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【 Care’s World case 11 自分自身を整え、妊娠前から育児まで楽しい日々を送れるライフサポートを 〜 燈 tomoshibi 中野なぎささん 〜 / -前編- 】

“ケアすることは、生きること”

そんなテーマでお送りしているCare’s World。

今回の主人公は、中野なぎささん。

腸内細菌予防医学に基づいた「食育×体質改善×暮らし」をテーマに妊産婦・ワーキングママへの家事支援、重ね煮教室、ファスティングなどの事業を行っています。

そんななぎささんから、現在のお仕事に至った背景から伺っていこうと思います。

Care’s Worldについてはこちらから。


写真提供:燈 tomoshibi

♢聞き手:山之内 せり奈( 看護師/結庵-むすびあん-)
♢話し手:中野 なぎさ( 燈 tomoshibi / 助産師 )
♢撮影・執筆・編集:上 泰寿( Care’s World / ケアの編集者 )
♢インタビュー場所:あいなか~4丁目の家~

誰もが安心して出産に臨めるように

なぎさ:私は『燈 tomoshibi』の屋号で家事支援の仕事をしています。助産師の資格があるのですが、敢えて屋号には助産院とは入れていません。それは、助産院=産前産後のお母さんだけ、というイメージがあるからです。産前といっても妊娠してからというわけではないですし、産後も出産してからすぐというわけでもありません。産前は月経前から、産後は一生産後だと考えています。

そう思った一番のきっかけは私自身が長男と次男の出産の際に切迫早産(※)を経験したことでした。次男の子どもを出産するとなった時は「私が入院したら、長男は誰が面倒を看てくれるのだろう?」「夫は仕事で忙しいし、実父母にも迷惑をかけられない…」と思ったんです。家族に負担をかけないように、鍼灸院に通ったり、食事療法を教えてもらって、自宅で過ごすようにしていたのですが、私も家族も疲弊してきて。

そこで、プロの人に家事支援をお願いできないか検討しました。でも、誰でもいいわけではありません。知識や技術があっても、信頼する人にお願いできないと不安だったんです。結局、信頼できる人を見つけられず、自宅で頑張って過ごしていました。そんな過去の自分を救ってあげたいと思ったのが始まりです。

(※)赤ちゃんが早く生まれる危険性の高い状態のこと。日本では、妊娠22週から36週6日までに生まれた場合を早産と呼ばれている。

燈 tomoshibi 中野 なぎささん

なぎさ:切迫早産は体質からくるものだとずっと思っていました。しかし、そうではなく、私の今までのライフスタイルが体質に影響していると気づいたんです。それが次男の妊娠期間中でした。そこでまず食事の中身を変えることにしました。

元々病院に勤務していたのですが、忙しさに追われて、コンビニの弁当ばかり食べていたんです。それを無添加のご飯やおかずに変えて食べていると、体調がそれまで以上に良好になってきました。

そんなある時、久々にコンビニのお弁当を食べたら、気持ちが悪くなって吐いちゃったんです。「赤ちゃんは“嫌だ!”と言っているんだ」「長男もお腹の中でそうだったんだろうな」と思い、さらに食事に対する意識が強くなりました。

大事なのは材料ひとつひとつの質。見た目は同じでも育った環境は違います。安ければいいものではありません。食事の他にも、姿勢にも気をつけました。骨盤ケアのプロの方に相談をして、姿勢改善にも努めました。病院に聞くまでもないけど、心配なこともあると思います。そんな時、気軽に相談ができる人が一人でもいると、安心して出産に臨めるんだと感じました。

写真提供:燈 tomoshibi 家事支援の様子

妊娠前から体も環境も整える

なぎさ:長男の産後は精神的にも病んで、体調も安定せず、退院し自宅に戻ってから1~2ヶ月は何もできませんでした。家族に「ごめん」と言って、ご飯を作ってもらって、布団から出れない日々が続きました。長男は34週(9ヶ月)の早産児で体重も約2000gと小さかったので、成長発達もゆっくりでした。あと3週間お腹にいてくれたら、成長発達も違っていたと思います。お腹で育つ赤ちゃんの1日1日はとても尊い。そう感じます。

振り返れば、私がコンビニのお弁当ばかり食べていたことが影響していたかと思います。赤ちゃんは、私が食べたものが血液となって、その血液で育っているから、栄養があまり流れていかなかったのかもしれません。

