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飲酒してたらお店が燃えた話

こんにちは!生きててよかった!
caretです。

突然ですが、演奏会に出演する前日に会場近くに前乗りして飲酒してたら、お店が燃えました。

事の顛末と、お店が燃えた時にどうしたらいいか、注意喚起のために、すこしnoteを書こうと思います。結論から言えば、結構死にかけています。

お店選びで運命が決まる!

さて、演奏会のリハーサルが、演奏会の前日に同じホールでありまして、それが夜の時間帯だったので、自分は演奏会の開催されるホールの最寄駅にホテルをとりました。ホテルに着いて、まず楽器を、オーボエとイングリッシュホルン、舞台衣装などの荷物を置き(ここがまず一つ目のラッキーなポイントでした)すこしひと段落してから、夕飯を食べに夜の街へ繰り出します。

というわけで夜の街に繰り出しますが、このときまあお店を選びます。ホテル周辺には吉野家…いやここまできて吉野家はどうか、餃子のダンダダンもある、いやここもちょっと、といろいろ選んでいたのですが、ホルモン屋さんと居酒屋が隣同士で併設されている、とあるビルを見つけます。

構造としては、ビルの右手にホルモン屋さん、壁を隔てて左手に居酒屋のあるビルで、その上の2階と3階と4階が全部キャバクラというビルでした。まずはこのビルの構造を覚えてください。

ここで「ホルモンは一人だとちょっとなあ」と思い(結論から言えば燃えたのはこのホルモンの店なので、ここが二つ目のラッキーなポイントというか、人生の転機です。)ビルを前に左手にある、居酒屋が定食もある、ビールもある、そしてタバコが席で吸える。と、理想的なお店をそこで見つけ、入ることにします。

定食とビールを注文する


ここでお刺身定食と、ビールを頼みます。
ビール、すぐくる。

ついでに頼んだ、きゅうりの味噌のやつ、来る。

すこしビールを飲んで、半分くらい飲んだ頃、そしてタバコを吸った頃、お刺身定食が来ます。

このお刺身定食、マグロも良いものを使っており、エビも画像のようにかなり大きく、かなり満足してしまいました。お店さえ燃えなければ本当にオススメの店だったんですが。


定食、食べ終わる。
目の前の刺青の入った輩のようなお客さんが刃牙の話をしているのを聞きながら(ひとりなので)Twitterをしつつ食べていたのを思い出します。

あと、店員さんが全員外国人で(これが後々かなりの問題を起こす)日本語での意思疎通が難しい状況で、何度も注文を聞かれるので、メニューを指しながら「これ!生中!生ビールね!あとお刺身定食、これひとつ!」と何度も言って注文をしました。

火災報知器が鳴る

ビールを飲んで、2杯目を頼み、「まあここでマグロのカマ焼き、美味しそうだから頼んでみようかな」と思いオーダーを通したあとくらい、ここで、火災報知器が鳴ります。

このときは別の建物とかかなあ、とは思っていました。だがそんなことはつゆ知らず、残念、燃えてるのはこのビルでした。

ここで店員、外を確認しに行きます。
とりあえずワイ、ここでタバコを吸う。

戻ってきた店員が「火事だ」と言いますが、よく聞くと「隣のビルが火事だ」と言っており、このビルではないようだ、とは思いました。だがさすがに次の日は演奏会だし、ホテルも近くなので楽器を燃やすわけにはいかないので、逃げる準備はここから少しずつはじめていました。

そして、店員さんが何度か外に出て様子を見て、ほかのお客さん(こいつら…いや、このお客さん、も、後に信じられないことをします)も、「隣のキャバクラが燃えているらしい」という話をしています。
ここで少し他のお客さんと話す。やはり、隣のキャバクラが燃えている、とのこと。

ちなみにですが、この「キャバクラが燃えている」というのは完全に誤報で、実際に燃えていたのは隣にあったホルモン屋さんだったのですが、なぜ第一報で店員さんはそこを間違えたのか…というのは少し今にして思えば、不思議なところです。要は、この当時、登場人物が少ないにも関わらず、情報がかなり錯綜している状態になっていました。

でも今冷静に考えたら、キャバクラって料理もそんなしないでお酒とかだけだろうし、そんな燃えるような要因あんま無さそうな気がする。キャバクラ、入ったことないけど。

ラストオーダー事件


そして、店員さん、テーブルに来る。
すわ、火事だから避難しろとでも言うかと思うと、信じられないことを言い出します。

「あと5分でラストオーダーのお時間ですが、なにか頼まれますか?」

冗談じゃない。

誰が頼むか。

と思いつつも「あ、いいですー」と平静を装い対応。
(ついでに、お会計のお金をチェック。5000円札、ある。これ出して逃げよう、と思う)なぜかここでタバコを吸う。

そのあと、隣にいる4人組のお客さんにも「ラストオーダーいかがですか?」と聞く。

そこで信じられない言葉が飛び出す。

「緑茶ハイひとつ!」

は?

正気か?

人生のラストオーダーになりかねんぞ?

正気か?


