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偶然出会えたあなたを運命の人にしたい


スピッツさんの『運命の人』を聴きながら運命の相手とはどんな人なのだろうかと考えている。

別に恋愛関係でなくてもいい、友達でも家族でもいい、関係性に名前なんてなくてもいいのだが、運命の人がいたらいいなと思う。

その人は運命的に相性が良いとされている相手なのか、それとも私自身が相性を良くしたいと願う相手なのだろうか。

もし仮に「この人が運命で決められた人です」と言って紹介されたとしても私は少し納得できないような気がする。

相性的に良いと言われる人と、相性が良くなりたいと願う相手は必ずしもイコールで結ばれるわけではないのだろう。

運命で結ばれた人ではなくても、偶然出会った相手と「運命の人だ」と言えるくらいの関係を築きたいと思うことだってある。

運命に定められた人でなくてもいいと思う私はもしかすると運命に抗いたいだけなのかもしれない。

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出会った人、周囲の環境、自分の感情、思考、それらはもしかすると自らの行動による結果ではなく超越的な何かによって決定されているのかもしれない。それこそ運命のように。

もしそうであるならば私たちが何かを変えようと考えたり行動することは無駄なんじゃないかと思えてくる。私たちの行動とその結果には実は何の関係性もなく偶然の作用によってもたらされた結果なのかもしれない。

たまたま隣の席だったとか、たまたまあなたの考えていることが分かったとか、たまたま同じ歌手が好きだったとか、たぶん私たちの思い通りにならない要素なんてたくさんある。

それでもなぜ見えない未来に向かって行動を起こしていくのだろうか。なぜ仲良くなりたい人とご飯に行ったり、関係を深めるために愛を伝えたりするのだろうか。なるようになるのなら自然に身を任せれば運命に導かれていくだろう。それでも自らの手で未来を切り拓きたいと願うのは運命のような人間の力を超えた何かに抵抗したいからなのだろう。少なくとも抵抗していると思いたいからなのだろう。

起きた結果に理由を求めるのならば、その答えらしきものは見つかると思う。今日はあのカフェに行ったからあの人に会えた。あの時友達になろうと言ったから友達になれた。でもその理由だけで結果が起きるわけではない。同じ理由、同じ条件が揃ったとしてもまた同じ結果になるとは限らない。

だから、別の理由、別の時間に出会ったとしても素敵な関係を築いていきたいという願いを届けたい相手に出会うこと自体は偶然の要素によるものなのかもしれない。

そんな人に出会えたとして、どのように相手を理解できるのだろうか。最初は運命の相手と呼べるような関係じゃなかったとして、どのようにすればお互いに理解を深めていけるのだろうか。

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人の気持ちを完全に理解することは難しい。だけど、分かろうとする努力を怠りたくはない。そのためには「相手の言動」に注目する必要がありそうだ。

しかし、みんながみんな感じたことや考えたことをそのまま伝えられるわけではないから、「相手の言動を信じつつ疑う」という行為をしないと勘違いの歪みは大きくなっていくのだと思う。

そのため、まずは相手の言動を信じながら、普段の言動や行動(時には常識など)と照らし合わせてみてその言動が妥当かどうか考える。

「あなたの気持ちは分からないけど、今揃えられる材料を集めて考えた結果あなたは今こういう気持ちだと思う」という想いを相手に届ける。

その時に相手の考えや感情を推測する場合もあると思う。その場合には、「推測した相手の感情や考え」と「実際に発言した感情や考え」をしっかり区別して認識する必要がある。

その結果、もし仮に相手の気持ちを限りなく100パーセントに近い状態で理解できた時があったとしてもそこで終わりではない。

相手がどんな人生を送ってきたか、今現在どんな考えを持っているのか、今日の気分はどうなのかによって行動や言動の意味なんて変わってしまうこともあるからだ。

人の気持ちはその時々で変わりうるものだから一貫性を求めることで勘違いを生むことだってある。そのため相手を理解する過程を終わらせてはいけないのだと思う。

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こう考えただけでも相手を理解することはとても複雑で面倒なものに感じるかもしれない。相当な時間と労力が必要なことなのかもしれない。

それが分かった上でも素敵な関係を築いていくために理解し合いたいと思える相手に出会うことはもしかすると偶然の要素によって決められた出来事かもしれない。

その相手と最初は相性が悪かったとしても、そんな運命に抗いながら一緒にいたいと思える相手こそがお互いにとっての運命の人なのだろう。











このnoteは翠さんとの「交換ノート」マガジンに投稿する記事です。今回はスピッツさんの『運命の人』を聞いて感じたことを書きました。

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