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ミントティーのおはなし。

ミントティーが好きだ。
乾燥したミントのティーバッグでもいいけど、やっぱりフレッシュミントで作るミントティーは格別に美味しい。
一種類のミントで作っても十分美味しいけど、スペアミントとペパーミントをミックスすると、もっと好みの味になる。



子供の頃、庭先で採れたミントで母が作ってくれたミントティーはとっても贅沢な気持ちになったし、大学時代に一人暮らしをしていた頃は、毎晩のように作って飲んだり、友人たちとも楽しんだりした。
思い出はいっぱいあるけど、フレッシュミントティーで思い出すのは、モロッコかもしれない。

フランス留学をしていた時、友人たちとモロッコを旅した。
初めてのアフリカ大陸。
砂漠を思わせる乾いた土と、肌に刺さるような強烈な日差し。まとわりついてくるハエ。
歩いて5分ほどの道を、モロッコの商人たちに話しかけられ続け、囲まれ続け、やっとこさ20分かけて歩いた。
みんな日本人を見つけると、「たかだのばーば!」とか、「しんじゅく!」とか(なぜか地名とか駅名が多かった)単語を投げかけてくるのだけど、一番面白かったのは「おせなか、ながしますか?」だった。(誰が教えたのか。)
人数は多かったけど、日本人女性ばかりでの旅だったので、いいカモだと思われたんだろう、きっと。
値札がない商店ばかりだったので、どこに行っても相当ふっかけられてるんだろうなという値段を提示されるが、フランス語を喋ると一気に空気が変わって、大体のものが半額以下になったのが面白かった。
関西出身の友人の値切り能力には脱帽した。すごかった。

ご飯は、レストランで食べたこともあったけど、屋台で食べるものが信じられないくらい安くて、それはそれは美味しかった。
タジン料理(野菜の味がぎゅっと凝縮していて、またその野菜から出たエキスがソースになって最高だった)や、串焼き(お肉と野菜にスパイスがついていたような)、クスクス(タジンの野菜と一緒に食べたのがおいしかった)などが、10年前に訪れた時は、ワンコインでお腹いっぱい食べられるくらいリーズナブルだった。
レストランで食べると一気に価格が上がって、日本のランチより高いくらいだったのに、屋台で食べるものの方がずっと美味しかった。

マラケシュという街に行った時に、屋台で晩ご飯を食べて、モロッコ雑貨(バブーシュやランプ、ラグ、アルガンオイルなど)を見に街を歩くというのが、とっても楽しかった。
そんな街で飲んだミントティーが、信じられないくらい美味しいのだ。

街中を歩いていると、ミントティーを飲んでいる人をよく見かけたし、食後やスパの後などにも、みんな飲むらしかった。
モロッコのミントティーは、フレッシュミントに緑茶が混ざっているらしい。
熱々のミントティーにどっさりお砂糖を混ぜて、甘していただく。
お店で頼むと、この甘くなった状態で提供される。
このお砂糖が何杯入っているのか不安になるほど甘いミントティーが、暑さが厳しい環境のせいもあるのか、めちゃくちゃ美味しかった。
頼めばお砂糖を減らすこともできたらしいけど、美味しくて、この甘さで毎回飲んだ記憶がある。

同じ味が飲みたくて、量り売りされているドライのミントティーブレンドを買ってきたけど、いまいち美味しくなくて、ずっとあの味が恋しいまま、10年も経ってしまった。


先日、夫が庭で摘んだスペアミントとペパーミントをぎゅうぎゅうにティーポッドに詰め込んで、お湯を注いでミントティーを作ったら、そんな日のことを思い出して、とっても嬉しく、美味しかった。
次はこれに、緑茶を少しと、お砂糖をたっぷり混ぜて、作ってみようと思う。
モロッコの味に近づくかな。

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