入できた理由は、写真で見てもわかるようにフォアグラの表面に血がにじみ出てしまっている事と、クリスマスシーズンを終えて需要が減ったことです。

表面の血がにじみ出てしまっているのは、真空パックにされて中の血管が破裂して表面に浮き出たり、また取り扱いが丁寧でなかったことが考えられます。

レストランではこのようにフォアグラは取り扱うことはありませんが、フォアグラのテリーヌを作る際には、中の血管が傷つかないように表面だけ軽く取り除きば、仕上がりには影響がないので、丁寧に下処理をして調理を進めます。

1:フォアグラを室温に戻す

まず血管を取り除く作業に取り掛かるのですが、その前にフォアグラは室温に戻します。

表明を軽く指で押して凹む位まで室温に戻すのは、下処理をする前の重要なポイントの1つです。冷蔵庫から出したばりで冷たい状態だと、フォアグラはバターのように固いのです。

下処理するときは室温に戻して柔らかくさせておかないと、フォワグラは身割れして、血管も切れて取り除く作業が困難になります。また、フォアグラが固いからといって無理に暖かい場所に置くと、フォアグラから脂がにじみ出てくるリスクがあるので、急激に温める事は望ましくありません

室温の高い夏場なら1時間程度で構いませんが、ただ室温の低い冬場などはそれ以上時間がかかってしまうので季節によって時間を調節する必要があります。

今回は冷蔵庫から出して室温で2時間以上かけて柔らかくしましたが、これでもまだ少し固い位ですね。デリケートな食材なのでゆっくり時間をかけて室温に戻す必要があります。

フォアグラは大きい房と小さい房が1つになっているので、手で割いて分けます。

ちなみに購入したフォアグラは660g大振りサイズですが、高品質なアヒルのフォアグラ選び方は、大きさは400〜500g前後のフレッシュな状態が望ましいです。色合いも黄色味がかったベージュ色が良いとされています。

大きすぎフォアグラ、個人的にはフォアグラから脂が出てくる加熱調理にて、丁寧に施さないとフォアグラ自体が溶けやすく形が保ちにくいデメリットがあると思います。

2:血管を取り除く

まずは大きい房から血管を取り除く下処理をします。

フォアグラは表面のなめらかな面を表面としたら、こちらの裏面から血管を取り除く作業します。

大きい房のフォアグラはこのように横にしたときに血管が上下2段構造になって張り巡らされていています。1段目は中心部分から、放射状のように血管があります。

外側に行くにつれて血管が細くなっているので、中心部分から包丁の背を使ってフォワグラを少しずつ開いて、血管をむき出しにします。

血管が切れないように外側に開きます。1本目の血管を取り除き終えたら、続いて2本目の大きい血管も取り除いていきます。

1本目と同じように包丁の背を使ってフォアグラを少しずつ外側に開いていきます。大きな血管なのですぐに見つけることができます。

後は、上から出ている大きい管をつまんで上から少しずつ血管を剥がしていきます。

もし途中で血管が切れてしまっても後から包丁の先や魚の骨抜きなどを使ってきれいに取り除けば問題はありません

血管を取り終えたら、フォアグラの形を戻しある程度元の形に整えておきます。

続いて小さい房の血管を取り除きます。

小さいほうも大きい房同様に2本の血管が走ってます。先ほどと同様に真ん中から少しず包丁の背中を使って開いていきます。

1段目の血管を出せたので中央からゆっくり引っ張って取り出します。

大きい2本目の血管も簡単に見つけることができるので上から下に引っ張るようにしてゆっくり取り出します。

これで全ての血管を取り除く作業は完了です。先ほどと同様に形をしてある程度元の状態に戻しておきます。

次の工程に移りますが、クッキングシートの上に乗せたまま作業を続行します。その方が後片付けもしやすく、柔らかくなったフォワグラを移動させやすいメリットがあるからです。

3:下味をつける

続いて下味をつける工程です。

下処理後のフォアグラの重さは640gになりました。

✅【材料と分量】フォアグラ1kgに対する分量
塩 14g  
グラニュー糖 3g
 白胡椒 2g
ポルト酒 27 ml
マデラ酒 17 ml
コニャック 12ml

✅【動画内のフォアグラは660gでした。下処理後のフォアグラ640g対する下味の材料と分量です】
塩 9g
 グラニュー糖 2g
白胡椒 1g
ポルト酒 16 ml
マデラ酒 11ml
コニャック 8ml 

塩・グラニュー糖・白胡椒のパウダーは、一緒にしてしっかり混ぜ合わせます。

香りと、味わいに深みを与えてくれるのは、ポルト酒、マデラ酒、コニャックの3種類です。こちらも一緒に合わせておきます。

準備した調味料を、フォワグラの両面にまんべんなくふりかけてマリネします。

マリネする時はなんとなく塩から振ってしまうことがあるんですけど、僕はフォアグラのテリーヌに関しては、液体であるアルコールからからふりかけています。

先に塩からしまうと、せっかくフォアグラの表面についた塩などが、液体をかけたときにフォアグラから流れ落ちてしまうので、先に液体をまんべんなくマリネしてから、しっかり吸着しやすいように後から塩を振るようにしています。

マリネ用のアルコールは、今回紹介している以外にもホワイトポート、酸化熟成させる期間が長いシェリー酒のアモンティリャード、アルマニャックなど、料理人によって、様々な組み合わせでマリネすることもあります。

でも結局どちらから下味をつけ始めても仕上がりに大きな差は生まれないので、順番は好みと言うことで収めておきます。

下味をつけたフォアグラは、一晩マリネしてからテリーヌ型に詰めて火入れするレシピもありますが、一度室温に戻して温度の上がったフォワグラは、このままの流れで加熱後調理にとりかかった方が加熱時間も短く、スムーズにフォアグラに火が入りやすいです。

