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ニャンズは彗星の如く

2022年。セミが鳴くころ。近所の公園に通りがかりました。

茂みには、動く生き物たちが。

たくさんの仔猫です!

誰かに捨てられたようでした。

動物愛護センターに電話したところ、「よっぽど衰弱していない限り引き取ることは困難」と、きっぱりとお断りされました。

ネットで、保護猫の写真を紹介している動物病院を探して、電話したところ、誰にも相談には乗っていただけませんでした。

途方に暮れていると、1件の電話が。動物病院からでした。

何らかのアドバイスをいただけるのではないかと、保護猫活動家のAさんを紹介していただけました。

Aさんは保護猫活動をしているうちに、引き取り手のない猫を自分で育てることになり、いまでは20匹以上の猫が家にいるとのことで、お家にお伺いさせていただきました。それは想像を絶する光景でした。動物愛護法の観点から、行政指導が定期的に入り、近所から白い目で見られている。あなたにはこういうことが覚悟できますか、と問われました。

Aさんには、そういう覚悟がなければ、公園にいる間は私が餌や水をあげて、タイミングを見計らって、TNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊手術を施し、Return/猫を元居た場所に戻す)して、これ以上増やさないようにしたうえで、地域で育てていくことを勧められました。

こんな仔猫たちが公園で病気もせずに無事に育っていくだろうか?
なんとかTNR以外に幸せになってもらえる道はないだろうか?
悶々とした数日を過ごしました。

以下は、それぞれの猫の保護猫活動記録です。


1匹目

茶トラのオス

LINEで別の保護猫活動家Bさんを探して、一旦預かってもらいました。その間に、里親サイトというものを発見。猫の里親とのマッチングサイトです。可愛い風貌をしているので、一瞬にして、里親様が見つかりました。Bさんは頭が大変固く、どこの馬の骨とも分からない人には婿にやれない、と頑なに拒否。私の姉が欲しがっている、という嘘をつき、強引に取返しました。里親様へ連れていくまでの動物病院での検査や去勢手術、一時預かりをAさんが引き受けてくださいました。

2匹目

キジトラのメス

Aさんにご協力いただき捕獲機でトラップ。残念ながら、猫エイズが陽性ということが発覚しました。Aさんには引き取り手を探すのは極めて困難になることからリリースを勧められましたが、保護活動家Cさんの伝手で、アメリカ人ファミリーにご協力いただき一時預かっていただきました。あくまでも一時預かりというお約束で、クリスマス休暇前には引き取り手を探す必要があり、里親サイトに掲載し、こちらも直ぐに里親様が決定しました。

3匹目

白黒のメス

どの猫よりも一回り小ぶりで、愛くるしい顔をしていましたが、何しろ引っ込み思案。数回茂みに見え隠れしていましたが、1か月くらい顔を見せない状態が続きました。改めて、Aさんに相談しましたところ、人慣れしない猫は保護しても人に懐かない可能性が高いので、TNRをしたほうが良いと言われました。AさんがTNRを実施いただけるとのことで、お任せをしておりましたが、リリース中にLINEがきました。

Aさんが公園でケージの扉を開けてリリースしようとしましたが、涙が出てきて扉を開けることができず、動物病院に連れて帰ったと。その話を聞いて、私も涙が止まらなくなりました。必死の思いで、里親サイトに猫の気持ちになってストーリーを書き綴りました。

その想いが届き、4件もの応募がありました!猫を既に3匹保護した経験のある方に無事に引き取っていただけました。

4匹目 と 5匹目

三毛のメス
キジトラのオス

この猫たちは人一倍臆病。可愛らしい顔をしています。里親サイトで3匹目の白黒猫に応募いただいた方に、白黒猫は既に貰い手が決まってしまったので、代わりに三毛のメスとキジトラのオスがいるが興味がないかとお伺いしましたら、まとめて2匹を引き取りたい、と言っていただけました。

天使のような里親様でした。

6匹目

キジトラのメス

この猫は、いつも5匹目のキジのオスとセットでいましたが、後半は全く姿を見せなくなっていました。もしかすると衰弱死してしまったかもしれないとずっと心配していました。

毎日捕獲機を仕掛けましたが、全く掛かる気配がなく、もう保護猫活動は諦めよう、と思いかけたときに、茂みの奥に姿を確認しました。

4匹目と5匹目の猫を引き取ってくださった里親様にそのお話をしましたら、兄弟は一緒に暮らしたほうが幸せなので、もし捕獲が出来たら、是非お迎えしたい、と優しいお言葉をかけていただけました。

捕獲機を公園の茂みに設置し、9時間かけて捕獲しました。捕獲したのは11月中旬でしたので、寒さで手足がじんじんとしておりました。

捕獲機にかかった猫を、そのまま里親様が引き取ってくださいました。

本当に天使のような方でした。

こうして、合計6匹の仔猫たちが無事に引き取られていきました。

心残りなのは、7匹目の猫。

サビ猫

サビ猫は夏には見かけていたのですが、秋口に全く姿を見かけなくなってしまいました。どこかで誰かに無事に引き取られて、幸せになっていることを心から願っています。

私の心からの叫び。みんな、幸せな猫生を全うしてね!