来年のブレーク候補【楽天篇】

 今季、貯金20に迫る勢いでシーズン序盤に旋風を巻き起こしたものの大失速でBクラスに沈んだ楽天だが、地力はある。今回は、そんな楽天で殻を破りつつある投打の2人にハイライトを当てるとしよう。

投手

 皆さんご存知の通り、楽天の投手陣は飽和状態だ。それぞれ先発、救援で計算できる選手だった涌井秀章、ブセニッツを放出できるほどの選手層はまさにNPB1の投手王国と言っても過言では無いはずだ。ドラフトでは荘司康誠、小孫竜二と即戦力を指名したので、本来であれば今企画はその2人のうち1人をピックアップすべきであろうが彼らはもう他の方の投稿を読んでいただけるといかに素晴らしい選手かがわかると思うので、今回は敢えて来季大卒3年目を迎える内間拓馬という投手を挙げることとする。

 この投手はパワーで圧倒するタイプの速球派だ。同郷のソフトバンクの又吉克樹を上手投げにしたようなしなやかなフォームで、150キロ前後の力強い球を投げるのが魅力だ。変化球も大きな弧を描く宜野座高出身者特有のカーブと、横に滑るスライダーはストライクゾーンに決まったらかなりの武器となるだろう。開花に向けて必要なことは低めへの制球力。そこさえクリアできたら先発、救援どちらでも活躍できるのではないか。

野手

 ベテランが集う楽天野手陣の中で、楽しみな若手として黒川史陽という高卒3年目の二塁手を挙げよう。甲子園に5季連続で出場し、主将として活躍したエリートである。

 黒川の魅力はやはりバットに当てるミート力だ。今季、一軍で立った71打席で記録した三振は僅かに9つを数えるのみ。昔から「バットに当たれば何かがある」と言われているが、まさにその通りで打ち取った打者が失策や不運な内野安打で出塁すると投手はガクンと調子を崩すことが多いのだ。守備でも俊足を活かした守備範囲の広いプレーはドッシリと構えて堅実なプレーをする浅村栄斗といい意味で対照的だ。

 課題は長打が少ない事だが、それは黒川の持ち味を考えたら仕方の無いことである。来季は同じポジションの阿部寿樹が加わるが、チームの将来を考えるのならば彼を外野に回し、黒川でセンターラインを固めた方がいいのではないか。

最後に

 地力はある楽天なので、若手の勢いがついたら一気に上位に行くだろう。GMの肩書きを捨てた石井一久監督の真価が問われるシーズンとなる。

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