第十九回『けげんのかいせつ』
七剣との戦いが続く第十九回。
今回は「おや?」となる箇所があるかと思うので、さっそく解説です。
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産地直送針山地獄
この技は紙幅の都合で細かく描写はしていませんが、履帯からスパイクを出し、突撃するものです。
ところで前回、格好いい漢字を並べていた銅鑼六。
今回は、みょうちきりんな技名になっています。
これは、ひと昔前の暴走族の特攻服に、なんだかよくわからない四字熟語が書かれていたのをイメージしています。
そういう意味では、たまにカッコイイ技名を思いつくが、そうでない技名もたくさんあるキャラが銅鑼六です。
全ての技に適切な語句を選べるほど学があるキャラではありません。
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三脚法
これこそまさに、「おや?」と思った方もいるかもしれません。
以前、この技が出たときは「三脚殺法」でしたが、今回は「三脚法」になっています。
脱字というわけではなく、非常に生真面目な二郎長の性格上、殺さない時は「殺法」の呼称を使いません。
この場合、殺す殺さないは主である九十九姫が決めるターンなので、殺法と言っていないのですね。
逆に、過去の話で「殺影」から「一眼」に繋いだ場面では、殺傷を目的としていたため、殺法と呼称しています。
ただ、厳密に言えば、「三脚殺法」は二郎長の戦闘スタイルなので、殺傷目的ではなくても「三脚殺法・殺影」としても間違いではありません。
あくまで、彼のこだわりです。
これは、この回を書く前から決めていた設定ですが、紛らわしいのは事実なので、結構最後までこれで行くか悩んだ部分ではあります。
ただ、やはり二郎長のキャラ性を優先して残しています。
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歴史上の人物
ここでは、茶の湯で使われる茶器の名物、平蜘蛛や九十九髪茄子の話をしています。
あくまでフレーバーとしての会話なので、作中では細かく説明はしていません。
ちなみに、『しごにんの侍』の世界でも、松永弾正は存在しますし、また本能寺の変もあったという設定です。
ただし、本作の命名規則的に、何らかの数字が入る名前になっていたでしょう。
余談なのですが、本作における織田信長に相当する人物は、「(存在しない)劇場版の敵」くらいのイメージで頭の片隅にあります。
あまりにも多くの作品で登場する人物のため、本作では敢えては出さなくてもいいのかな、と思ったためです。
余談ついでに言いますと、過去に『耐火性信長』という漫画企画書を社長に提出してボツになったことがあります。
そりゃそうじゃ!
さて、次回、第二十話ブログは5月15日(水)、『しごにんの侍』第二十話はその前週、5月8日(水)に公開予定です。
といったところで、今回ここまで。また次回のお楽しみ。