過渡期と可能性の美学
過去に対する憧れのような視線が差し向けられる時代というのは、大抵過渡期であるように思う。近代国家成立への過渡期であった明治時代、あるいは焼け野原から現代的な都市生活への過渡期であった戦後の昭和期、などなど。さらに小さな規模で言えば、子供から大人への過渡期として捉えられる高校時代が「青春」として称揚されがちなのも同じことのような気がする。
しかしよく考えてみると、どの時代、どの瞬間であってもある側面においては何らかのパラダイムから別のパラダイムへの過渡期に置かれているはずで、