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4年で300億円規模まで急成長したD2Cブランド「True Classic」

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2023年8月14日配信 Vol.127より

Briefing

D2Cブームはすでに去ったと言われるが、そんななかでも短期間で急成長を遂げているブランドもある。そのひとつが、2019年に立ち上がった「True Classic」だ。

今年の売上は2.3億ドルに達すると予想され、今年のAmazon Prime Dayでは、2日間で300万ドル近くを売り上げた。その売上の60%は、ブランドを代表する「ヒーロープロダクト」であるTシャツだ。彼らの大筋の戦略としては、メインとなるプロダクトを磨き上げ、SNS広告を中心に認知を広げたうえで、自社ECで購入してもらうという、D2Cのオーソドックスなメソッドをなぞっている。

他のD2Cブランドたちが失速していく中でTrue Classicが急成長した背景には、売上ではなく利益を重視し、広告の費用対効果をシビアに見極めてPDCAを回していく、という考え方がある。特にFacebook広告は昨年頃から費用対効果の悪化が取り沙汰されているが、それでも分析と検証を愚直にやることで、まだ伸びしろがあるということを体現している。

また、パッケージ売りのうまさもTrue Classicの特徴だ。もっとも人気が高いのが3枚75ドルのTシャツセットで、売上の60%をこのセットが叩き出しているという。さらに、有料会員向けに好きなアイテムを3点組み合わせて購入できるセット販売も試すなど、セット買いによる客単価の増加にも注力している。

今のところ卸売りはせず、自社ECと自社店舗での販売をメインとしているが、昨年からAmazonでの販売を開始しており、早い段階でAmazonで購入できるようにしたことが、ブランドにとって追い風になったと見る向きもある。True Classicのように、シンプルで他との差別化が難しい製品は、商品の見つけやすさ、辿り着きやすさが重要だからだ。

同時に、昨年に海外展開も開始し、越境コマースツールのGlobal-eを通してカナダやオーストラリア、ドイツ、イギリスといった国へと販路を広げた。すでに売上の30%近くを海外売上が占めており、来年にはその比率は50%になるだろうと予測されている。

一時期に比べると勢いがなくなったかに見えるD2C領域だが、従来の自社EC+Facebook広告を軸にしながら成長しているブランドもまだまだある。唯一変化したのは、売上規模よりも利益にこだわり、初年度から黒字化しているブランドが多いという点だろう。調達環境が厳しくなった分、利益を重視し、分析と検証をシビアに、スピード感を持ってやり抜くブランドが成長を遂げている。

True Classic Racks Up $250M In Four Years With Men’s Basics; Women’s Is Next

(カバー画像:True Classic

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