僕を思い切り抱きしめてよ(詩)
時刻は既に深夜1時を回っていた。明かりはあっても、何かが足らないその部屋を満たそうとしていたのは、スピーカーから流れるBrian Enoだった。
ぼんやりと目を霞ませながら、ジャックラカンに関する本を読んでいた。
その本が丁度エディプス・コンプレックスの項に差し掛かり、読み進めていく内に僕は泣いていた。
僕の家族はあべこべで、僕自身もきっと誰に“父”や“母”の役割を押し付けて良いか、常に迷っていた事と思う。俗にある機能的な家族ではなく、正確にはどこの縁故なのかよくわからな