【短編】この世界に唯ひとつのもの(上)
「ねえ、お姉さま、歪んだ愛って何? それはダメなものなの?」
「まあ、どうしたのメグ。どこでそんなことを……。でも、そうね。愛なんていうものはね、みんな歪んでいる。だからこの世界にあるものは、みんなそう呼ばれていいはずよ」
「みんな……」
「驚いた? でも本当なの。だけどおかしいのよね。……大概の歪みは許されてしまう。歪みではなくなるの」
「どうして?」
「みんなが求めるからよ。大多数が同じように……。そうするとね、それは正当化されて、もう歪んだものではなくなるの。でも時々、