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「ヤグラに乗ってるだけで勝てる」の是非と、こだわりすぎると燃える話(まさとさま戦法もみじが炎上した件)

ものすごいデス数を出したまさとさま戦法のもみじについて世間でわーわー言われてたので、
初代で無印ノヴァしかなかった時代からずっとノヴァ持ってヤグラの上でゾンステポールダンスしてて、今はもみじでポールダンスしてる身として思ってることを書きます。

というか最初おれが炎上したのかと思ってヒヤヒヤした。

追記:私はもみじにゾンビをたくさん積んでヤグラに乗りまくる戦法で、2024年4月頃にXP2750ぐらいになってブキトップを取りました(今は別の人に取られてる)
ゾンビヤグラ自体は初代スプラトゥーンから今に至るまでずっとノヴァでやり続けてて、初代はS+99、2はXP2550ぐらいでした。
3のもみじが登場したときにもみじに乗り換えました。
そういう人間がこれを書いてます。


①まさとさま戦法(ヤグラゾンステ特攻)は強いのか?

初代では間違いなく強かった

ヤグラのゾンステ特攻は初代ではめちゃくちゃ強かったです。なぜなら初代の復活短縮は無条件で必ず発動し、ステジャンは絶対に着地マーカーが見えなかったからです。

ゾンビ4人 VS ゾンビ1人だったらよほどの実力差が無いとゾンビ4人が勝ちます。
なにせ相討ちを取るだけで実質人数有利がつくわけですから(相討ち後ゾンビは一瞬でリスポンして最前線にステジャン復帰できる、非ゾンビはそれができない)
とにかくヤグラにしがみついて相討ちを取りまくるだけでどんどん戦局が有利になったんです。

1人だけ後衛で殿しんがりを務め、残り3人でゾンビ特攻すればヤグラのタッグマッチ(当時の名称)で全勝できる。そういうゲームでした。
ついでに言うとカンモンも無かったので、ちょっとヤグラを見逃すとノンストップでどこまでも行ってしまうし、ヤグラが全く止まらないのでポールダンスによる回避も今より効果的でした。

2以降はだいぶ弱くなった

2になって、ゾンビとステジャンに発動条件がついたのでヤグラゾンステ特攻はもうお手軽最強戦法ではなくなりました。
この時点でいわゆる『まさとさま戦法』のピークはもう過ぎていたと言えるでしょう。
カンモンができたことでヤグラを進めるためのチーム単位での抑えもほぼ必須になり、単騎でヤグラを盗んでポールダンスすることの優位性も失われました。
ゾンビで乗って飛び跳ねてるだけで勝てるルールではなくなった。

その代わり、2では容易に耐久できるシェルター種が登場したり、3ではヤグラに設置して高い効果を発揮するスペシャルが増えたりしているので、
初代とは少し違う形で「ゾンビをたくさん積んでヤグラに乗り続ける戦法」は模索され続けています。

というか『まさとさま戦法』の最初ってヤグラの上でゾンビ傘で耐久する戦法のことじゃなかったっけ?戦法名は2発祥だったよね。

実際、この戦法は2でも3でもある程度XPが出せるので、強いか弱いかで言えば今でも十分強い方に部類すると思います。

なお、初代はキルを取るだけ得だったので、キル武器で相討ち前提の特攻を繰り返すのもゾンステの強みの一つでしたが、
2以降はキルを取るとゾンビになれないので、むしろキルを取るのが苦手な人やキル性能の低い武器が、ヤグラ乗り戦法に注目し始めた気がします。

②でも「○○するだけ」では勝てない

強い方とは書いたけど、本当にただヤグラに乗っているだけで勝てるほどヤグラは簡単じゃないです。
それだけで本当に勝てるんだったら全員ゾンステしてるでしょ。

…それだけで本当に勝てたから全員ゾンステしてたんだよ初代は!
「おれはゾンビなんかになりたくねえ!」って自我がある人以外はね。

というかヤグラに限った話じゃなくて、「○○するだけで勝てる」なんてのは基本的にこのゲームには無いです。あったら全員やってるし、それでゲームバランス崩壊してたらイカ研もアプデで調整してます。