マジでこれ。


火事が起きているのに謎の通常営業を続け、ラストオーダーを聞きに来る店員も店員だがそこで緑茶ハイを追加で頼む客も客だ。さすがに「この店はおかしい」と思い、速攻で出ることにしました。頼むから危機感を少しでも持ってくれ。と心の中のジョージが囁きます。センキュー、ジョージ…

だが気になるのは、先ほど頼んでしまったマグロのカマ焼き。いやいや、マグロのカマ焼きどころじゃない。このまま待っていたらカマ焼きになるのはマグロじゃなくて俺だ。生きて帰ったらマグロのカマ焼きなんていくらでも食べられる。

というわけでここでお会計。
お会計は4400円とのこと。(よく考えたらこの状況でよくお会計するなと思うが)5000円札、出す。おつりは600円(よく考えたらおつりなんかもらってる場合ではない)

店員がおつりの600円を出すのをやたらもたつく。(600円なんていいだろ!そんなん!)

ようやく、そして、少し小走りに店を出る。

脱出成功、そして…

脱出すると、ビルの外にたくさんの警察と野次馬。ここで驚愕の事実に気が付きます。

情報が錯綜してましたが、はい、そうです。隣の店が燃えてました。

偶然、別の方がこのときの様子を撮影されていましたので、こちらのツイートを転載させていただきます。(許可済み)

マジでこんな状況でした。

そして外に出て(普段ならここでGet Wildでも流すところだが、そんな余裕もない。)爆発とかすると嫌なので、別の区画まで逃げました。おそらく、燃える店を背に歩くこの今が、俺の人生で一番Get Wildが似合う瞬間だったと思う。でもそんな余裕なんてないです。なんかあったときにGet Wildを流しながら歩きたい人に言いたいけど、そんな余裕、ないからね!その場から逃げることよりもGet Wildは行動として優先順位が低いです。(経験者は語る)

そのあと、消防車が来ました。(目撃してた人に聞くと消防車が6台来たそうです)とりあえず脱出は成功したものの、あれ、これヤバいんじゃね?という気にここではじめてなったのと、次に心配したのはホテルへの延焼と、ホテルに置いた楽器のことでした。すぐ、ホテル戻る。(この最中に楽器を持って逃げられなかったら…と考えると、ホテルに楽器を置いて食事に行ったのはラッキーでした。)

ちなみに、その翌日に演奏会に出るメンバーが近くの日高屋から通り過ぎる消防車を見ていたり、ドンキに明日の演奏会に使う道具を買いに行きたいけど火事だからどうしようと言ってたり、消防車を各所で目撃されてるメンバーがいたらしいのですが、まさかそのとき通った消防車のすべてが、翌日その同じ演奏会に出演するメンバーであるcaretさんのもとに向かっているとは思ってはいなかったでしょう。よくある、救急車が通ったら言われる「お前迎えにきたぞ」の、本当だったパターンです。

ホテルに戻った後に無事だったことをとりあえずツイートする。(ツイ廃なので)

ツイ廃はまずなにかあったらTwitterで報告をします。一応、楽団のDiscordにも無事を報告しました。

ツイートをしたらホテルで延焼しないことを確認して、お風呂に入ってようやく寝る…つもりだったが全然眠れず。よく考えたら直前に死にかけてるんだからそんな状況で眠れるのはソリッド・スネークとかだけです。

そしてこのあと、「同じビルで、しかもビルの壁ひとつ隔てた隣のホルモン屋さんが燃えていたことをニュースで知る」というイベントが待っていましたがこれはまた別の話です。

注意喚起編

とりあえず生きてましたが、次の日の演奏会では、会う楽団のメンバーに(楽団の外の人もいましたが)生きててよかった!とことあるごとに挨拶をしていました。そりゃそうです。燃えてるんだから。みなさん心配してくれましたが、無傷です。燃えてしまったお店のぶんまで演奏もできました。ただ、何人かの人が「俺がネットで炎上した」と思った人がいたのでそこはアンジャッシュのコントみたいなすれ違いが生じていましたが、燃えたのはリアルなので誤解は解けました。

まず注意喚起としては「お店が燃えたらすぐ逃げる!」という当たり前のことに終始したことしか言えないのですが、この話には危険だったポイントがいくつかあります。

まず、「店員が日本語話者ではなかった上になぜか危機感を持っていなかったため、自分を含むお客さんとの間で意思の疎通ができていなかった」という点。

そして「それにより正常性バイアスが働いてしまっていた」という点、でした。

まあ火事の中店員さんがラストオーダーをとってきたところ、それに対して緑茶ハイを頼んでいる奴がいたことは、今にして思えば一種の笑い話ですが、死んでたらかなり笑えない話です。

普通に隣の店が燃えてて消防車も出てるんだから普通は逃げるべきで、自分はダッシュで逃げましたがそのあとのことは何も見ていませんでした。(今にして思えば、店員と緑茶ハイのお客さんに、逃げろと言えばよかったのかもしれませんがそこまで気を回せませんでした…自分はヒーローにはなれませんね)

まあ「火事になったらすぐ逃げろ」というのは教訓として残しておきたいです。当たり前のことだろと思うかもしれませんが案外人間、それはできません。

だから、すぐ、逃げろ!というのは繰り返し言います。

ただ正直、お酒を飲んでたらお店が燃えるなんて防ぎようがない出来事なので、これはもう運、でしかないです。

だから、お店燃えたらすぐ逃げろ!と言うのは、教訓として残しておきます。

人生のラストオーダーになるぞ!すぐ逃げろ!

現場からは以上です。ご清聴ありがとうございました。

おわりに

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