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介護福祉士国試対策(7)人間の尊厳と自立

今回から文字数多めです❗ ゆっくりお読みください😊😊
▼本日は『人間の尊厳と自立』という科目をとりあげます。この科目で出題される問題の多くは、ほかの科目でも出題される可能性があります。
▼まず、『人間の尊厳と自立』の出題基準(公財社会福祉振興・試験センターをからどうぞ)をみましょう。表の右側に「小項目(例示)」という欄があり、ここが具体的な出題範囲となります。

▼ほとんどの内容は、『社会の理解』『介護の基本』『認知症の理解』『障害の理解』でも出題される可能性があります。「ノーマライゼーション」はこの科目に集中させて暗記、「自立」はこの科目に集中させて暗記、「QOL」はこの科目に集中させて暗記・・・のように、それぞれの項目をどこかの科目に集中させて学習、暗記するとよいでしょう
▼そこで、このページでは出題基準のうち

  ・「人間の尊厳」
  ・「利用者主体」
  ・「人権思想・福祉理念の歴史的変遷」
  ・「人権尊重」
  ・「自立」
  ・「権利擁護、アドボカシー」

をとりあげ、それぞれどんな出題パターンがあるのかを整理しててみます😊
▼例題の末尾には、出題された科目名と問題番号(「17-74-A」とは第17回問題74選択肢Aのことです)をつけています。また、問題の解答はわざと示していません。見ているだけでは身につかないからです。きびしいようですが、面倒くさくても、いちいち調べて理解、暗記するようにしましょう。



1.「人間の尊厳」をめぐる問題の出題パターン


(1)常識的な問題:

例)要介護者の尊厳の保持を重視して日常生活を支援する。(介護概論17-74-A)

(2)人の尊厳や自尊心を傷つけるような介護方法をいましめる問題:
例)
認知症高齢者に対しては、子どもをしつけるように,悪いことと良いことの区別は厳しく教えるべきである。(老人・障害者の心理14-47-1)
例)知的障害者に対しては、子どもに接するようにかかわる。(障害の理解27-91-2)
例)退所したいと訴える利用者の精神の安定を図るため,精神安定剤を服薬してもらう。(介護の基本28-26-1)
👉誤りを訂正する、厳しく教える、子ども扱いする、身体を拘束する、物を勝手に処分する、精神安定剤を飲ませるなどのパターンがあります。
👉とくに認知症高齢者を題材とした短文事例問題が多いです。

2.「利用者主体」をめぐる問題の出題パターン


(1)常識的な問題:
例)
介護過程では、介護従事者の価値観に基づいて状況を判断する。(介護概論14-77-C)
例)生活支援では、支援者の価値観を優先して支援する。(生活支援技術28-41-1)

(2)利用者主体が「利用者のあらゆる要求をかなえる」ことを意味しないという問題:
例)
利用者の主張や要求は、すべて実現することが大切である。(介護概論13-65-B)
例)訪問介護員は利用者の意思を尊重し,何でも要求通りの生活援助を行う。(形態別介護技術18-108-C)

(3)利用者と家族の意見が対立する場合の対応のあり方を問う問題:
例)利用者と家族の意思が異なる場合は,内容にかかわらず利用者の意思に従う。(介護概論14-76-D)
例)利用者と家族の意見が異なるときは、家族の意見を優先する。(コミュニケーション技術29-27-5)
👉短文事例問題として出題されることが多いです。
👉両方の主張をよく聴く、というのが正答となります。

3.人権思想・福祉理念の歴史的変遷をめぐる問題の出題パターン


(1)日本国憲法でうたわれている権利の種類・内容を問う問題:
例)
朝日訴訟で焦点となった日本国憲法第25条が規定する権利として、正しいものを1つ選びなさい。(人間の尊厳と自立27-1)
  1 参政権
  2 自由権
  3 請求権
  4 生存権
  5 平等権
例)日本国憲法第25条で定められている権利として,正しいものを1つ選びなさい。(社会の理解30-8 →事実上27-1の再出題である)
  1 幸福追求権
  2 新しい人権
  3 思想の自由
  4 財産権
  5 生存権
👉日本国憲法は、人権という側面では第13条幸福追求権、第21条表現の自由、第25条生存権が重要です。また、自由権や社会権など、憲法でうたわれている権利の種類を調べておきましょう。
👉日本国憲法は『社会の理解』でも出題されることがあります。

(2)国連が定める人権規定の内容を問う問題:
例)世界人権宣言第1条では、すべての人間は生まれながらにして自由であるが、その尊厳と権利においては時代的、国家的制約を受けることがあると明記している。(社会福祉概論18-1-A)
例)障害者の権利宣言には、障害者はその障害の原因、特質及び程度にかかわらず、同年齢の市民と同等の基本的権利を有すると規定されている。(障害者福祉論11-17-1)
👉国連の人権規定が『人間の尊厳と自立』で出題されたことはありません。これらの要点は『社会の理解』で学習するとよいでしょう。

