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すぐに店舗を持ちたくなる心理

こんばんは、渚です。
さすがに朝夜が寒すぎて、ヒーターつけました…エアコンは、もう少し我慢します。乾燥もするので。

さて今日、ある方とお話しているときに、「飲食が好きなら、店舗を持つ必要はないと思う。ただ、現状は店舗に立って物を提供するしか、日本ではお金を稼ぐ手段がほとんどない。」という言葉を聞いて、「確かに...!」と思いました。
ということで、せっかくなのでこの機会に、なぜ店舗を『持ちたくなってしまう』のか、自分の考えをまとめてみようと思い、Noteを書くことにしました。(上での話とは少しズレてしまうかもしれませんが)


なぜ店舗を持ちたくなるのか?

2年前に「おおさきっちん」を開業する前は、「店舗を持つこと」について(持ちたいと思いながらも)結構躊躇していた時期がありました。

2年前に考えていた店舗経営への疑問と、店舗を持った経緯

店舗を持つことについて、考えたときのNote↓

我ながら、当時の自分いいこと言ってんな~と思ってしまったので、よかったら読んであげてください。

2年前のNoteで言ってることをざっくりまとめると、

  • 自分がカフェを開きたいと思っている理由を突き詰めたら、「自分が生み出したものが誰か(特に自分の大好きな人たち)に認められたい」という想いにたどり着いた

  • その想いを達成するのは、本当に店舗運営なのか?は疑問。そうじゃないかもと思うけど、それ以外思いつかないし行動しないのも嫌だし…(悩)

  • 今できる範囲で考えて「飲食店開業」をするよりも、もっとレベルの上がったり行動範囲が広がった後の自分が考えた「何かを作る」というもののほうが絶対いいだろう

というものでした。鋭いな自分…!(褒めすぎ)
まあ結局、そのあと数か月して、「いやいや、死ぬわけじゃないんだし、いったん挑戦しないと損だぞ!!」と思い、クレープ店の開業をしたわけですが。

でも、今の自分を見たら、「2年前の自分に怒られそうだな~」とも、思っています。
なぜかというと、これだけ色々と挑戦した後でもまだ、2年前の悩み(上のポチ2つ目)のループから、抜け出せていないからです。情けない…


実際に店舗の経営をした後に思うこと

店舗を2回経営した後に今、私が考える、店舗を持った際のメリットとしては

  • やれることの幅が広がる/スピード感をもって実現できる

  • 不動産的な面白さが加わる

  • 単純に場所があった方が売上が立ちやすい

  • 経営者としての信用度が上がる

  • お客様や取引先から信頼されて、人が付く

などがあります。
若干、粒度が違ったり被っていたりする気がしますがお許しください。

「やれることの幅が広がる」や「不動産的な面白さが加わる」。「場所があった方が売上が立ちやすい」などは、割と表面的なメリットなので割愛します。(もちろん、これらも店舗を持つメインの目的です。)

ただ以前のNoteの内容も踏まえたうえで、店舗を持つメリットや、店舗を持ちたくなってしまう理由として、
「経営者としての信用度が上がる」「お客様や取引先から信頼される」が、気持ち的には大きいと思います。

店舗があることでの気持ち的な支え

「SNSコンサルの会社やってて、利益あります!」という小さい企業の社長さんよりも、「クレープ店を1店舗経営していて、黒字です!」という社長のほうが、なんとなく信頼できそうじゃないですか?

売上や利益だけでみたら、SNSコンサル社長のほうがしっかりお金を回せている確率が高いし、経営能力も高い可能性も十分あるのに…

もちろん、「家賃」という固定費はかなり重いものなので、それを背負って黒字で経営しているクレープ店経営者はすごいかもしれないですが、評価されているのは
「経費<売上」になっている状況
だけではなく、
店舗を持っていること+「経費<売上」になっている状況
の合計だと思うんです。

日本ならではなのかもしれないですが、「リスク(≒固定費)を背負う人が偉い」「リスク(≒固定費)を背負わず稼ぐ人は怪しい」という思想が強いからこそ、店舗を持って何かをやる人が、尊敬されやすいのかなと思っています。

