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【ケース面接対策&例題第1弾】 龍角散の売り上げ向上施策の解答例と解き方

こんにちは、CaseMatch運営事務局です。
ケース問題解説編第1弾です。
今後もいくつか解説していきたいと思います。

では早速、下記のお題を解いてみましょう。余裕のある方は解説を見る前に自分でも解いてみると良いです。(なお、ケースマッチで回答すると他の方の回答もみることができます。問題はこちら

お題

龍角散の売り上げ向上施策

回答はこちら↓

龍角散のもつ清涼感と知名度を生かした熱中症対策としての塩飴の開発・販売を提案する。まず、国内のど飴需要はコロナ禍において拡大したものの、その収束に合わせて直近は下降傾向にあると考えられ、再び売上を上げる施策が求められている。その中で龍角散のど飴は国内トップのシェアを誇り、単に喉を潤すだけのイメージが強い競合商品とは異なり、自社独自成分である龍角散による強い清涼感のイメージや高い機能性で幅広い世代から支持を得られている。こうした支持を背景に、感染症の流行・乾燥で喉の違和感が出る冬場には盤石な売上となっている一方、相対的に夏場には売上が低くなる傾向にあると考えられる。冬場にはのど飴に対するニーズを抑えられているため、夏場に売上を上げる方針を検討すると、この時期に舐める飴としては熱中症対策としての塩飴が上げられる。この領域には先行する他社製品が多いが、そのほとんどが塩分・ミネラル補給を全面に打ち出しており、温度・湿度が高い中で清涼感を得たいというニーズを捉えた商品は少なく、また龍角散ほどの認知度を持つ製品は存在しない。そのため、塩分・ミネラル補給の用途は果たしつつ、清涼感を強調する商品として開発することにより、独自のポジションで展開し消費者から一定の興味を得ることができると考えられる。また、こうした新規性の高い商品はしばしば見慣れないことによる抵抗感が高く初期の広まりに難点が多いが、パッケージを通常ののど飴に似せるなど龍角散のもつ高い知名度を全面的に活かす形で展開することで初期の抵抗感も下げることが可能となる。生産設備としても飴という共通性から既存商品の設備がある程度そのまま利用可能であり、十分な実現可能性の下、これまで相対的に売上が低かった夏場においても需要を喚起し売上のより安定的な向上に資することが期待できる。

次にこの回答の良いポイントを見ていきましょう。ちなみに、ケース面接では回答は一通りに定りません。そのため、必ずしもこの回答と同じ方針ではないと面接通過できないというわけではありません。
しかし、良い回答は構造的かつ論理的で、自分の示唆やアイデアを的確に伝えられているという特徴があります。
皆さんには、ケースマッチを通して自分の示唆やアイデアを的確に伝えられるような記述方法(話し方)を学んでいただきたく思っています。

良いポイント解説

上の回答は大きく4つのステップで記述されています。

  1. 結論の提示

  2. 現状分析

  3. 課題特定

  4. 施策のリスク評価、得られる効果の検討

はじめに結論である施策を述べることで、相手(面接官)にとっても、どの結論にむかって話しているかがわかりやすくなっています

龍角散のもつ清涼感と知名度を生かした熱中症対策としての塩飴の開発・販売を提案する。

次に現状分析ですが、現状分析は3Cと呼ばれるフレームワークを利用して行うと良いです。
3Cとは、市場や競合などの外部環境の分析から、自社が行うべき戦略を立てるために利用するフレームワークです。売り上げ向上系のお題の場合、ほぼほぼ必須で利用するフレームワークとなっています。
3Cとは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字をとったものです。
先ほど示した回答では現状分析を以下の部分で行なっています(解説のため一部加筆)。

市場の分析】まず、国内のど飴需要はコロナ禍において拡大したものの、その収束に合わせて直近は下降傾向にあると考えられ、再び売上を上げる施策が求められている。【自社・競合の分析】その中で龍角散のど飴は国内トップのシェアを誇り、単に喉を潤すだけのイメージが強い競合商品とは異なり、自社独自成分である龍角散による強い清涼感のイメージや高い機能性で幅広い世代から支持を得られている。【3Cの結果から自社の課題の方向性を提示】こうした支持を背景に、感染症の流行・乾燥で喉の違和感が出る冬場には盤石な売上となっている一方、相対的に夏場には売上が低くなる傾向にあると考えられる。

3つ目に課題の特定に入ります。現状分析のところで、この回答では季節によって売り上げが大きく異なるのではという仮説を立てています。
このように、闇雲に課題を探すのではなく、現状分析から課題に対する仮説を考え、それに対して検証するというプロセスを踏むことが「課題の特定」になります。

冬場にはのど飴に対するニーズを抑えられているため、夏場に売上を上げる方針を検討すると、この時期に舐める飴としては熱中症対策としての塩飴が上げられる。この領域には先行する他社製品が多いが、そのほとんどが塩分・ミネラル補給を全面に打ち出しており、温度・湿度が高い中で清涼感を得たいというニーズを捉えた商品は少なく、また龍角散ほどの認知度を持つ製品は存在しない。

最後に施策を特定してリスク評価と効果の検証をします。
下にどの部分がどこに対応しているか追記しました。

【施策】そのため、塩分・ミネラル補給の用途は果たしつつ、清涼感を強調する商品として開発することにより、独自のポジションで展開し消費者から一定の興味を得ることができると考えられる。【考えられるリスクとそれを克服できる理由】また、こうした新規性の高い商品はしばしば見慣れないことによる抵抗感が高く初期の広まりに難点が多いが、パッケージを通常ののど飴に似せるなど龍角散のもつ高い知名度を全面的に活かす形で展開することで初期の抵抗感も下げることが可能となる。【そもそも実現可能なのか?どれほど効果があるか?】生産設備としても飴という共通性から既存商品の設備がある程度そのまま利用可能であり、十分な実現可能性の下、これまで相対的に売上が低かった夏場においても需要を喚起し売上のより安定的な向上に資することが期待できる。

以上が実例を用いた良い回答のポイント解説になります。
実際の面接でも同様の基準で評価されていることが多いです。そのため、初めはケースマッチでたくさん問題を解き、良い回答を参考に実力をつけていくと良いと思います!

最後に

皆さんがケース対策/GD対策をする上で、本記事が有益なものになることを願っております。
今後ともCaseMatchをよろしくお願いします!

最後までお読みいただきありがとうございます!

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