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駐在妻インターンってどんな人?【第9期vol.2 ともかさん(ベトナム在住)】

2024年2月、第9期インターンではアメリカ、ノルウェー、インドネシア、ベトナム、オーストラリアから参加の駐在妻が加わりました。9期駐在妻インターンメンバーへのインタビュー第2弾は、2023年1月からベトナムに駐在帯同中のともかさんのご紹介です。

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【ともかさん/お仕事プロフィール】
大学卒業後、住宅メーカーに就職。営業職を約6年経験。その後、デザイン業界に進むため、仕事をしながら学校へ通って業界に必要なスキルを習得し、店舗内装のデザイン会社に就職。2022年12月に退職。その翌月からベトナム・ダナンにて帯同生活をスタート。
ボランティアや日本人が集えるイベント企画などをしながら、初めての海外生活を試行錯誤中。

目次


はじめに

PCの画面越しでさえ伝わってくる、真面目でおしとやかな印象のともかさん。しかし趣味が旦那さんとのアウトドアであったり、バックパッカーとして世界中を一人旅したり、日本では休日によく鴨川沿いでピクニックをしたり・・・。見た目とは裏腹にアクティブでストイック、そんな魅力あふれるともかさんのストーリーをぜひお楽しみください。

京都の鴨川で夫とサイクリング。ピクニックをしたり、寝転がって本を読んだり。自由な空気がただよう鴨川が京都で一番好きな場所です。

自分を犠牲に、仕事に明けくれる日々

京都で生まれ育ち、帯同前も京都に住んでいたともかさん。これまでの仕事について教えてください。

新卒ではハウスメーカーにて営業を担当。もともとインテリアや建築が好きだったことに加え、「家に愛着を持ち、自分で育てていく」という北欧の文化を日本へ根付かせるとの会社の理念に感銘を受け、入社を決めました。しかし現実は決して華やかなものではなく、毎月ノルマに追われ、オフィスである住宅展示場で朝を迎えることもしばしば。それでも仲間と共に歯を食いしばって働くも、6年で限界を迎え、心も体も収入的にも不安定なこの仕事を手放すことに決めました。そして1年間、自らを取り戻すための”ギャップイヤー”を設けることにしたんです。

気付きを求め、あらゆることに挑戦

仕事を辞めることを決めるのには相当な勇気がいったことでしょう。もちろん、向上心があってのことだと思います。ギャップイヤーについて詳しく教えてください。

「私は何がやりたかったんだっけ」
この当たり前とも思える、自分への問いかけが全くできていなかったことに気が付きました。働く環境や人間関係には恵まれていたものの、周りに流されるままに過ごしてしまった6年間。心身が疲弊する中でも明確に、「このままではだめ」ということだけは分かる。
そこでもっと自分と向き合い、何かを見つけるために、バックパッカーとして一人、世界へ飛び立つことにしました。28歳の時でした。

沢山の人に出会ったバックパッカー旅行中の写真。ナイル川に足をつけて夕涼み。

思い悩んでとどまらずに、すぐに行動に移せるともかさんは、大胆かつ好奇心旺盛な面もお持ちなのですね。旅行先では何か出会いはありましたか。

様々な国で色んな人や文化に触れ、心が癒されました。
なかでも一番心に残っているのはマルタで通った語学学校。たまたま同い年のクラスメイトが多かったのですが、新しいキャリアに挑戦しようとしていたり、30歳を手前にして大学に通おうとしている人たちがいて刺激を受けました。その他にも、旅をしながら生活している40~50代のご夫婦や、ヨーロッパで働くために語学を必死に学ぶアルジェリア人など、日本人も含めて様々なバックグラウンドを持つ方々と出会うことができたんです。
私はこれまで、人生の道はまっすぐ歩くのが普通だと思って生きてきました。
しかし、人生は一本道とは限らないし、何歳になっても新しいことに挑戦したっていいんだ!ということを教えてもらった気がしています。

人生観が変わる貴重な出会いをされたのですね。
しかし退職によるキャリアの分断に不安を感じることはなかったのでしょうか。

はじめからギャップイヤーは1年だけ!と強く心に決めていました。
職歴に間が空くことに不安がなかったわけではありません。しかしそれ以上に自分軸がないまま、この先のキャリアを積み重ねていく方が怖いと感じていたんです。なので旅行にいく傍らで、次のキャリアへの想いは常に持ち続けていました。
母のようにいくつになっても安定した生活が見えている職業を目指すか、あるいは自分が好きなインテリア系を極めるかなど・・・
散々悩んだ挙句、やっぱり好きな方を選ぶことにしました。この選択には旅先での出会いも少なからず影響しています。そして、これまでのキャリアで得た営業スキルに加え、CADやイラストレータなどの実務的なスキルも身につけるため、専門学校に通い始めました。
その後偶然にも、ずっと行きたかった会社から内定をいただくことができたのです。

