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【侍】井端JAPAN、大学四人衆

 井端弘和監督が就任して2年目となる侍ジャパンに、来年度大学4年生となるアマチュア選手が選出されることとなりそうだ。投打に2人ずつ、今オフのドラフト指名が確実視されている精鋭の4人が集まるので楽しみである。そんな4人の魅力を、じっくりと書いていこう。

投手2人、LA侍の両輪に?

 まず、投手で選出された中村優斗(愛工大)と金丸夢斗(関大)の2人を見ていこう。共に野球では名の無い高校から大学野球に入り、急成長を遂げた剛腕である。左右の違いはあれど、本格派先発投手である。個人的には、4年後のLA五輪で全日本を背負って欲しいという期待を抱いている。

 ここで中村と金丸の投球スタイルを確認しよう。前者の中村はプロ選手に例えると、まさに投手としての大谷翔平である。直球とスライダーのコンビネーションに、時折カーブを混ぜ合わせるタイプの投手である。最大の魅力はストライクゾーンで勝負できているということだ。三振が多く、四死球は少ないというのがその証拠である。また、制球力が非常に良く、3年の春頃から逆球が四隅のコーナーに決まっているのも最大の長所である。上げた足を下ろしてから投げ終わるまで、捕手のミットを一直線に見ているので、フォームがとても安定しているのだろう。この安定感は、他のドラフト候補を圧倒しているのではないかと感じる。

 後者の金丸は「ザ・左腕」と言った感じの素晴らしいフォーム。しなやかに肘を使い、腕が1拍遅れて出てくる球持ちのいい投手である。プロ選手に例えるのならば、故障するまでの横浜の東克樹や元中日のチェンにあたるのではないか。こちらも中村同様にストライクゾーンで勝負できる選手。ただ、大事に使われている印象の中村と違い、金丸は文字通りの大黒柱としてリーグ戦を投げ抜いている印象だ。それも相まって、フォームのしなやかさがアダとなり肩肘を痛めなければいいのだが…という僕ではどうにも出来ないことに対して一抹の不安を感じている。

好対照なす野手2人

 投手は西日本から2人選ばれたが、野手の2人は共に東京。俊足好守の宗山塁と、一発長打の西川史礁という好対照を成す2人である。

 まず、宗山はなんと言っても守備が魅力的である。軽やかさと堅実さを両立した守備は、西武の源田壮亮のそれである。打撃は力強いゴロを打つタイプ。お手本として少年野球児に見せたくなるような素晴らしいフォームである。いずれは広島の秋山翔吾や、中日の岡林勇希のような打者になるのではないか。

 次に西川。打棒の求められる外野手として選出されただけあって、かなりのパワーである。打球がピンポン玉のように飛んでいく。プロ選手に例えるとなると難しいが、横浜の佐野恵太を右打者にしたような選手である。気持ちがいいフルスイングは、近年不足に喘いでいる右の和製大砲の希望の光となりそうだ。

最後に

 アマチュアに精通した井端監督らしい選出である。侍ジャパンの強化試合といえば、興行として人気の選手や期待の若手を入れたいところ。そこに敢えてアマチュア選手を抜擢するということは、本当に球界の未来を考えている素晴らしい監督なのだろう。

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