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保育の園内研修を360度グルっと解剖してみた1冊


園内研修の位置づけ


 保育者の皆さんは、「園内研修」と聞いてどのような印象をおもちですか?「保育所や幼稚園の職員研修でしょ」という感想が大半かと思います。
 『保育学用語辞典』によると、園内研修とは「保育施設(園)をその場所として、主としてその園の職員が行う研修の総称。」とあります。保育所保育指針でも「日常的に職員同士が主体的に学び合う姿勢と環境が重要であり、職場内での研修の充実が図られなければならない。」と明記され、その重要性が示されているところです。


園内研修の課題


 指針に書かれているぐらいだから、園内研修はどの園でも行われていて、成果も十分に上げているのだろう、と思われるかもしれません。確かに研修自体は行われていますが、子ども主体という視点で考えると、現在の園内研修は十分な成果を上げているのでしょうか。
 全員揃うのは難しいから常勤だけの参加だったり、諸連絡を伝達するだけの研修になっていませんか?
 中央法規出版の新刊「学びが広がる・深まる 園内研修でもっと豊かな園づくり」は、こうした園内研修の課題やあり方を10年以上研究してきた研究者らの英知が詰まった1冊です。


4部構成で園内研修をぐるっと解剖 


 10年以上の英知が詰まっているだけあって、本書の総頁は300頁を超えます。園内研修の意義から始まり、参加者の学び、広がりまでをまとめた第1部「園内研修における学びのプロセス」、継続的な参加を可能とする工夫が詰まった第2部「園内研修の知恵と工夫」、リーダーシップを掘り下げた第3部「学びあう園のリーダーシップ――園内研修を支える教育のリーダーシップ」、自治体や養成校を巻き込んだ第4部「園を超えて学び合う」という構成です。

書籍の構成


読み方・使い方の提案


 それでは、このような園内研修を網羅した本をどのように読んで、活用すればよいのでしょうか? ここでは、担当編集者としていくつか提案したいと思います。

  1. 自園の抱える課題の研究をつまみ読み

  2. 第5章の14園の実践の工夫を自園の取り組みの参考とする

  3. 知り合いの園長に贈呈する

 園内研修というと、園単位、クラス単位で考えるもの、と思われますが、1人がきっかけとなり、クラス・園に波及していくという考え方もあります。本書で園内研修を解剖して、自園の質の向上に役立てていただければと思います。

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