菜摘

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菜摘

http://www.twitter.com/ginnybnd  歌を歌っています。0時以降に更新する物語を書いています。

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カメラが怖くなった日のこと 前編

お久しぶり、菜摘です。 どうしても期間が空いちゃうね、 数あるSNSを出来るだけ毎日更新することに必死で、 もしかしたら大切なことは、意外と届けそびれてるのかもしれないなあ。がんばるね。 本当は共有しなくていいことなのかもしれないけど、ちょっと書いてみる。長くなったので2つに分けるね。 こないだね、大きなライブがあった。 大切なメンバーの卒業とか、次は赤坂BLITZだとか、色々あるけれど、とても個人的に、本当に自分ごととして、ひとつ。 カメラが怖くなくなったな、と

    • 笛ラムネのおまけもいいよね

      「なっちゃんはさあ、幸せになったほうがいいよ」 すっかり煮込まれてくたくたになったカレイかなんかを頬張りながら、友達は言った。 「なにそれ、結婚?」 「あ、いやそういうことじゃなくて  なっちゃんはこう、色々悩むことが多いけれど  多分その一つ一つを解決するより  すっごく大きな意味で幸せになることを  まず考えた方がいいと思うんだよね」 「うん?」 こう見えて、いやどう見えているかは あんまり分からないし、30万人くらい登録者のいるYouTuberみたいなものだっ

      • 息を吐く

        スライドして、スライドして、 またスライドして。 永遠に続くおすすめと、対して興味もないのに離せない目に、どうしようもなくいらいらして携帯を投げる。 ああ今日も、こうやって終わる。 朝から晩まで、下手したら朝から朝まで、 予定を詰めることが多かったから久しぶりに休みをとったのに、なかなか来ない眠気に嫌になって息を吐く。 忙しすぎても嫌だけど、忙しくないのもそれはそれで嫌なんだな。 生きてきて26年、自分のことはいまだにあんまりわからない。 明らかに低下してきた視力

        • We're Always with you

          こんばんは、菜摘です。 わー、卒業しちゃった。 大好きでたまらない、ね。 卒業するとき、何話そうかなって もう3年くらいかけて考えていた気がするけれど 結局決まらないから、 最後に免じて、だらだら話を聞いてください。 私ね、ぷらそにか、大好きなんです。 だから、卒業を決めたといっても過言ではありません。 6年間、私の当たり前にぷらそにかがあって、 メンバーがいて、視聴者のみんながいて。 カメラが怖くなった日も、 人前に出るのが嫌になった日も、 パートが少なくて落ち込

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        カメラが怖くなった日のこと 前編

          僕らの歌だ

          こんばんは、お元気ですか。 どうも、ぷらそにかの菜摘です。 なんて、こんな挨拶したことないけど、 最後くらいはいいか。 そう、察してた人もいるかも。 今週金曜日、 私はぷらそにかという船から旅立つことにしました。 一つの、夏の終わり。 そして私の青春最後の夏の終わり。 よかったら見届けてください。 4周年の頃からなんとなく、卒業の時期を考えるようになって、 音楽を始めて10年の節目の今年、卒業することを決めました。 ぷらそにかとして、みんなの前に立つのは、 こない

          僕らの歌だ

          ”僕はどうしても器用になれない 逃げ出させてほしい” 素直に歌詞にできてたあのころと、 強がってしまう今だったら、 どちらが素敵に生きられるんだろう。 弱音を吐いたら、負けだと思っている。 怒りをぶつけることでごまかして、 なんてね、って笑って そうだねって飲み込む。 それが大人になることだって 誰かに倣った。 我儘だったけど、 すぐ病んでたけど、 誰かに当たっては、逃げたりもしたけど、 感情に嘘をつかない私はずいぶん魅力的だったなと思う。 私は私だって胸張って、言

          昨日を愛せるように

          昨日を愛せるように今日を生きよう。 明日も同じ気持ちでいたいから。 私が敬愛しているアーティストの、1番好きなアルバムのコピー。 恥ずかしい話、1番好きでいながら、「I LOVED YESTERDAY」そのアルバムタイトルの意味を心から理解できていなかったかもしれない。 25歳、四半世紀。 年末に迎える私の誕生日、年の終わりなのに新しい歳のスタートで、いつもちょっと戸惑う。 想像していた25歳はもっと大人でかっこよくて、人生のステップをあと2マスくらい進んでいる予

          昨日を愛せるように

          あなたが私じゃないように、私もあなたじゃないのよ

          過干渉だな、と思う。 誰もあなたに値踏みされたくて人生を送っていないし、 別にあなたにあれこれ注意されたくて何かしてるわけではないな、と思う。 SNSというアカウントさえ相手が持っていれば、繋がった気になれるサービスが普及して、 世の中みんな家族?みたいに思い込んでる人、増えた気がする。 連絡先を交換しなくても送れるメッセージは、相手のテリトリーに土足で踏み込むことと同じだと思った方がいい。 何か呟けば、何か投稿すれば、 評論家気取りと、同情したがりな誰かと、と

