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【美術館🎨】『MUCA展』−ディズニーを疑う−

こんばんは☺︎
週末、MUCA展に行ってきました✳︎

『MUCA展 ICONS of Urban Art 〜バンクシーからカウズまで〜』
2023年10月20日-2024年1月8日
会場[京都市 京セラ美術館 新館 東山キューブ ]


✳︎

💬MUCAとは

ドイツ・ミュンヘンにある美術館
『Museum of Urban and Contemporary Art』

2016年開館
ドイツ初アーバン・アートの蒐集に特化した美術館。

https://www.mucaexhibition.jp

💬アーバン・アートとは

20世紀以降、都市空間で発達した視覚芸術。
壁や建物、道路や橋などの公共の場所にアートを描き
都市の景観を変え、そこで生活する人に対して
メッセージを訴えかける。

公共の場所に無許可に表現されるのが特徴的で
違法とみなされることもある。

💬バンクシーからカウズまで
  そのあいだにいるアーティスト

👤BANKSY | バンクシー

⚪︎イギリス・ブリストル出身
 湾岸都市でカラフルな街並みが美しく、街には
 バンクシーの作品が残されている。

https://crea.bunshun.jp/articles/-/15277?page=2


⚪︎1990年からグラフィティ・アートをはじめ、
 2000年頃から評価され始める。
⚪︎ステンシルアートを用いて、
⚪︎アート・テロリストと呼ばれ、神出鬼没。
 正体は明かされていない。

https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Bethlehem_Banksy.jpg

👤KAWS | カウズ(1974〜)

⚪︎アメリカ・ニュージャージー州からNYへ進出。
⚪︎Disney作品にも携わっていた経歴がある。
⚪︎ 「Subvertising(サブバータイジング)」
 用いる。公共の場に設置されている企業広告に
グラフィティを加えて、別の意味に改変する手法。

https://juicestore.com/en-jp

⚪︎「COMPANION(コンパニオン)」
 ×の目が印象的なカウズのアイコン的キャラクター。
 ミッキーマウスを再構築したと言われ、
 コレクター人気が高い。
 既存キャラクターやUNIQLOとのコラボでは
 争奪戦になるほど。 

👤BARRY MCGEE
             | バリー・マッギー(1966〜)


⚪︎アメリカ・サンフランシスコ出身。
⚪︎幾何学的模様とノスタルジックな色彩が印象的。
⚪︎中国系の母を持ち、特に度々描かれる
 絶妙な表情の男性にはアジアンエッセンスが
 感じられる。

👤OS GÊMEOS
      | オス・ジェメオス(1974〜)

⚪︎ブラジル・サンパウロで活動する一卵性の双子。
 OSGEMEOSはポルトガル語で双子を意味する。
 サンパウロはストリートアートの聖地とも言われる。
⚪︎作風は黄色い人物とビビッドカラーが印象的。

👤INVADER | インベーダー(1954〜)

⚪︎フランス出身。パリにある国立美術学校の
 エコール・デ・ボザールを卒業。
⚪︎レトロゲームに影響を受け、8ビットのキャラなど
 ゲームの世界観が表現の源になっている。
⚪︎セラミックタイルやルービックキューブを用いた
 ピクセルアートが主流。

👤SHEPARD FAIREY
    | シェパード・フェアリー(1970〜)

⚪︎アメリカ・ロサンゼルスのグラフィックデザイナー。
⚪︎公共物にグラフィティを加え、器物損壊などの罪で
 かなり逮捕されている。
⚪︎ステッカーやTシャツで著名人の肖像に
 社会的メッセージを込めた表現を加えた作品が多い。

👤RICHARD HAMBLETON
| リチャード・ハンブルトン(1952〜2017)

⚪︎カナダ・バンクーバー出身。NYをはじめ
世界で活躍したストリートアート・ゴッドファーザー。
ヘリング
バスキアと共に1980年代を駆け抜けた。
⚪︎ 『Shadowman(シャドウマン)』と呼ばれる
 黒いシルエットの人物がアイコンになっている。

