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「35歳からはじめる自撮り」を、私が始めた理由。

1日1回、カメラロールいっぱいの私を見るのがルーティンです。


推しブランドを推すため、自撮りのはじまり

継続的に自撮りをはじめるきっかけは「幸福洗脳」でした。
「幸福洗脳」とは、YouTube大学の中田敦彦さんが2018年に始めたアパレルブランド。


1枚 10,000円超のTシャツはファッショントレンドに関心のある人から見れば、よくある価格帯ではありますが、そこに人々がぎょっとするメッセージを込めるというアイディアから、ビジネスモデルをFR2に学びながらドキュメンタリーを共に作り上げてきたのです。
その行くすえ、一喜一憂をニッポン放送「中田敦彦のオールナイトニッポンプレミアム」で半年限定で放送し、元々オリエンタルラジオのファンだった私は、中田さんの熱狂ぶりに魅せられ、草の根活動としてコーディネートSNSの「WEAR」で、新作が出ては着用画像を上げていました。


SNSとファッションがちょっと先の未来を開く

また、Ari Seth Cohen アリ・セス・コーエン「Advanced Style」は30代で出会った本のなかでも、哲学とインスピレーションに満ちた1冊で指標にもなっています。
それまで無頓着だったファッションに、OVER60のエッセンスと豊かな彩色を組み合わせる先達のヒントによって、これからを生きるということと共に、ファッションそのものが楽しくなってしょうがなかった頃合いでの「幸福洗脳」との出会いは刺激的でした。

自撮りに抵抗がなくなった、それ以前になぜ抵抗があったのか?
時流も大きく関わってきます。
インターネット上での交流は、愛好家同士を繋ぐものになり始めたネット黎明期は匿名・顔出しなしが当然のことでした。
社会的な自分と、趣味や平時の自分は切り分けて考えるのがベターという傾向にありましたが、それがSNSの登場により個人の思想や主張に活用されるエンパワーメントの足場ができ、名前や所在を明かす方向へシフトしていきましたね。

そして、気付いたんです。
「私ってば、母親の影響で自己肯定感が爆低(ばくひく)じゃない???」
「あれ? でも、コーディネートを紹介して、評価があるとうれしい!」
はじめたツールがinstagramでもTwitterでもなく、比較的ドライなレスポンスのあるWEARだったことがよかったと思います。
instagramやTwitterは思想、感情を表現する場ですが、WEARは感覚とセンスが優先されるように感じています。
淡々と写真をアップし、ラブやお気に入りに繋がっていく。
他と比較せず、発見や勉強として取り入れやすくある。
自分を承認されることに急くことなく、自分の道をゆけたのが良かったんです。
それから徐々に幸福洗脳だけでなく、それ以外の私服コーディネートも投稿するようになりました。
自分を愛する糸口は、ファッションであったのです。


そして幸せに過ごしました、ちゃんちゃん。とはならない(今はまだ)

それで安定できたらよかったのですが、今もまだ自分の内なるルッキズムに苦しんだり、うらやむほどのセンスやスキルのある近しい他者を見ては心底、悔しがったり……。
苦痛も大きく伴っていますが、自己否定をやめようと気づくために、自撮りが大きな前進であったことは間違いないのです。

自分から自己否定をやめよう、と動いたことで発見もあります。
あるとき、いちご農家のいっちゃんと話していて思い至りました。
10代、20代を抑鬱的に過ごしてきたけれど、今は驚くほど快適です。それはなぜなのか。

私は「自撮り」を自己肯定感を高めるライフハックであり、ツールであると思い、この活動を広めたいんです。
現況、特にSNSの中では顕著に、他罰的または感情的な論にあふれ、他者へのヘイトが平然と行われているのは、なぜなのか?
あるコミュニティのさまざまな人や考えに触れる機会の中でも、いちご農家のいっちゃんとの会話から(かなりの)ざっくり仮説を組み立ててみました。

・私たち(30代以降)は、おそらく全般的に自己肯定感が低い
・親や祖父母による旧態の教育方法によって、低くなるようになっている
・となると、自己肯定感が最も低いのは親たちで、私たちは自己否定の再生産に使われているのではないか

親世代は褒める教育を受けず、またそう育ってはこなかったので褒め方を知らない、という「自己否定をする仕組みのデザイン」がされていたんではないか、と思うんですね。
私の親も、友人の親も、被虐待児から毒親になった例ですので、限定的なケースではあると思いますが、毒親も情報や知識を探せず、どこにも逃げなかったために毒親になってしまった、と私は考えます。
同年代のほかの方とお話をしてみても「私たち、他罰的なひと達に縛られるのを掻いくぐっているよね」という体感があるわけです。

他罰的な環境を大きく変えることはできなくとも、まず自分ひとりの気持ちを変えることはできます。
スマホがあれば、そのカメラにはお守りのように自分の笑顔が収まっている。
その「小さな抗い」が数珠つなぎのソーシャルアクションとなることを夢見て、今日も自撮りをしています。



その友人▼


Ari Seth Cohen / Advanced Style ▼
web https://www.advanced.style/
instagram https://www.instagram.com/advancedstyle/


chicca

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