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AKAI Forceとableton liveの設定


AKAI Forceの現状と大まかな仕様

 発売されてから数年経つが、当初ずっと気になっていたAKAI Forceを最近購入した。当時ableton push2と同等、もしくはそれ以上の性能と期待していたが、実際にいじってみていろいろと感じたことがあるので備忘録として書き残しておきたい。(2024/5/1 現在、もし購入を考えている人がいればpush3を推薦する)

 現在Forceのファームウェアは3.30で止まっている。
製品マニュアルは日本語マニュアルが3.13まで、それ以降は全て英語マニュアルのみとなる。
3.13以降にアップデートする場合、WindowsではUSBオーディオドライバが認識せずオーディオインターフェースとしては期待できない。もしオーディオインターフェース機能を維持したいならファームウェアを3.13で止めておく必要がある。もしくは、Forceに別のオーディオインターフェースを繋ぐことはできる。
AKAIの方でasioドライバが用意されていないのでableton liveのオーディオインターフェースとして使うのは厳しい。 (asio4allもだめだった)
PCのオーディオストリーミング、WASAPI対応dawなら使い道はあるかもしれない。
Macの方はM1環境がないので深く書かないが、Intel macbook proで繋いでみたところ、しっかり2in 4outオーディオとしてcore audioで認識していた。
オーディオ、midiの面ではMacの方が断然相性がよく設定も楽だと思う。


ableton LINKシステムの設定方法

 筆者は現在Windowsでdawを操作することが多いため、オーディオインターフェースとして使えないのは少しガッカリした。
しかし、ableton linkでシームレスに動作したりmidiコントローラーとして使いやすければまだまだ使える機材だと思ったが、そう簡単な問題ではなかった。

 まずableton linkの設定方法と動作についてだが、Ethernet接続の方が安定すると思われる。ここではwifi接続については触れない。
ルーター経由ではなく直でDawを使用しているPCのLANコネクタにForceを繋ぐ。もしくは相性もあるかもしれないがLAN hubなどを介してもいけると思う。物理的なルーティングはこれでok。

 次にソフトウェア側の設定だが、Force側はネットかマニュアルを見ればだいたいわかると思う。
PC側にはAKAI Network midiドライバが必要であり、まずこれがどこでダウンロードできるのかもあまり情報がない。

上のリンクの version - 3.2.6 、ここからダウンロードできる。
(Macはv1.4.4、windowsはv1.4.1と表記とは若干異なる)

ドライバーをインストール、設定したら次にPCの設定に移る。
Macはシステムのオーディオmidi設定でネットワーク接続ができるため、設定はあまり難しくないが、Windowsは少々面倒くさい。
まず、DAW PCをAKAI Network midiと関連付けるための設定が必要であり、方法はいくつかあるかもしれないが、ここではオープンソースソフトウェアの rtp MIDIを例に説明する。(このソフトウェアを使うにはMacのbonjourをインストールする必要あり)
導入方法や使い方はここでは詳しく説明しない。
PC側の設定が整ったらableton liveの環境設定 Link/Tempo/Midi 設定に進む。

上の画像で赤い囲い部分にAkai Network Midi Driver と Akai Network DAW Control があるが、Akai Network Midi Driver だけでもLINKは動作する。

黄色い囲い部分にrtp MIDIで設定した自PCを設定する。(コントロールサーフェスはnoneでok)
後はMidi ports設定でルーティングを設定すればPC、Force共にLINKで動作する。

コンピューターモードのMIDIマッピングについて

 他に気になっていた機能として、Midiコントローラーとしての使い勝手だが、これがまたあまりよくない。

まず、Forceをコンピューターモードで立ち上げるとMidiデバイスとして認識され、liveでMidiコントローラーとして使えるが、デフォルトマッピングがはちゃめちゃでありパッドで演奏しながらツマミでパラメーターをコントロールすることができない。
その原因の一つとしてツマミを触ったときにCCが一つ割り当てられており、回したときにももう一つCCが割り当てられているためツマミを回す度音が鳴ったりしてしまう。
この仕様を解決するためにいろいろ考えたが、スクリプトでliveのマッピングをカスタムする等少し手間がかかるものしかない。
とりあえずすぐに実行できる手軽な方法として現在はツマミに触れた時のCCだけミュートしている。
ツマミのタッチCCには適当な項目を割り当て、それをミュートする。
回したときのCCには自分がコントロールしたいパラメーターを割り当てる。
少々面倒だがこれで最低限Midiコントローラーとして使えるとは思う。

まとめ

 今回はAKAI Forceの難点をいくつか紹介した。
まだ全ての機能や設定、他DAWでの利用などが試せていないのでまた機会があれば書きたいと思う。

良いな~と思った点もいくつかあり、コンピューターモードでは2.5インチ外付けSSDとして使用することができ、サンプリングデータやオーディオファイルのバックアップにも使えること。
USB3.0コネクタが2つあるのでオーディオインターフェースやUSBメモリが刺せる、SDカードも読み込めるなど拡張性に優れていること。
ただし放熱性能は低そうなのであまり負荷の高い機器や作業には限界があると思う。
タッチスクリーンは大きいので割と見やすいが若干端側がタッチしづらい。
付属やダウンロードできる音源は割と良い。

ファームウェアの今後の改善やドライバー、Midi設定ソフトウェアなどがあればもっと良くなりそうな感じはする。

今回検証したのはWin、Macともにlive11 最終verでした。live12ではテストしていないのでご了承を。

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