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エンヌラボの小窓から'2021#010

 皆様こんにちは、2週間ほどマリエンバード関連でお休みをいただきましたエンヌラボですが、今日から首都圏の緊急事態が明けるまではまた細々不定期に更新していこうと思います。
 さて本日はこちら:

 グリエール作曲 2つの小品Op.99より第1曲「左手のための即興曲」でした。グリエールは帝政ロシア時代のキエフ生まれ、キエフ音楽大学は今日もグリエールの名を冠しています。この曲はタイトルの通り左手のみで奏される曲です。

 左手のためのレパートリーというのは、思いつくだけでもブラームス編のバッハ「シャコンヌ」、スクリャービン「左手のための2つの小品」、ラヴェル「左手のためのピアノ協奏曲」、プロコフィエフのピアノ協奏曲4番などがあります。私はラヴェルの左手の協奏曲がとっても好きで、とっても弾いてみたいけど、今生ではどうも縁がなさそうだな。
 とりあえず今日のグリエールは今挙げた曲よりは取り組みやすいと言えると思う。

 右手の故障を機に左手の作品に取り組むようになるピアニストもいます(先程挙げた曲たちも、作曲のきっかけは懇意にしているピアニストが右手を怪我したとか、戦争で右手を失ったという経緯で「左手のピアニスト」たちに献呈された作品でした)。留学時代に出会った、とても才能に溢れた若いロシア人男性ピアニストが右手を怪我し、回復までの間にあったコンサートで披露したラヴェルの左手の協奏曲はもうただただ圧巻で今でも忘れられない。左手は雄弁。
 そして左手のための作品といったら舘野泉さん「左手の文庫」のことにふれないわけにはいきません。これまでどれだけのすばらしい左手の曲が舘野さんのために書かれたことか…。ここでは敢えて仔細は記しません、どうぞリンク先「左手の文庫」のページをご覧ください。

 それでは皆さん、まだまだ抜かりなくうがい手洗いヤクルトしてますか?身体を大事に、少しでも心が晴れやかになるようなことがあるように願って、今日は筆を置こうと思います。また次回!

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