「○○するだけで『強い』」ならあると思います。有効な戦法や立ち回りというのは間違いなくある。
ただそれも、グラデーション的な話で…その戦法が最も有効な場面もあれば、別のやり方にシフトした方がいい場面もあり、
それは例えば大局的な視点からの「この編成このステージならあまりヤグラ乗りに固執せずやや前衛キル寄りに動いた方がいいかもしれないな」という判断もあれば、
試合中のある瞬間における「今は乗らない方が良さそうだな」という判断もあるでしょう。

軸となる戦法を自分の中で持っておくこと自体はいいことだと思いますが、常に愚直にそれだけで勝てるほどこのゲームは甘くないです。
結局のところ、柔軟な状況判断は要るし、採れる選択肢は多い方がいいに決まってます。ヤグラ乗り以外のこともできた方がそりゃ勝てます。

③ただし「○○するだけで勝てる」場合もある

1つの戦法にこだわるだけでは勝てないことを説明しましたが、それでも1つの戦法にこだわることの優位性もあるにはあります。

判断が速くなることです。

何がなんでも常にヤグラに乗る(乗りに行く)という戦法を採択したとします。例外はありません。1対4でもバリアがあっても迷わず無思考でヤグラに特攻します。

するとどうなるか。
少なくとも立ち回りに迷いはないです。

迷うことによる行動と反応の遅さ、
ある行動が失敗に終わったことによる気持ちの焦り、
焦って視野狭窄になることによる敵の見落としや立ち回りの凡ミス、エイムのブレ…

試合中の迷いはあらゆる負けパターンに繋がる可能性があります。

ヤグラゾンステ特攻は迷いません。なぜなら脳みそまで腐ったゾンビになっているからです。もう知性がありません。
でも知性が無いから殴られる痛みも感じずに最速で殴りに行けるし、負けそうになって焦る知性も無いです。

なので、迷いが多すぎていつも何していいか分かんなくて負け続けてるような人にとっては、
「○○するだけで勝てる」は救世主である可能性があります。

低パワー帯であれば、敵も味方も最適な動きを最速の判断でやっているわけではないですから、
一切迷わずルールの勝利条件に関与し続けることがそのまま勝ちに繋がることも多いでしょう。

ただし上達すればするほど、たくさんの選択肢を持っていて色んな状況に瞬時に対応していくのが当たり前の世界になってくるので、
そういう世界まで行くと「○○するだけで勝てる」は眉唾ものだったり、ただの遊びにしか見えなかったりするかもしれません。

④「○○するだけで勝てる」をやりたがる人も大勢いる

③で説明したのは要するに「初心者にとってはそういう分かりやすい戦法があるのもありがたいよね」みたいな話なんですが、

初心者でもないのに「○○するだけで勝てる」をやりたがる人もいます。それはやりたいからやってるんです。

これには多くのパターンがあると思っています。

  1. 戦法の開拓と研究が好き

  2. 人と違うことがしたい、新しいことがしたい

  3. 性に合っている

  4. 戦法がアイデンティティになっている

  5. いまさら正攻法の経験値を積めなくなった

他にもあるかもしれないけど、とりあえず5つ。

1.戦法の開拓と研究が好き

かの有名なカードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」発祥の用語に、『ティミー、ジョニー、スパイク』というものがあります。
ユーザーがどんな風に遊ぶのを好むかを、3パターンに分類しようと試みた理論です。

  • ティミー:楽しさを求める人

  • ジョニー:自己表現を求める人

  • スパイク:困難な挑戦を求める人

この理論で言うと、新しい戦法の開拓や研究を好むのはおおむねジョニーです。
ジョニー的な人は、新しい戦法や奇抜な戦法を考えること自体が好きだったり、それをもって自己表現をするのが好きだったりします。

スパイクも新しい戦法を考えたりはするのですが、それは大会で優勝するためとかXP最高値を目指すためとかが理由です。
奇抜な戦法を披露したいのではなく勝つために、環境トップに君臨できるぶっ壊れ戦法を誰よりも早く見出すことに関心があります。

