アニメーションの深み:くろっくの「1フレーム」へのこだわり
みなさん、こんにちは!
CGCOSMOSを運営しています、末永涼馬と申します!
CGCOSMOSでは、様々なCGクリエイターが持つ独自の考え方やマインド、エピソードに触れることで、CGを仕事とする上で悩む方やこれからCGを仕事として追求したい方々に新たなアイデアとインスピレーションを生み出す場所を提供していきます!
今回は、3DCGアーティスト・くろっくさんの独自の視点をお届けします。彼のエピソードや考え方が、皆様の新たな発想のきっかけとなれば幸いです。
では早速、CGCOSMOSの第二号を飾るのは
🥁🥁🥁(ドラムロール…)ダンッ!
3DCGアーティスト・くろっくさんです!
自己紹介
--くろっくさんの自己紹介をお願いします!
くろっく:3DCGアーティストとして活動をしているくろっくです。Blenderを使って、モデリングやアニメーション制作などを行っています。
スキルを実際に仕事にしようと考え、2年ほど前にMMCGさんを参考にキャラモデリングを始め、また本格的にアニメーションの勉強を始めました。
特にアニメーション制作や、アニメ調のコンポジット編集が好きです。
今は良いご縁に恵まれ、とある未発表のゲーム開発に携わらせていただいています。
CGを始めたきっかけ
--くろっくさんがCGを始めたきっかけはなんでしょうか?
くろっく:CGを始めたきっかけは実況者のオープニングムービーを作ろうと思ったことです。そして、そのオープニングムービーを作る際に3Dモデルが動くムービーが必要になったんです。そこから実際に3Dモデルにアニメーションを加えてみると、「これ面白い!」と感じたんです。それが私のCG を始めるきっかけですね。
--アニメーションを始めるに至ったきっかけも教えていただけますか。
くろっく:自己表現をする技を身につけてみたいと思っていた頃に、Youtubeなどで他のクリエイターが公開していた作品を見たときにかっこいいと思ったことがきっかけですかね。
--やはり最初の3Dモデルのアニメーションを学ぶのは大変でしたか?
くろっく:かなり大変でした。最初の3Dモデルのアニメーションは正直ひどかったですよ(笑)天性のセンスはなかったと思います。ただ、苦労以上に楽しさが上回ったので、がむしゃらにやり続けてました。
--がむしゃらにやった経験で得た、表現方法や技術の習得のコツなどはありますか?
くろっく:自分が満足いくまで突き詰めることが大事だと思います。もちろん、どこかで妥協しなければ作業は永遠に終わりませんが、ある程度満足のいく仕上がりになるまではひたすら気に入らない点を修正し続けます。
ただ、「どうして上手くできないんだ..」と悩み続けると精神的にも参ってしまうので、その作業が楽しめなくなったら、一旦創作活動から離れたり、他の人の作品を見て刺激をもらったりが大事かなと思います。
インスピレーションをもらうもの
--くろっくさんが作品を作る上でインスピレーションをもらうものはなんでしょうか?
くろっく:他者の作品や様々な創作物から刺激を受けてインスピレーションを得ることが多いです。また、家で一人芝居をしているような瞬間に突然閃くこともしばしばありますね。
ターニングポイント
--くろっくさんのアニメーションメインとしたクリエイターとしてのターニングポイントはありますか?
くろっく:この画像と出会ったことですかね。間違いなくこの画像は私のクリエイター人生に大きな影響を与えてくれました。
--この画像からですか!?
くろっく:はい、この画像からです。これはOverwatchのキャスディていうキャラのイントロシーンで起きた作画崩壊と言われる画像なんですが、私はこの画像を見た時、「自分が大事にしたい表現はこれだ」と思ったんです。それが何かというと「1フレーム」の表現です。1フレームって本当に一瞬のフレームなんですけど、そのフレームのおかげでアニメーションはすごい深みが生まれるんですよ。この画像と出会ったおかげでこの表現の大切さを気づくことができましたし、それ以降は日本のアニメとかでも1フレームずつ見るようにしたりして、クリエイターとして多様な視点を持てるようになりました。
マインド・考え方
--くろっくさんがクリエイターとして大事にしているマインド・考え方は何ですか?
くろっく:Squash and Stretchを私のアニメーションの核として、出過ぎた誇張表現をするていうのは大事にしています。先ほども言ったように、アニメーションにおいて1フレームというものが非常に重要なんです。その1フレームがないことでアニメーション全体が何か物足りなさが出るくらい重要です。私はその1フレーム見てくれる人が意識しなくとも気づくような誇張表現を詰め込み、アニメーション全体に深みを持たせるようにしていますね。
失敗した、後悔した経験
--くろっくさんが失敗した、後悔したていう経験はありますか?
くろっく:私の中で「健全な承認欲求」と「不健全な承認欲求」の区別がついていなかったことです。私にとって「健全な承認欲求」ていうのは、他の人からの評価やフィードバックに感謝し、またそれを活動のモチベーションや原動力の糧にすることができるものだと思っています。逆に「不健全な承認欲求」ていうのは、他の人からの評価に依存してしまい、外的要因によってモチベーションが左右されてしまうものだと考えています。例えば、SNSのいいねやリポストの平均数が減少し、精神的に落ち込むこともこれに当たると考えています。この区別をできるようになってから、「創作活動が楽しいから自分のためにやっている」という主軸がはっきりとして、外的要因によって自分自身のモチベーションが左右されることなくなりましたね。
活動していく上での自分ルール
--くろっくさんが活動をしていく上で、自分ルール的なものはありますか?
くろっく:「迷ったらまずはとことんやってみる」っていうのは自分のルールとしてあります。私は絶対にやらなかった時の後悔の方が何倍も大きいと思っているので、迷ったら即決で自分がしたいこと、やりたいことを選ぶようにしています。
原動力
--くろっくさんにとって何がCGをやる原動力になっていますか?
くろっく:原動力と呼べるものはないかもしれないです。好きなゲームを遊ぶのに原動力はいらないのと同じ理由です。
でも、たった一つのゲームを数百時間もぶっ続けはさすがに飽きるときもあるので、そういう時は別の作業をしてますね。(笑)
今後の目標
--今後の目標はなんですか?
くろっく:まずは今携わらせていただいているゲームの開発を成功させることです。もしそれが成功したら、もう一つの目標である「作品のクレジットに載る」も同時達成ということになるので、今はこちらを最優先に頑張ってます。
最終目標としては「これは完璧だった」といつ見てもそう思えるような作品を作ることです。今はまだ、どの創作物にも納得できていないので、今後も努力し続けたいと思います。
最後に一言
--最後にこの記事を見てくださる人たちに向けて、一言お願いします!
くろっく:これは私がCGをする上でも大切にしていることなんですけど、「ただただ楽しんでほしい」これだけですね。CGを始めた段階とかからすぐにCGを仕事としようとかはあまり考えなくていいと思います。とりあえず、自分がやりたいこと、自己表現したいこと、これらをまずは突き詰めてほしいです。そうしたら仕事といった結果は後からついてきます。だから、まずは楽しむことをしてほしいですね。
--くろっくさん、ありがとうございました!
ここまで読んでくださった皆様、読んでいただきありがとうございます!
そして心よく第二号としてインタビューを引き受けて下さったくろっくさんありがとうございました!
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