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ナチュラルでシンプルな就活

就活をはじめて約4ヶ月が経った。

結果として、第一志望から第三志望の3社から内定をいただいた。

就活とか絶対向いていないと思っていたけど、蓋を開けてみれば思ったよりも上手く行った。

おそらく私にとって何かをする上でいちばん必要なのは「納得感」で、今回は就活をするということに納得感を持てた状態だったので、最後までやりきることができたのだと思う。

無理して就活しなくてよかった

私は大学3年のとき、就活を諦めて2年半休学した。

振り返ると、その選択は大正解だったと思う。もう二度と就活はしないつもりだったけど、結局なんだかやる気が出てきてやることになってるし、自分の心が向かう方に進んでいれば、自ずと道がひらけてくるものだと思う。

休学期間も自分で生計を立てられたし、就活しなかったとしてもそのままなんとなく生きていけたと思う。それでも現実的な問題として、ビジネスの世界でお金を稼ぐ力をつけておいた方がいいと思った。
将来的に田舎暮らしをまた始められるように、オンラインでも働ける企業に絞って就活をした。

休学中に、色々な働き方をしてみた上で、自分にとって大事な条件が見えてきたのが、就活にやる気が出た要因だったと思う。

私の場合は2年半も休学をしたけれど、不利なことは何もなかった。休学したおかげで面接で話すネタもたくさんできたので、面接官の方々が楽しんで私の話を聞いてくれた。ある面接官の方から、「今期ではじめて面接の1時間があっという間な学生に会った」と言ってもらえたのが嬉しかった。「3年の遅れがあるけど、そんなのは全然大したことない。」とも言ってくれた。

嘘はつかなくてもいい

就活のあるあるとして、受ける企業全部に「御社が第一志望です!」と言わなきゃいけないみたいなのがある。けれど、私は第二志望、第三志望の企業にも正直に志望順位を伝えていたし、最終面接の前にも第一志望じゃないけど最終面接を受けてもいいかということを人事の人に聞いておいた。

それでも内定をもらうことができたのは本当にありがたいなと思った。元々第一志望だとは言っていなかったので、内定を辞退する時もまだ気が楽だった。

そしてありがたいことに、第二志望の企業から、就職するまでの間、生成AIのリサーチの業務委託の話をもらった。すごく面白そうな仕事だったのでやらせてもらうことにした。「最後まで弊社に誠実に向き合ってくれたので」と人事の方に言って頂いたのが嬉しかった。自分が内定をとることよりも、信頼関係を築くことを大事にしていたのが良かったなと思った。

面接中も、自分を実態よりよく見せようとしたり、話を盛ったりすることはしないようにしていた。大事なのは、嘘をつくことではなく、情報の取捨選択だと思った。嘘をつくことよりも、言わなくていいことをわざわざ言わないということの方が大事だと思った。

嘘をついたり、適当なことを言うくらいだったら、正直に「分かりません」って言おうと思っていたら、自然と力が抜けて、本心から言葉が出てくるものだと思った。

話しかたを覚える

休学期間は2年以上も山にこもっていたので、最初はビジネス的な口調や話の組み立て方で話すのがとても苦手だった。面接でふにゃふにゃ話すわけにはいかないので、就活の間は、ビジネス系の意識高めなYouTubeを聞いてその界隈の話し方を真似できるようにした。

最初はビジネス的な話し方になんとなく抵抗があったけど、外国語だと思って習得すれば違和感なく入ってきた。就活の最後の方はすごく話すのが上手くなっていて、外国語を習得したかのような達成感があった。

人を大事にしている企業をえらぶ

その企業が人を大事にしているか、ということはその企業が1人の採用にどれだけのコストをかけているかというところから見えてくると思う。

私の行くことになった企業は、二次面接を通過した時点で専属のリクルーターがついて、親身に選考のサポートをしてくれた。面接は6回に及び、社員の方々との面談の機会もたくさん用意してくれた。就活を終えた時点でリクルーターの方とのメールのやりとりは100を超えていた。内定が決まった時は、盛大にお祝いをしてくれた。

私がこの企業で活躍できるような素質があるか、ということだけではなく、私にとってこの企業に入ることが幸せなのか?ということを一緒に考えてくれるような選考プロセスだった。

1人の新卒を採用するために、ここまでのコストをかけるのか?!と驚くほど、濃密な期間だった。

「成果を出すことは大切だけど、自分と家族の心と身体の健康がいちばん大事だ」ということを社長が明言していて、素晴らしいなと思った。

人に時間とお金をかけられる、ということはそこで働くことをイメージした時にすごく大事だと思う。

企業規模が小さくても、知名度がそんなに高くなくても、人を大事にしているかということが私の中ではとても大事な基準だった。

どこかに所属できるという安心感

今は不思議と、就職するのが楽しみだなと思っている。

週5日はやることがあって、自分の心と身体を健康に保てるくらいの時間とお金の余裕があって、自分の仕事にフィードバックがあって、周りの人たちといい人間関係で暮らせたら、わりといい感じなんじゃないかと思う。

私は自由を愛する人間だと思っていたけど、自由には責任が伴うということを実感した。自由すぎると不安になるから、どこかに所属して働いている方が、メンタル的に安定するのかもしれない。

パラレルキャリアとしての「森」

いつか、自分の森に小屋を建てて、心と身体を整えるサロンをひらきたい。そのことを内定先の社員さんたちに話したら、「いいね!」と言ってくれた。

就職してからも細々とマッサージの仕事は続けたいし、休みの日には森に行って開拓したい。生活を支える本業があるからこそ、お金に囚われず心を込めてやっていけるんじゃないかと思う。

副業というか、「パラレルキャリア」という言葉がしっくりくる。本業とは別の、人生を豊かにする活動。何十年も続けていれば、それなりの蓄積になると思う。

あれもこれもやって収拾つかなくなりそうだけど、自分の芯さえ見失わなければ、すべてが相乗効果で良くなっていくんじゃないかという気がしている。

不確実な時代だからこそ、一つに絞らずバランスをとっていきたい。

就職はそのための大きな一歩だと思う。

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