「ゾンビガン積みでヤグラに乗ってるだけで勝てる!」は、ジョニー的な思考から生み出された戦法でしょう。
XP5000を目指すスパイクの戦法ではありませんし、現実的には5000どころか3000になれるかどうかも怪しい戦法だと思います。

でも当事者は思いついたのが楽しくて、実際通用するのか試したくてやってるだけです。実際それで結構勝ててたら最高に気分がいいじゃないですか。

2.人と違うことがしたい、新しいことがしたい

これはジョニーかつティミー的な思考だと思いますが…あえてマイナー武器を持つ人、あえて変なギア構成にする人、いますよね。
研究開拓とか、秘匿してた環境トップメタとしての大会採用とか、そういう理由じゃなくて、
みんなと一緒はイヤ、おれはおれの個性を出したい、という自己表現の気持ちの表れからそうする人のことです。

戦法にも同じことが言えると思います。みんなと同じ正攻法は楽しくない。新鮮な遊びがしたい。
こういう人は、満足したら(飽きたら)(他の人もやりだしたら)もうその戦法をやらなくなると思いますが。

3.性に合っている

対戦ゲームはそもそも全員がトッププレイヤーになれるわけではないし、全員が最適解の立ち回りとエイムとキャラコンを発揮できるわけではありません。
エイムが苦手、索敵が苦手、とっさの状況判断が苦手、色んな苦手や実力の限界が人ぞれぞれにあります。

そんな中で、ゾンビでヤグラに乗りまくる戦法だけは性に合う、しっくり来る、なんかこれだけは楽に勝てる、ということも人によってはあるでしょう。
ホコだけ超強い人、アサリだけやたら上手い人、とかもいるでしょう?各々に「この戦法だけはめっちゃ得意」があるんだと思います。

たまたまそれが「○○するだけで勝てる」の形になっている場合があるだけです。

4.戦法がアイデンティティになっている

とにかく自己表現がしたい人ほど、マイナー武器にこだわりを持ってたりしますよね。
現環境で弱いと分かっていても持ち続ける、この武器の存在そのものが己のアイデンティティなんだ、という感じ。

戦法についても同じようなことが言えると思います。
この戦法を取り続けることが俺だ。究極の自己表現の形。

ただこのパターンはやや危ういところがあり、勝ち負けを度外視してまで己の戦法アイデンティティにこだわりすぎると、チーム対戦ゲームとしては火種になるリスクが高いです。
1対1の格ゲーやカードゲームならそこまで大きな問題にならないと思うんだけどね。「(敵として対峙したときに)あの戦法ウザいよな」ぐらいのヘイトで済むから。

5.いまさら正攻法の経験値を積めなくなった

3.でも話しましたが、人の成長と能力には限界があります。
しかもスプラトゥーンみたいなスピーディーなアクション要素の多いTPSだと、加齢による心身の衰えなどもモロに戦績に影響します。
ある程度歳を取ると成長しないどころか劣化していくんですね。

30過ぎて、仕事が忙しくて、子供もいて、ゲームできるタイミングは週に1日あるかないか…そういう状態の人が10代のトッププレイヤーと同じ土俵で戦うのは普通無理です。

もうね、勝てないの。エイムとか無理なの。試合中こまめにマップ見るとかできないの。数戦やったら目が疲れるの。
そういうくたびれた年寄りが…いまさら正攻法の鍛錬を…つまり黙々と何時間もエイム練習したり、何時間もXマッチに潜り続けたり、そういうことができるか?
というと、できない(できてない)人もたくさんいるわけです。

老獪で負けず嫌いな年寄りはカッコよく「フィジカルで勝てないから頭脳戦で勝つ」みたいなこと言いがちなんですが、
これも要は正攻法で勝てない言い訳です。こういう人は負けず嫌いだから、なんとか勝つ方法を見出したいんです、今の自分にもできる正攻法以外の方法で。

結果、いまさらエイムをバチクソに鍛えたり環境トップブキにコロコロ乗り替えたりとかはもう諦めてて、「○○するだけで勝てる」にしがみつくしかない哀れなプレイヤーが誕生します。