👤JR | ジェイアール(1983〜)

⚪︎フランス・パリ生まれ。
⚪︎建物や壁に写真を貼るペースティングの表現を確立。

👤SWOON | スウーン(1977〜)

⚪︎アメリカ・フロリダ生まれ。
⚪︎女性ストリートアーティストの第一人者。
⚪︎切り絵による表現が特徴的。


👤VHILS | ヴィルズ

⚪︎ポルトガル出身。
⚪︎「スクラッチ」技法を用いて、壁や扉に
 彫刻的表現を行う。


✳︎

🌱感想1「ディズニーは疑っていいもの」


Disneyって疑っていいんだ〜😳
そこから感心しました☀︎
入ったすぐにバンクシーの「アリエル」がありました。
アリエルが揺らいでいる!
かなりインパクトのある作品。

2015年にイギリスで開かれた『ディズマランド』
展示された作品の一つだそうで、
詳しくは以下のリンクから。
怖い作品にハマっていた時に、みた記憶があります。
バンクシーが企画したんですね😳

カウズの「コンパニオン」はミッキーマウスを
再構築したものとのこと。
たしかにミッキーの服着ていますね。

ウォルト・ディズニーの白人主義に対する
批判的メッセージもあるんでしょう。

🌱感想2「現代アートを読み解くカギ」

今回の展示を訪れるまでは、かなり現代アートを
敬遠していました。
私の頭はかなり固いので、ART=うつくしさがあるもの
と、決してそうではないと思いつつ、潜在的には
そう信じていました。
現代アートを見るとアートとはなんぞやと思います。
それもまた現代アートの力だと思います。
自分の価値観を揺らがされます。
ART=美術よりART=創造の方がイメージ通りかなぁ。

アーバン・アートには
場所性がかなり重要だと感じました。

バンクシー「Love is in the Air(花束を投げる男)」(2003)には特にそう感じます。
この作品はパレスチナのガソリンスタンドの壁に
描かれました。パレスチナとイスラエルを隔てる壁が
建てられた時に描かれた作品です。

今も続く戦争という人間の永い課題に対して、
その場所に「反戦」というメッセージを表現し
その場所に生きる人々へメッセージを投げかけます。
それだけでなく、神出鬼没のアートによって
話題になり世界中へのメッセージになります。

🌱感想3「アーバン・アートの違法性」

この手のアートにモヤモヤしていた理由が
判明しました!基本的に違法行為なのです!
そして違法行為が公的に認められているのです…!
頭カチカチニンゲンには受け入れられないのです🕸️

そのための匿名性でもあるのですね。
単純にミステリアスな話題性のためかと思ってました。
自分が無知すぎて笑えました😆

もともとグラフィティなどのヒップ・ホップ文化
アメリカ・スラム街に住む黒人差別を受けていた
貧困層の若者から生まれた文化です。
間違ったことが当たり前になっている
社会へのメッセージとして始まった表現。

特に都市は富裕層が合理的に生きるための場所です。
もともとアートも富裕層の権威を示すために
つくられていた歴史があります。
そんなアートの敷居をぐっと下げることで
本当に世界を変えていくべきの今を苦しんで
生きている人たちへメッセージを発信し、
私のように富裕層の正しい社会を壊さないための
教育をされてきた人間に対し警鐘を
鳴らしている
ように思います。

日々暮らす街にアートをもってメッセージを残すため、
違法行為とも言えるやり方で無理矢理にでも
人々の生活に入り込む、そのエネルギッシュさに
圧倒されました。

この余韻を味わうのが実際にアートに触れる
醍醐味かなぁと思います。
実際にそこにあるという物質を感じる偉大さ
なかなか言語化は難しいですね。

個人的にはSWOONの作品の無骨な感じと
リチャード・ハンブルトンの爆発した感じが
好きでした☺︎

期間はあと少しですが、
ぜひ行ってみてほしい展示です🌷

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