LDC Meet The Media:第6回『ハルメク365』~前編~
皆さま、こんにちは。CCI Lifestyle Digital CONNECTです。
今回は、LDCがとっておきのコンテンツメディアを紹介していく連載、『LDC Meet The Media』の第6回目として、『ハルメク365』の矢吹様、八頭司様、入山様へのインタビューをご紹介します。
ゲストプロフィール
メディアについて
矢吹様:女性誌販売部数No.1の「ハルメク」が作った、50代からの女性のための「見る・聴く・学べる」会員制サイトです。
50代からの女性の関心が高い、ファッション・美容・健康・お金・生き方などのテーマを扱い、記事約10,000本、動画約700本、イベント・講座は毎月20回以上開催しています。
文字通り365日飽きることなく楽しめるコンテンツを用意しています。
ハルメク365の立ち上げ背景
矢吹様:2018年に「ハルメク365」の前身となる「ハルメクWEB」を立上げ、4年間で月間ユーザー数280万人超と、シニア女性向けサイトでは日本有数のサイトに成長しました。
「ハルメクWEB」では無料の記事コンテンツを提供していましたが、
50代からの女性の課題を解決するためには、動画や講座、サービスなど、
より多面的で質の高いコンテンツ提供が必要だと考え、2022年9月より「ハルメク365」にリニューアルし、有料のサブスク会員モデルを追加しました。
50代からの女性は、更年期を迎えることで身体が変化し、子どもの独立、夫の定年、親の介護などでこれまでの生活が一変します。
こころと身体のバランスが崩れたり、周囲の人間関係に疲れたり、そんな不安な時に「ハルメク365」が頼れる友人になりたいと考えています。
矢吹様:ハルメクの雑誌は右肩上がりの成長で、3月末時点で47万部近くまで伸びており、雑誌業界では特異な存在ではありますが、今後10年、20年後の雑誌業界のことを考えると新規の読者の獲得が厳しくなっていくと考えています。
ハルメクの雑誌自体、書店販売でなく、定期購読であるため、集客方法としては新聞とテレビになります。
時代に合わせてハルメク本体の集客方法も変えていく必要があると考え、2018年にハルメクWEBを作りました。立ち上げから4年が経ち、シニア女性向けサイトとしては日本有数の媒体になってきました。
広告モデルとして運営もしていますが、それのみだと無料の記事を量産し、集客するというモデルですが、我々出版社はもともと有料のコンテンツを売っている商売で、無料の記事を大量に作って広告モデルで発展するというモデルではありません。
なので、お客様ひとりひとりにリッチな体験をしていただいて、お客様からお金をいただくモデルというのが本来のコンテンツプラットフォームのやるべきことと考え、サブスクモデルとして有料会員を集めることになりました。ですので、ハルメクは今、デジタル事業の第2ステージに立っているという状況です。
ハルメク365のペルソナ像について
矢吹様:ハルメク365のユーザーである50代以上の女性は、まさに第2の人生の入口に立っており、老後の生活、健康に不安を抱えながらも、現在の生活を前向きに楽しもうとする積極的な方が多いです。ファッションや美容に興味をもち、講座に参加して常に新しいことを学びたいという知的好奇心が強いです。
シニア世代といっても読者さんは自分自身をシニアとは誰ひとり思っていないです。60代の方はその上の70代の方をシニアだと思っているし、70代の方は80代の方をシニアだと思っています。とにかくアクティブで、生活をより充実させたいというお客様が多いです。
ハルメクの人気なトピックスについて
矢吹様:「ハルメク365」で人気のコンテンツは、記事だとファッション系の記事、動画は「脳トレ」、「きくち体操」などの健康系の動画が人気です。
矢吹様:ご自身で1時間の体操指導もしていたり、リアルとオンラインで1000人規模の講演会もやられたりするようなパワフルな方です。
WEBと本誌でのコンテンツの差
矢吹様:雑誌よりもWEBの方が年齢層が若いこともあり、主なコンテンツは異なります。
雑誌は平均年齢が70歳なのですでに年金生活に入っていますが、WEBの方は50代の方が多いためこれから年金受給に向けた情報が必要になります。同様に、WEBのほうは更年期・ファッション・美容情報の需要が高く、雑誌は、終活・スマホの使い方・健康情報が人気です。
ハルメクの強みについて
矢吹様:お客様の声を第一優先にしているところが大きいかとおもいます。顧客理解のために、毎月2~3,000通程返ってくる読者はがきから編集者がすべて読み解き課題を拾いあげ、ハルトモ※ 4,000人の方に調査をするなど、約6か月前から特集制作を始めます。普通の出版社だと大体2-3か月前から企画を立ち上げ始めると思いますが、ハルメクでは倍以上の時間をかけています。記事は編プロに外注することもなく、中の編集者が自ら大半の記事を執筆までしています。こういう出版社は珍しいと思うので、その熱量の違いも質の差に現れてくるのだとおもいます。
※ハルトモ・・・ハルメクの新しい商品・サービスの開発、誌面作りに参加いただける方
矢吹様:2,000枚以上届く読者はがきもそうですが、ハルメク誌はD2Cモデルなのでお客様の住所を把握しています。読者の中から毎月1,000人を抽出して膨大なアンケートをとり、全ての記事、広告含め満足度調査をしています。グループインタビューも通販・雑誌でも頻繁に行っていたり、お客様のお宅に訪問し、どういう課題をもっているかの調査をしたり、色々な場面で話をきくようにしています。
ハルメクには「生きかた上手研究所」という専門の研究所があり、そのような満足度調査を毎月定量・定性で分析しています。
編集部だけで分析をすると、作りたいと思っているものがあり、データもそのようにとりたくなってしまいがちですが、「生きかた上手研究所」は独立した組織で中立な立場のため、客観的な視点で調査をしてくれます。
コンテンツ作りにおいて大事にしていること
入山様:これまで話してきた読者の声を大事にするというのはもちろんのこと、お客様が言っていることをそのまま鵜のみにせず、インサイトは何かということを大事にしています。
読者のインサイトを見つた後は、編集力が大事で、調査はあくまでも入口を間違わないためのものだと思っています。私も別の出版社で以前働いていましたが、ここまで徹底しているところはそうそうないと思います。だいぶ手間のかかることやっていますからね(笑)
LDC:前編ではハルメク365のメディア運営について熱く語っていただきました!
後編では『ハルメク365』の広告企画、シニア層に向けた広告制作における工夫・アドバイスなどについても触れていきたいと思います!
後編の記事はコチラ
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