この項はほぼ俺の自己紹介ですね…。

⑤「○○するだけで勝てる」をやりたがる人のリスク

④で紹介したように、「○○するだけで勝てる」をやりたがる人の中には一定の社会的リスクを抱えている人がいます。

自分のやり方にこだわりすぎる人や、正攻法から離れることを目的化しすぎている人です。

何度も言っているように、現実には「○○するだけで勝てる」は存在せず、それも選択肢の一つとして持ちつつ他にも色々できる人の方が勝てます。

そう、本当に勝ちにこだわるなら、状況に応じて色々やるのが正解なんです。
逆に言えば、「○○するだけで勝てる」にこだわりすぎる人は他の勝ち方にこだわっていないと言えるのではないか?

ともすれば、いつの間にか「○○するだけ」のみにこだわってしまっていて、「勝てる」から遠ざかってはいないだろうか?

それでも、自分が負けて自分が損するだけなら別にいいんです。誰がどんな謎戦法を取ろうが知ったこっちゃないですよ。対戦する身としては勝てればそれでいいので。

このゲームはチーム戦で、野良試合だと誰だか知らない味方が3人いるので、あまりにも正攻法の勝ち方から離れすぎている謎戦法を披露すると、野良の味方3人が困惑するんですね。
困惑するだけならまだしも、それで酷い負け方をしたら、『真面目に戦ってる』味方からしたらたまったもんじゃないです。

ここは今から倫理です

この先は、SNS社会における炎上リスク回避テクニックみたいな話になっちゃうんですが…
自分の行なっている戦法が、世間の常識からかけ離れた変な戦法であることをしっかり自覚する必要があります。

世間からは理解しがたい戦法を取って、それで酷い負け方をしたときに、ゲーム外のSNS社会で、
「こうこうこういう戦術理論なんですけど?」「こうなってこうなることでこのような効果が期待できるんですけど?」「真剣に勝ちにこだわって真面目に戦ってるんですけど?」
みたいな頑なな態度を取るのは炎上リスクが高いと思います。

これは社会の話なので、戦術理論が正しいかどうかや、当人が『真面目に戦ってる』かどうかはあんま関係ないです。世間から『こいつはおかしい』と認識される態度に問題があります。

なんでこんなに態度が頑なになるかと言うと、こだわりすぎているからです。こだわることが目的化しているからです。こだわることが自己表現になっているからです。

端的に「逆張り」と言ってもいいかもしれません。
勝つことが最優先目的であることを忘れてしまうと危険ですし、自分の理論に執着して人の話や世間からの見られ方を気にしなくなるのも危険です。

まあ、社会で変にトゲトゲしてるとあんまいいこと無いので…
戦法の開拓や研究にこだわりを持つ人は、
「この新戦法、可能性あると思うんだけどどうかなあ…」「全然ダメだったわ、味方には申し訳ないことしたなあ…ごめんよ…」
ぐらいの謙虚な態度で臨むのがいいと思うんだなあ、個人的には…。

それか仲良し固定4人でやりなよ。それなら誰も怒らないのに。

まとめ

  • ヤグラに乗りまくる戦法は一定の強さがあるが、お手軽最強戦法ではないし限界もある

  • 迷いが多い初心者なら、「○○するだけで勝てる」は迷いなく実行できる点に有用性がある

  • 「○○するだけで勝てる」戦法は、そういうのを開拓するのが好きな人や、そういうのにこだわりたい人などがやっている

  • 戦法にこだわりすぎると社会的なリスクが怖い。謙虚さ…

以上!!!!

ちなみに「ヤグラに乗ってるだけで勝てる」を真剣にやりたい人向けに、ヤグラ上での食らい判定や乗り降りの判定の仕組みをじっくり解説した動画ならあるよ!
やるならやるでちゃんと研究しろよな!

あと他のスプラトゥーンの話題をまとめたやつ↓


カフェラテかミルクティー買います いや、カフェラテの方がカラテが高まりそうなのでカフェラテにします