また個人的には、一晩マリネしたものと、今回のように直接加熱工程に進む仕上がりの差は大きな違いはないと思います。むしろフォアグラのテリーヌは、火入れをした後に数日おくことで、味わいが落ち着いて深みも増す印象です。

4:フォアグラをテリーヌ型に詰める

さて、下味を付けたフォワグラをテリーヌ型に詰める工程ですが、フォワグラは包丁入れていない、なめらかな面が上下、外側になるように詰めます。

詰める時はスプーンの背中や指を使って、そして中に空気が残らないようにしっかり押し込んで詰めます。

表面もできるだけ平らにならしたら、バットの中に残ったマリネ液を残さずテリーヌ型に入れます。

参考までに、この時点でフォアグラの中心温度は15°C前後でした。

5:フォアグラを加熱する

加熱は湯煎の中でおこないます。深めのバットや耐熱皿の中に蓋をしたテリーヌ型を置き、90°C前後のお湯を注ぎます。

専用の蓋がない場合は、数枚重ねたラップ、もしくはアルミホイルで代用することもできます。120°Cに設定したオーブンで35~40分間火入れをします。

火入れの目安になるフォワグラの芯温は、45°Cです。フォアグラに火の入りはじめる温度、48°Cの少し手前の温度帯でオーブンから出します。

レストランでは最終的に料理人が望む仕上がりによって、加熱方法や加熱温度と時間は異なります。例えば保存期間を1週間以上と長めにするのであれば中心温度を55°Cまで上げることもありますし、

保存期間は短くなりますが、より生に近い風味と口当たりの仕上がりを目指すのであれば、中心温度を40°C以下で火入れを止める場合もあります。

6:冷蔵庫で一晩休ませる

湯煎から取り出し、フォアグラから出てきた脂を取り出します。ながら別の容器に移します。

脂は全て取り除かずに、表面に数ミリ被る程度残しておきます。

専用の蓋をかぶせて、底に沈んでいる脂が浮き出るようにします。テリーヌ専用の蓋がい場合は、発泡スチロールを切り取ってラップを包んだものを準備します。

最後は重しをしてフォアグラの形が、綺麗にテリーヌ型の形に保てるようにします。

このように加熱後フォアグラから出てきた余分な脂を取り除いて必要最低限の脂のみテリーヌに残せば、外側は綺麗な状態を保ち、翌日の作業もしやすくなります。

冷蔵庫に入れて1晩寝かせます。

7:固まったフォアグラの脂を取り除く

一晩冷蔵庫で休ませてフォワグラを冷やし固めたら、冷え固まった脂を取り出す作業をします。

ヘラなどを使って型にくっついている脂をすべて取り出します。


専用の蓋も取り外し、内側に残っている水分やテリーヌ型の内側についている汚れを、キッチンペーパーを使ってきれいに拭き取ります。

もしフォアグラの表面が平らでない場合はきれいにたいらにならしておきます。

8:脂でテリーヌの表面をコーティングする

取り出したフォアグラの脂は全て使わないのですが、ボールに入れた脂は別の容器に移したいので、湯煎にかけてゆっくり溶かしています。

テリーヌ型に流し入れる脂は、弱火でゆっくり溶かし、底に沈んだ不純物が入らないように、漉しながら別の容器に入れます。

またフォアグラの脂は野菜を炒めたり、お肉を焼く際に、バターの代わりとして再利用することもできます。

今回の火入れ方法で、約600gのフォアグラから、200gほどの脂が溶け出しているのでん、フォアグラにどれだけ脂が含まれているのか確認できますね。

溶かした脂は、表面を覆う程度で良いのですが、今回は100gほどテリーヌの表面に流し入れました。

冷え固まる脂は、空気が直接フォアグラの表面に触れることを防げ、保存する役割を果たしてくれます。脂がしっかり固まるまで冷蔵庫で冷やし固めます。

しっかり脂が冷えて固まったの確認できたら型から取り出します。

陶器のテリーヌ型なので、取り出しやすいように30秒ほど湯煎に入れて型の表面を温めました。

型から取り出した瞬間から、空気に触れるので、フォアグラの表面から少しずつ劣化が進みます。

出来上がってから、1週間を目安に冷蔵庫で保存できるので、型に入れたままの状態から、包丁を入れて食べる分だけカットする方法が好ましいです。

今回は出来上がった状態を確認したいので型から全て取り出します。側面に包丁を入れて、接着部分を切り離し、後は包丁の先端を使って少し空気を入れてあげれば簡単に取り外すことができます。

フォアグラの表面についた水分や、残りの油はキッチンペーパーで拭き取りました。

9:フォアグラをカットする


包丁はお湯で温めてからフォアグラをカットすると、きれいな断面にすることができます。そしてカットする度に包丁を拭き取ると、フォアグラの上部も角が立ち綺麗にできます。

断面も綺麗で色合いも美しく理想の仕上がりになりました。

食べるタイミングは味が落ち着く2 、3日後ですが、もちろん火入れをして冷やし固まった翌日に食べてもおいしいです。

またデリケートな調理が必要とされるので、本当においしいフォアグラ料理を食べるのであれば良質なレストランであったり信頼できる人に作ってもらうのが1番です。

皆さんもぜひ、レシピを参考にしてご自宅で作ってみてください、とは言えないんですが、世界中の人を魅了するフォアグラの定番前菜を皆さんて共有たかったので今回はレシピを紹介しました。

https://youtu.be/1g0p_FVCLV4

https://youtu.be/E3pBvYpP3bU

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Chef ichi


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