認知症介護の奮闘記2/5
忘れゆく父の介護をへて
地域包括ケアフリーペーパー「さくらみち」2024年2月号掲載
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父の認知症と向き合う中で、最も有効だったのはコミュニケーションでした。言葉が通じにくくなった父との対話は、試行錯誤の連続でしたが、重要な気づきを得ました。
最初は父の言動が理解しにくく、イライラが募りました。「どうして!」「さっきも言ったのに!」と思わず口にしたこともあります。しかし、専門家のアドバイスを受け、父には、父にしか見えない景色があることを学びました。父も私にたいして、「どうして!」と腹を立てていたことでしょう。もし辻褄の合わない話をしても、肯定的に受け入れることが大切なのだと思います。
また、父の過去のエピソードや趣味に触れることで、共感を広げました。写真や音楽を通じて、記憶の一端を取り戻す瞬間が、私たちにとっての宝物となりました。
コミュニケーションの中で大切なのは、理解よりも共感です。相手の気持ちに寄り添い、穏やかな空気を作り出すことが、家族に心の平穏をもたらしました。
次回は、福祉サービスの利用についてや、家族の協力についてお話しします。認知症との共存が家族をより強く結ぶ手助けとなるよう、お伝えしていきます。
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