          あなたが私じゃないように、私もあなたじゃないのよ

          ラブソングを聴く理由:07

          「戻っておいで。」 知らないふりを決め込んでくれた親友に、そっと諭される。 普段は出来るだけ家にいたい私が、毎日呼び出されてもいいように支度をして待っていること。身長の高い彼に少しでも近付きたくて、無理してヒールを履いていること。平日の夜に予定を入れなくなったこと。 これ以上積み重ねたら私が私でなくなる気がした。 貴方の前では、嘘しかつけない。 初めて手を繋いだ日、気付いていたことだった。全身から溢れる好きを見ないふりする彼と同じように、私もまた、彼の言葉に織り込まれ

          ラブソングを聴く理由:07

          ラブソングを聴く理由:06

          初恋は報われないというけれど、この恋はどちらに値するんだろうか。 この盲目的な恋を、人は駄目なものだと片付けてしまうのかな。 紛れもなく私の中の1ページで、木枯らしと共に飛ばされたくはない想いが、今もその時間を生きているかのように募る。 これまで、私は自分を守ることしか考えられない子供だったのだと思う。 明日は早いのに、携帯を100%に充電しておいて、いつかかってくるかわからない電話に備えてベッドに入る。その瞬間、どうにも苦しくなってしまって、涙が溢れるのを止められな

          ラブソングを聴く理由:06

          ラブソングを聴く理由:05

          今日は金曜日だから。 24時を過ぎれば、彼からの連絡はない。 初めて電話を受けてから、3ヶ月。 1つ上の彼女は、きたる社会人生活に向け、平日はインターンで働き始めたらしい。 その頃にはもう、ふたりで出かけることに躊躇などなくなっていた。 むしろ平日の夜は、当たり前のように電話がかかってきて、酔っ払う彼のよくわからない言葉を聞き流すのが日課で。 たまに誘われる夜ご飯に緊張もなく付いていっては、手を繋いで駅まで帰る。それでもバイト先では仲のいい同級生を演じきり、親友に

          ラブソングを聴く理由:05

          ラブソングを聴く理由:04

          好きになれば、進めばいいのだと思っていた。 その気持ちを信じて、振り向いてもらえるまで、がむしゃらに突き進む。 少なくとも、私のことを好きでいてくれたかつての恋人たちはそうだったし、本や映画で見た主人公たちにそれ以外の選択肢はなかったように思う。 あの日、電話を切り終えて、彼女は朝が早いからもう寝るらしいと笑った彼の横顔が、それはそれは柔らかくて、泣きたくなった。 ふたりきりでいるのに。 どうしようもなく届かない壁が、見えないのに絶対そこにあって、悲しかった。 「

          ラブソングを聴く理由:04

          ラブソングを聴く理由:03

          絶対欲を出したら、だめなんだよ。 思えば、自分は男の子に対して0.1秒でシャッターを下ろす癖に、私の恋愛にはやけに厳しかった親友の忠告は正しかったのだと思う。 欲ばかりが渦巻く恋に、欲を出してはいけない。 彼女がいる、という事実は予想以上に私に重くのしかかり、それがまた私の欲望を大きくしてしまう。 「夜ご飯、行こうよ」 そんな時だった。 うだるように暑い、夏の夜。願ってもない、好きな相手に食事に誘われた。 なんてことはない、バイト終わりのおつかれ飯。私の気持ちさ

          ラブソングを聴く理由:03

          ラブソングを聴く理由:02

          あ、まずい。落ちる。 そう思ったときには、私の心はストンと彼に落ちていて、初めて踏み入れた世界にどぎまぎしていた。 前髪が割れていないかな、リップは今すぐ塗り足したいな、ああなんでバイト先で出会いがあるはずないなんて、思ったんだろう。 私の中を駆け巡る女の子のそれが、泣いていたと思う。 大学生、いくつかのバイトを転々として、ようやくみつけた条件のいいレストラン。 お金さえ、稼げればいいや。 そう思って、ひっつめ髪と、最近覚えたBBクリームをどうにか塗った顔に、サイ

          ラブソングを聴く理由:02

          ラブソングを聴く理由:01

          私のアルバムの曲たちが、フィクションかノンフィクションかなんて、実際とってもどうでもいいけれど。 音楽だけで綴るより、たまにはいいかな、と思って。 世界線がどうあれ(最近やたらと世界線と言ってしまうな)、スピンオフ的な、アナザーストーリー的な、書いてみようと思う。 それでは。 -------------- 俺のこと本当に好きなの? 呆れるくらいしつこく、聞いてくる人だった。 多分、私はちゃんと好きだったのだけれど、文面から伝わる必死さに、面と向かった眼差しに、少

          ラブソングを聴く理由:01

          カメラが怖くなった日のこと 後編

          こんな話をせずに、笑顔でカメラの前に立てたらどんなにいいか。 私もそう思う。 あるいは、こんな部分をさらけ出さないで、 笑顔でファンの前に立っていたほうがみんな幸せだろうな、とも思う。 でもなんか、リアルじゃないじゃない? たかだかTwitterフォロワー4000人の私が、 リアルじゃないとも思ってないけれど、 私は私を包み隠さず生きたいと思う。 さてと続きを、きいてください。 その動画が公開される日、私は怖くてたまらなかった。 またきっと、思っても

          カメラが怖くなった日のこと 後編