その反省から、食を意識して生活していると、私の体調も良くなりましたし、長男のアトピーも改善したんです。さらに、次男は元気に生まれてきてくれました。その時、気づいたんです。「私の体も環境もきちんと整えて、そんな状況で育ったから元気になったんだ」「出産してから考えるのではなく、妊娠中に気をつけることを妊娠前から知っておくことが大事なんだな」って。それを長男と次男から教えてもらいました。

なぎさ:体質改善については何歳からでもできますし、真面目に続けたら必ず効果は出ます。昔から「腹八分目まで」「よく噛んで食べる」「お肉を減らす」「野菜を摂る」と言われていますよね。他にも、調味料に気をつけて添加物を抜いたり、物産館で旬の野菜を買うだけでもいいかなと思います。

私が皆さんにお伝えしているのは、今の食事からNGなものを抜いていく食育です。抜いていくだけなので、お金もかかりません。その知識を身につけて続けてもらえたら、大ごとにならないですし、何かあった時に切羽詰まることもないと思います。

何もない時に、少しずつ。それが大事です。やるか・やらないかだけでも全然違います。「知っている」だけの人と「知っていて、それを行動に移す」人の差はかなり大きいです。教えている立場ですが、私自身「知っている」だけの部分もあるので、お母さんたちとゆっくり成長していけたら嬉しいです。

今、腸活をテーマに講座を開いていて、腸を整えると全身に良い作用が生まれます。体の仕組みを学び、自分自身の操縦の仕方を知るのも一つの体質改善です。

写真提供:燈 tomoshibi  重ね煮

自分で自分を幸せに

なぎさ:病院では病気の治療をしてくれますが、それだけでは根本的な解決にはなりません。原因は人それぞれ。育ってきた環境も違えば、生活環境も違います。だから、そういう部分も含めてみないといけない。看護学校に通っていても、病院に勤務していても、人体や病気に関する知識はあっても、バラバラな感覚がしてうまく繋がりませんでした。

今、予防医学について学んでいると、点と点が線になって全てが繋がってきました。それがとても面白いんです。心に関する勉強もしていて「何をやりたいのか、やりたくないのか」「何のために働いているのか」にフォーカスしています。心の中で「きついから仕事を辞めたい」と思っても、将来を不安視してその選択ができない人も多いと思います。

もちろん、家庭があればその選択をすることが難しいこともわかっています。その中でも「自分がどうありたいか」を考えることは大事です。それが充実すると、イライラすることも少なくなりましたし、子育ても楽しくなってきました。以前の私なら、お昼ご飯を後回しにして仕事をしたり、母であるがゆえに子供のことを先回しにしたりして、うまくいかないことも多かったと思います。

なぎさ:今年の私のテーマは「自分で自分を幸せにする」ことです。妊娠と出産を健康に過ごせて、赤ちゃんも元気に育ってくれたら、お母さんであることを楽しむことに繋がると思うんです。そのために、いろんな話を聞いて、自分のオリジナルな調整ができるようになってほしい。自分の生活は自分でしかわかりません。人の話はあくまでも参考であって、全部真似ができるわけがありません。それは、置かれている状況が人ぞれぞれだから。

私はこの2~3年で「全部しよう」から「できないことは手放す」ようになり、それが今の安定した状態に繋がっています。昔は、人の目を気にして、周りに合わせた選択ばかりしていました。そして、忙しさを言い訳に自分と向き合おうともしませんでした。

そんな人って、私以外にもきっとたくさんいると思います。違和感を持てても、そこから行動するまでもですし、その行動が思い描いたものに近づけるまでも時間がかかります。その時間ってとても辛いものかもしれないけど、それが自分の可能性を無限大に広げるものになるんだと私自身の行動で気づくことができました。

写真提供:燈 tomoshibi  家事支援先とコミュニケーションをとる様子

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●基本情報
屋号:燈 tomoshibi
SNS: https://www.instagram.com/tomoshibi.mw/
その他:公式LINEはこちらから
https://line.me/R/ti/p/@367blonl

今回の取材場所となった"あいなか~4丁目の家~”(iがずんばいnishiisikiの活動拠点)は鹿児島市の北部・伊敷団地にあります。これから先の50年…100年と暮らしが続いていく中で、ひとりでも多くの人が安心して暮らせるように、きっかけづくりをしています。

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Care's World事務局
E-mail: cares.world1518@gmail.com [玉井・山之内・上]

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