4.「人権尊重」をめぐる問題の出題パターン


(1)常識的な問題:
例)
介護従事者は、要援護者の安全である権利、知る権利、選ぶ権利、意見を言う権利などを尊重して援助する。(介護概論5-72-A)
例)介護従事者としての心構えとして、利用者の意思を尊重し,見守り,支えていく。(介護概論21-74-4)

5.「自立」をめぐる問題の出題パターン


(1)常識的な問題:
例)
介護は,利用者の日常生活の自立に注目する。(介護概論4-72-C)
例)自立への適切な支援は利用者のQOLを高め,日常生活を快適にする。(介護概論10-69-A)

(2)自立はADL(日常生活動作)の自立だけではないことを問う問題:
例)
自立のための支援とは,身体的自立に限定した援助のことである。(介護概論19-75-A)
例)自立支援の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。(生活支援技術29-35)
  1 対象者は、介護保険の要介護3以上の人に限られること
  2 対象者は、意思表示のできる人に限られること
  3 ADLを回復すること
  4 経済的自立を目指すこと
  5 自己選択・自己決定を支援すること

(3)自立とは「自分ひとりで全てをすることではない」ことを問う問題:
例)
生活支援は、利用者が一人で生活行為ができることを目的として行う。(生活支援技術26-41-4)
例)自立とは,他者の支援を受けないことである。(人間の尊厳と自立36-2-1)

(4)食事介助における自立に関する問題:
例)
左片麻痺があって食器が持てない人には、必ず食べさせる。(介護技術6-80-A)
例)食べこぼしが多い利用者には、こぼさないように全介助する。(介護の基本34-18-2)

(5)福祉用具における自立に関する問題:
例)
福祉用具は、高齢者や障害者の日常生活の自立を支援し、QOLを向上させる。(介護技術14-83-1)
例)福祉用具は、利用者の自立を支援するためのものであり、介護者の負担を軽減するためのものは含まない。(介護技術17-91-A)

(6)日本介護福祉士会倫理綱領における「利用者本位、自立支援」の内容を問う問題:
例)
自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提供する。(社会福祉概論17-6-A)
例)「倫理綱領」では、利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提供することとしている。(社会福祉概論20-5-3)
👉日本介護福祉士会倫理綱領が『人間の尊厳と自立』で出題されたことはありません。日本介護福祉士会倫理綱領の内容は、『介護の基本』でくわしく学習、暗記するとよいでしょう。

(7)その他:
例)
次の記述のうち,介護を必要とする人の自立についての考え方として,最も適切なものを1つ選びなさい。(人間の尊厳と自立36-2)
1 自立は,他者の支援を受けないことである。
2 精神的自立は,生活の目標をもち,自らが主体となって物事を進めていくことである。
3 社会的自立は,社会的な役割から離れて自由になることである。
4 身体的自立は,介護者の身体的負担を軽減することである。
5 経済的自立は,経済活動や社会活動に参加せずに生活を営むことである。
👉この問題は、「精神的自立、社会的自立、身体的自立、経済的自立」がそれぞれ文字どおりの意味であることを理解していれば解答できます。

6.「権利擁護、アドボカシー」をめぐる問題の出題パターン


(1)アドボカシーの意味を問う問題:
例)
アドボカシーは、全人間的復権を目標として、医学、教育の分野によって構成される。(社会の理解24-7-4)
例)利用者の意思を代弁することを表す用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。(人間の尊厳と自立32-2)
  1 インフォームドコンセント
  2 ストレングス
  3 パターナリズム
  4 エンパワメント
  5 アドボカシー
👉これらの問題は、「アドボカシー(advocacy)」の意味を知っていれば解答できます。

(2)日本介護福祉士会倫理綱領における「利用者ニーズの代弁」の内容を問う問題:
例)
次の記述のうち、日本介護福祉士会倫理綱領に記載されていないものを1つ選びなさい。(介護概論19-80)
  1 利用者本位、自立支援
  2 専門的サービスの提供
  3 記録の開示
  4 利用者ニーズの代弁
  5 後継者の育成
👉日本介護福祉士会倫理綱領が『人間の尊厳と自立』で出題されたことはありません。日本介護福祉士会倫理綱領の内容は『介護の基本』でくわしく学習、暗記するとよいでしょう。

▼本日はこれにて終了です❗ お疲れさまでした😊😊

⭐⭐⭐次回は『コミュニケーション技術』です。よい週末を⭐⭐⭐

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