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残像のアーカイブ:MAMA①

いい時間だったので、到着するなり急いでトイレに向かい、席に着いたのがたぶん17:40とかだった。



あたりめです。
今もまだ、私の心と身体はバラバラになっているようで、京セラのあの席から離れようとしてくれません。


レカペ情報を全く追えていなかった私は、席に着くなり持ってきたクロワッサンを食べながらツイッターを開いた。




ウーーーーーーーーーイ!!!!!!!やっとるやっとる!!!!!やっとるよォ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!



あろうことかマリアナ海溝ばりに深いVネックのトップスを着用した全身黒ずくめのホソクさん(+オプションで黒サングラス付)の姿が目に飛び込んできたのである。

ばかじゃん。クロワッサンちょっと出たわ。(汚いよ)


あそこまでいくとVネックと呼んでいいのだろうかとふと思い調べてみたところ、特に深いものはプランジングネックとかダイビングネックというらしい。ただカシュクールっぽくも見えたので、その正体(その正体)は未だ明らかではない。ダイビングか………ダイビングねぇ……………………フーン


というかオレ言ったよね?釜山のときに言ったよね?アーティスト濃度高めで来るときは事前に言えって言ったよね???それ、ゴリゴリの原液よね???????


と、心の中で吠えていた。
なぜなら私は一人だったから。


なのでリアルな話をすると、その時私はマジで『カッッッッッ』って音が出たんじゃないかくらいの勢いで目をひん剥いていた。笑うたびに それ見えてんか? といじられるレベルで目が小粒な私だが、この瞬間はおそらく人生で一番目がデカかったんじゃないかと思っている。なんで誰も撮ってないんだ。一人だからだよ。


大慌てで暖簾を片付けた。スマホのなかで微笑む"j-hope"さんと私との間に、今日はもう店じまいなのだという現実だけが力無くぶら下がっていた。

いや、分かってた、分かってたよ、JITBを掲げての授賞式というフォーマルな場、こうなることは薄々分かっていた。でもなちょっと待ってくれよ。



ここまでくるとマジでただのポップスターなんよ。ガガか?ジェントルマン・ガガなんか?????


あまりにも『強』すぎるだろ。戦闘力が限界突破している。ジョングクとも互角に戦えそうな戦闘力を全身から感じる。あの子がパワー(フィジカル)で来るならこちらは圧(メンタル)で勝負だ。ファイッッッ!!!!!



そんなことを考えているうちに、あっという間に18時になってしまった。開演である。



正直ここからはもうかなり断片的にしか記憶がない。ジャンル関係なく現場に行ったことがある方ならある程度分かってもらえるかと思うのですが、生のエネルギーというものは本当に凄まじい。おそらく人間が短時間に受けていい、受けることでなんかこう良い感じになれる、そういう適切なエネルギー量をアホみたいに超えている。つまり現場にいる時の私はアホになっている。(マジでどうしようもないな)

受ける衝撃に対して脳の処理が全く追いつかず、記憶のバグを起こしてしまうのだ。現場行く人権ある?



開演してまもなく、出演者とプレゼンターの紹介があった。

紹介とともに順にカメラに抜かれていき、そのたびにわぁっと歓声が上がる。(※歓声は禁止でしたが、完全に出てました。歓声禁止だったPTDソウルコンに参加したARMYに改めて想いを馳せるなどしました。)


(アナウンス)
『j-hooooooope!!!!!!!』+カメラ抜き


\ ドワアアアアアアアアアアアアア /




マジでドワアだった。
エグい音が出ていた。歓声だとか拍手だとか、そういう類の音を超えていた。

ホソクさんがコールされた瞬間、会場中のアミボムが一斉に揺れた景色には思わず鳥肌が立った。アミボムを持っていなかった私は、己のオデコをテカらす他 会場を照らす手段が無かった。


ここ日本なんだな〜〜〜と実感したのは、坂口健太郎さんの紹介があったときだ。そうそうたるアーティストが集まっていたあの場で、プレゼンターにも関わらずアーティストばりの歓声が上がっていた。私はここで人知れず静かに涙を流していた。(※細くひっそりと想うこと8年、満を持してのはじめましてでした。)