ということで、【店舗を持っているときのほうが、人から尊敬・承認されやすいし、信頼を得やすいから】というのが、店舗を持っていること、そして持ちたいと思う、気持ち的な理由だと思っています。


店舗を持つという既得権

「既得権」とは、文字どおり「人が既に獲得した権利」のことです。
法律的に保護されている人権など、守られるべき権利が中心ですが、ビジネスでは「参入障壁」や「組織内での役職」なども既得権の範囲だと思っています。(若干私の意訳も含まれるかもしれません)

飲食店を持つ、店舗を持つ、というのは、「賃借権」と「営業許可」という既得権(≒参入障壁)を獲得することに他なりません。

同じ物件を競合が契約することはもちろんできないし、営業許可を持っていると、持っている人自身のスキルにかかわらず「営業が役所に許可されている」という(ちょっと聞こえだけは凄そうな)体裁ができちゃいます。

加えて、場所があるのですから、その店舗立地の魅力も踏まえて、お客さんが(基本的には)商品やサービスにつくのです。

それって自分の価値?

でも、いったん考えてみてください。
その店舗の営業許可は、経営者自身のスキルではないのです。あくまで、その人の運がよくて、契約できちゃった物件なのです。
(運も実力のうちなので、それも含めて経営スキルとも言えますが)

既得権益を享受し続けてしまっていると、その既得権益を失ったとき・既得権外に出たときに、自分の市場価値がわからなくなってしまう人が多いのではないでしょうか。

実際に、私も店舗を畳んだ際には、「あれだけお客さんから求められていたのに、店舗や商品がなくなると、求められることが少なくなって寂しいなあ」と感じてしまいました。

つまり、「おおさきっちん」を閉店したばかりの当時の自分は「自分自身の価値」を、「自分自身の価値+おおさきっちんという店舗の価値」と感じてしまっていたので、
店舗を持たなくなったときに、急に自分の価値が過小評価されているように感じてしまったのだと思います。

でも、それは本来の自分の価値に戻っただけだったのかなと、今では思います。

そうしてまた店舗を持ちたくなる

店舗を閉店したら、自分の価値が過小評価されていると感じるわけですから、店舗を持たない自分に対して「私はこんなんじゃない!!」と思ってしまうわけです。(※実体験)

つまり、既得権がなくなったとたん、その権利を持たない自分を正当に評価できなくなってしまって、その評価を受け入れられず、また店舗を持った(=既得権を獲得した)状態に戻りたくなる、というループに入ります。

加えて、上で書いた「店舗を持っているときのほうが、人から尊敬・承認されやすいし、信頼を得やすい」という気持ち面も重なり、余計に店舗をまた持ちたくなる、というわけです。

店舗を経営する個人事業主や自営業者の方は、基本的には全員こうなってしまうと、私個人的には結構確信しています。(例外もいらっしゃると思うので悪しからず…!)

これはその人が悪いなんてことは全くないと思っていて、営業許可という仕組みがある+日本の「リスク(≒固定費)を背負う人が偉い」「リスク(≒固定費)を背負わず稼ぐ人は怪しい」という風潮がある以上、仕方ないことだと思っています。(自分もそうなのであまり言えませんが…)

既得権がなくても自分に自信を持てるように

結論、今の私には
・既得権に頼らず市場価値を上げるか、
・既得権なんて気にしないくらい、夢中になれるやりたいことや解決したい課題を見つける
というのが必要かなと感じています。

前者も後者も、とりあえず、今の自分ができることを精一杯やりながら、「今の自分のままではちょっとできないこと」を積み重ねていくなかで、身に着けていくor見つけられる、ものかなぁと。

まあ、偉そうにNoteを書いてしまいましたが、店舗を持つことを追い続けてしまう自分に、わかっていながらも嫌気がさしてしまいそうになったので、
その原因を言語化してみようと思い、綴ってみました。

読んでくれた皆さんの、ご意見を聞かせてもらえたらとてもうれしいです!!!

では、インフルも流行っているみたいなのでお気をつけて✨

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