【詩】二人の秘密(合わせ鏡+朝焼け)〜青ブラ文学部〜
私を覗き込んであなたは言った
ねえ、もう、悲しくないでしょ
僕が来たから、もう大丈夫
髪の色も目の色も
背の高さも体の厚みも
声だって全然違うのに
あなたは私で
私はあなただった
だって僕らは
一つの色から生まれたから
僕が青できみが赤でも
僕らは混じり合って
また一つの色に戻るんだよ
私はそっと彼にキスをした
ひんやりと硬いキスだった
酷薄そうな唇が嬉しそうに笑った
ほら、ここだよ
こっち、こっち、もっとこっち
鏡の中の鏡の中で
あなたが笑っていた
誰も知らない