この日、ホソクさんと坂口さんは到底見逃すことなど許されないレベルのコミュニケーションをとっていたようだが、残念ながら私の居た場所からでは1ミリも確認が出来なかった。このあたりの情報については帰路や帰宅後にまとめて知ることになった。その時の私の状態についてはここでは触れないこととします。(お察しください)



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『…アミィ?』


どこか控えめで、少しの照れくささみたいなものとたっぷりの愛がつまった、何かを確かめるような、そんな声で、呼んでくれた。



いつも画面越しに見ていた人がそこに居て、今喋っている。この声は、まさに今、そこから出ているのだ。

こんなにもあたたかい声があるのかと思った。あっていいのか、とすら思った。何の抵抗もなく、摩擦ゼロで、するりと、じんわりと、隅々まで浸透していく感覚だった。勝手に涙が出ていた。



画面越しでも、どんなに距離があっても、どんなに時差があっても、言葉が理解できず意味を受け取るのにラグがあっても、まるで隔てるということを知らないかのように、いつだって不思議なほどに、彼らの声は真っ直ぐ私の元へ届いていた。そして今、その声と私との間には、事実隔てるものが何もない。

過去、受け取るまでに、意識も自覚もしていなかったその部分で、もしかしたら薄めてしまっていたのかもしれない愛が、今 正真正銘、もぎたてそのままで私のなかに浸透したのだ。その瞬間、いつも彼らが向けてくれていたものがどんなに大きなものであったのかを初めて知った。



知っている "つもり" なだけだったんだなぁ。知らない間に自分好みの濃さにして、美味しくいただいていただけだった。それは本当は想像なんてできないほどに、口にすることを 受け取ることを躊躇ってしまうほどに、とんでもない濃度に凝縮されているものだった。この味を、私は知ってしまった。知れたというより、知ってしまった、なのです。なんでだろうな〜〜〜。



ホソクさんはARMYという集団ではなく、あの場に居た一人ひとりの、"個" としてのARMYを呼んでくれたように感じた。『私』を認識していた声だった。聞いたこともないのに確信を持って言ってしまうけれど、6人も、絶対その声で呼んでくれるんだろうなぁ。名前を呼ばれただけでこんなにも泣いてしまったのは、本当に初めてだった。


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私の目が、まだ暗いステージ上にセットされた市松模様の何かを捉えたとき、一瞬で全身が煮えたぎるような感覚に襲われた。何も考えられないまま気がつけば立ち上がっていて、気がつけばステージは明るく照らされていて、気がつけばあのビート音が聴こえていた。

※これから書くステージパフォーマンス部分については、まるっと全て個人の見解になるので、ほぉ〜〜〜そう感じた人もいるんだな〜〜〜くらいの感覚で目を通していただけるとありがたいです…


ロラパルーザとMAMAでは趣旨や状況がかなり違ってくるので、本来比較するようなものではないのかもしれないけれど、MAMAはより削ぎ落とされたような、洗練されたような、そんなステージだった気がする。迷いや不安・脆さみたいな "不安定さ" = さらけ出した自分そのもの を比較的多く纏っていたロラパルーザのステージは、見ているこちらまでどこか飲み込まれてしまいそうなものを感じた(それもまたあの時のステージの魅力でもあった)けれど、MAMAのステージに、それは無かった。なんというか、もう "通り越した" 感じだった。


さらけ出した自分に飲み込まれることなく、まるでそれらを俯瞰して見ているようだった。箱の外から眺めていたのだ。"作品" として、ホソクさんが自身の中から昇華したような印象を受けた。楽曲を披露する上で、そのあたりの切り離しのようなことが彼の中で出来たんじゃないかと感じる、そんなステージだった。一言で言うのであれば、『ものにした』ステージだったと思うのです。



今回のステージは最初から最後まで、その全てをホソクさんが担当したということが事前情報から分かっていたこともあり、音や声、ダンス以外に衣装や演出までもが とりこぼせない状態になっていた。どう考えてもとりこぼすだろ。どこかを諦める勇気を持てよ。



'MORE' が始まって早々、私は心の中で雄叫びをあげた。



収録ぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜!!!!!!?!?!




