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黄蜻蛉立田葉紅筒白切咲

きとんぼ たつたば べに つつじろ きれざき

我が家で毎年育てている変化朝顔の名前です。

トンボが羽根を広げたような、
もみじの葉のような形をした黄色い葉(実際には黄緑)、
紅色の花で、
筒(細長い筒になっている部分)が白く、
花びらが切れ込んでいる

という意味。
変化朝顔の名前にはルールがあり、名前からある程度、形を推測することができるそうです。

きとんぼ たつたば

変化朝顔(へんかあさがお)について

アサガオの突然変異株。変わり咲朝顔や変化咲き朝顔ともよばれます。
「正木(まさき)と「出物(でもの)」の2つのタイプがあります。
稔性がある、つまり種が取れて、その種から同じ形の花が咲くものが「正木」。
種ができないものか「出物」。出物は朝顔とは思えないほど変わった形の花が咲きます。

では、種のできない出物はどうやって増やすのか?

出物の増やし方

アサガオは、花粉が同一個体の花のめしべに受粉する、自家受粉ができるため、出物はこの性質を使って、遺伝子を維持します。

  1. 出物の遺伝子を持つけれど、正常な花が咲く親木を、自家受粉させて種を取る。

  2. 次世代には、出物と正常の両方ができる。

  3. 出物は観賞用にする。出物は種ができないので、その世代で終わる。

  4. 正常のほうには、出物の遺伝子を持つものと持たないものが混ざっているが、両者は見た目では区別できない。そのため、株同士が混ざらないように育てる。

  5. 育てたものの種をとり、また育てる。この世代を見て、出物が生じたものだけを選り分ける。

この繰り返し。
5番目の選別作業を行わないと、出物の出現率が減っていきます。

3世代にわたる識別作業。気の長い話です。

どう書いても文章だけではわかりづらいですが、以下に載っていた図解見ていただければ、なるほど!となっていただけるかと思います。
仁田坂英二「朝顔の仕分け(仕訳)」歴博 くらしの植物苑だより No.299


我が家の朝顔は、種ができて、毎年同じ色、形の花が咲きます。
つまり「正木」なのでしょう。

ただ、普通の朝顔とは、少し様子が違います。

発芽が遅めで、忘れた頃に芽を出すものも多いです。
発芽のタイミングも不揃いな印象です。

7月2日に撮った双葉。双葉の頃から葉の色がライムグリーン。

双葉の時から色が薄いため、他の朝顔と簡単に区別ができます。
葉の縁がわずかに反り返っているものが多いです。

よく枝分かれします。

花はよく咲きますが、種ができづらく、かなり株が大きくならないと結実しません。種の数も少なめで、一つの花に一つしか種ができていないものも多いです。

生育を見ていても、五体満足の朝顔ではないのだろう、と思うこともありますが、心の中でエールを送りながら、毎年育てています。

開花したらまたレポートします!


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