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読書会【人権を考える】

お盆の真っ只中に読書会にて人権について対話しました。
課題本は【藤田早苗著 武器としての国際人権】

恥ずかしながら人権とは何か深く考える機会を持たずに生きてきました。
ただ一つ【思いやり】でなんでも解決しようとする社会の雰囲気に違和感を感じています。

思いやりを持てば【差別】は無くなるのか?
思いやりを持てば【LGBTQ】の理解は進むのか?
思いやりを持てば【難民】を全て救えるのか?

【思いやり】は大切です。それで全てが解決するのなら、ウクライナとロシアの戦争はそもそも起こらない。
入管法で亡くなる人も出ない。
同性婚やマイノリティー、障害者の雇用や社会進出もどんどん進んでいるはず。

現実は真逆で絶望感が沸き上がります。

ここで自分自身の人権について考えました。
漠然と【私の人権は守られている】と思っていました。
よーく深掘りしていくと、どうやらそうでも無いことに気づきました。
一つ例をあげると【生活保護の受給】です。
申請は権利としては一応出来ます。ただし受理されることはほぼゼロに等しい。
理由は国家資格の【正看護師免許】を所持しているから。

これだけの理由です。
例えば何かしらの病気を患ってしまったら?

ここからはリアルに私に起きた出来事です。
とあるコロナ関連のプロジェクトに出向していました。

とにかく毎日忙しく全国規模のプロジェクトにも関わらず出向の私が看護師達の主に治験の研修を担当しました。
睡眠時間がほぼ取れず、毎日繰り返されるWeb会議やらなんやら。
ある日、糸がプツンと切れました。
感情がコントロール不能になってしまい笑えなくなりました。
そして連日続く偏頭痛で起き上がれない。
自分の不出来に落ち込む一方で、かすかに残っていた理性がこれはおかしいと心療内科を受診。
診断は鬱病。
内服で何とか出向期間を終えて今に至ります。

この時は期間が決まっている仕事、かつ休むことがどうあっても難しい状態でした。出向期間の短縮も時既に遅しの状態。

もしこれが今の職場で起きたら?
出勤できない、休職ならまだしも退職を選ばざるを得ない状況になったら?

失業保険と貯金で食いつなぐか、はたまた実家に戻るか…。
再就職する事が難しければ生活保護の受給?

私にはその権利がほぼゼロです。

看護師だから。
一歩外に出ればどこの病院も人手不足で働き口は沢山あるから。
看護師は高給与だから。

看護師は確かに給与水準が高いと言えば高い。
正し夜勤も含む交替勤務あっての給与です。

【健康で文化的な最低限度の生活】

どれだけの人が健康で文化的な生活を送れているのでしょうか?

最後のセーフティーネットの生活保護。
誰のための制度なのでしょうか。

『自分の人権も侵される可能性もある』
『他者の人権を自分が侵す可能性もある』

読書会の締めくくりに
『もし、読書仲間が【人権の本を探している】と言ったら真っ先にこれを勧めよう』
と話しました。

何事も始まりは興味、関心をもった一冊の本から。
そんな風に感じた読書会でした。






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