聞いてない、そんなのあるなんて聞いてないっすホソクさん。(言ってないよ)



この収録映像がニクすぎた。空間への誘い方が一級品すぎる。新手のハニートラップなんか?絶対全員一瞬で箱ん中入っただろ。箱パンパンなんよ。入場規制入場規制。

そしてセンターステージの足元の映像、なんなんだあれは。あまりにも要素を詰め込みすぎている。私は早くもこの時点でキレかけていた。(キレていた)

足元の映像はほぼずっと市松模様で、最初はわりと曲線を使っていて、歪んだ模様だった。それが段々直線的になっていって、後半には綺麗な模様に近付く。近付いていた。



だがしかし事件は起こった。(大袈裟だな)




ヒビ割れてんじゃないよ〜〜〜〜〜何してんだよマジで〜〜〜〜〜〜〜




サビでホソクさんやダンサーさんがジャンプを繰り返すたびに、模様にどんどんヒビが入り崩れていった。MOREという楽曲に詰め込まれたホソクさんの激情を、見事すぎるほどに表現していた。私はオイオイ泣きながらヒビの補修をした。日当お願いします。



これはマズイ……………………………………彼は今回、おそらく "視覚的要素" にこだわりまくっている……………………………………………



違うスタイルで表現したいという気持ちが前提としてあることは分かっていたけれど、それにしてもフェスだったロラパルーザと授賞式であるMAMAとの違いを完璧に活かしすぎなのでは………………………?

バンドセットで行い、その音に乗るような立ち振舞も多かったロラパルーザはどちらかといえば "聴覚的要素" を重視したように思えたけれど、MAMAは完全に視覚から入る情報を重視している…………………もうなんだかキレる気力も無くなってきてしまった。



恒例のくだりと化してきているのですが、ここまででまだMOREの演出(しかも映像関係)しか喋っていない。 先が長すぎるだろ。勘弁してくれよマジで。




ボーカル面に関しては釜山コンの記事でも書いたけれど、とにかく安定感がマシマシ(マシマシ)している。以前だと時より声の浮つきみたいなものがあったと思うのだけど、今はもう全く浮いていない。声が据わりすぎている。声に対して据わるとかいう表現おかしいな?まあもういいんです。なぜならj-hopeさんが最高に格好良いので。




'Arson' 
に入る際、ホソクさんは言った。

『MAMA, Are you ready?』




全然readyできてない。

ちっともyesとちゃう。




ほな1個聞きますけどね、NO言うたら止まってくれはるんですか?止まるんか???止まらんやろ???????ほな聞くなよ!!!!!!!バカチンが!!!!!!!!!(そういうことじゃない)



私はj-hopeさんの楽曲のなかでは圧倒的にArsonが好きだ。

この曲に詰め込まれた感情や要素の多さは、他には無いものがある。正直詰め込みすぎなのではとすら思っている。メチャクチャにカオスなのだ。



上がっている動画でいうと4:50あたりからの部分、完全に私的ハイライトシーンです。

ロラパルーザの時も同じ歌い方をしていたのだけれど、『뭣도 모른 무식한 내 야망의 원동력(無知な俺の野望の原動力)』の'무식한 내(ムシカネ)'、『シカ』の部分だけ声を裏返している。



カーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!!!たまらん!!!!!良すぎる!!!!!!!Arsonの混沌さに拍車がかかりまくっている!!!!!!!好きだ!!!!!!!!!!(故障)



そして私はここでとんでもない仕事を担っている存在を発見してしまった。



お靴様です。(お靴様て)


この子の凄さはマジのマジで一級品だった。ホソクさんに聞かなきゃ真意は分からないけれど、私が現場で感じたこの子の仕事量はとんでもないものだった。本当にこういうチョイスがニクいほどに上手いのがj-hopeさんなのだ。イヤになるなぁ。



身をひきちぎる思いでMOREを端折りながら書いた(どこが?)のは、これから書こうと思っているArson・Futureについての内容がシンプルにバカの量になっているからである。すでに読み疲れている人が絶対に居ると思うのですが、ここまでで5000字を超えている。当然の疲れでしかない。一旦インターバルを挟むので、各自ケアをお願いします。


ケア後、猛者たちは②へ集合してください。


解散ッッッ!!!!!


サポートの通知を目撃したときは涙と鼻水を渋滞させながら喜んでおります、読んでいただき本当にありがとうございます。感想はこの上ない励みに、サポートは新たな音楽を浴びにゆくきっかけになります。