「好きな仕事」なのに幸せじゃない私

すごい! ブランクを経て成長した自分をすぐに社会から認められたということですね。選んだ道は間違っていなかった、自分への自信にもつながったことでしょう。実際の仕事はどうだったのでしょうか。

念願の会社では、プロジェクトマネジメント、意匠設計、施工管理、アフター対応までクライアントとの空間づくりに一貫して携わることができました。しかし全てに関われることに喜びとやりがいを感じる反面、自分が一つでも間違えたり、遅れることがあったら、全てを狂わせてしまうというプレッシャーと常に戦っていました。ベンチャー気質の会社だったので、入社当初から様々な経験をさせてくれ、チームというよりは個人に裁量を任せてくれるといったスタイルだったんです。それでも、「自分が夢見ていた世界に飛び込んだんだから」と自分を鼓舞し、必死に働きました。
しかし、私生活では結婚をし、幸せ絶頂なはずのある日。ふと、自分が好きな仕事を手にし、給与や待遇にも満足しているはずなのに、幸せを感じられていないことに気付きます。そして、ほどなくして夫の駐在が決まり、自らの選択を迫られる時が来ました。

逃げ道だった駐在帯同

自らの幸せのために選んだ仕事への疑問を抱き始めた時に、駐在帯同の選択を迫られたのですね。辞めるかどうか色んな考えを巡らせたことと思います。その時の心の内を教えてください。

忙しい日々に後ろ向きになりながらも「キャリアを諦めたくない」「なぜ私が仕事を辞めなければいけないの」「自分が選んだ道なのに」など、仕事を続けたい想いが8割。「結婚してまだ1年なのに今離れるなんて」「夫の念願の駐在をそばで見守らなくていいのか」「なかなかできない経験かも」「面白いことが起きるかもしれない」といった駐在を前向きに受け入れる気持ちが2割。あの時の頭の中は人生で最も、と言っても過言ではないくらいグチャグチャだったと思います。
しかし最終的には「駐在帯同」の道を選びました。表向きの理由は家族の時間を優先すること。ですが、今思えば、自分が選んだのに幸せを感じられなかった仕事を辞めるのによい「逃げ道」だった、というのが本音かもしれません。

想像とのギャップ、オンラインコミュニティとの出会い

人のキャリアの8割は偶然によってできていると言われていますよね。先のことを決めつけずに柔軟な姿勢で臨んだり、好奇心をもって面白いものと捉え、チャレンジしていく姿勢はとても大事なことだと思います。退職を決めてから渡越まではどんな気持ちでいたのでしょうか。

初めての海外移住への期待、ベトナムという国への興味関心で、不安よりもワクワクのほうが上回っていました。
しかし実際に行ってみると、日本人はほとんどおらず、ベトナム語も分からない、夫は仕事が忙しく話を聞いてくれない、お金に自由が利かないストレス、騒音がうるさくてリラックスできない・・・など、想像していた華やかな駐在妻とのギャップに苦しみました
初めの半年間は、毎週なんとなく人と集まってお茶をし、家ではYoutubeでひたすら自己啓発系の動画を見漁る、という生活をしていました。
こうして時間が経過する中で、心の中にぼんやりと「つながりをもっと増やしたい」「待っていても始まらない」「挑戦してみたい」などの想いが湧き上がってきていることに気が付きました。そして友人の後押しもあり、滞在都市のダナンで日本人駐在妻コミュニティを立ち上げてみることにしたんです。
インプットするばかりで、自分から何か発信することに飢えていたのかもしれません。ウズウズせずに「行動」に移す力は、仕事をしていたころから身に付けたいと思っていたスキルだったんです。

ダナンから近い世界遺産の街ホイアン

ボランティアへの挑戦から得たもの

やっぱりここでも行動力がすごい!ずっと仕事をして培ってきた力や前向きなマインドがあったからこそ、だと思います。根っからの仕事人ですね(笑) 活動はコミュニティ作りだけにとどまらなかったとか。

一つ動き出すと、色んなことに挑戦する意欲が湧いてくるようになり、スケジュールが埋まることで、自分がハッピーになっていくのを感じていました。ボランティアを始めたのもその流れで、あるオンラインコミュニティで、海外でボランティアをする方に出会い、自分もやってみたいと思ったんです。
具体的にはシェルターにいる犬猫の保護活動をしたり、日本人学生の補習校のサポーターをしたり、ごみ拾いをしたり・・・様々なジャンルのボランティア活動をさせてもらいました。
ボランティアは活動に参加するだけでたくさんの「ありがとう」をいただけて、社会の役に立っていることを実感できました。
しかし続けるうちに、やっぱり仕事とは違うなと、何か物足りなさを感じるように。
そんな時、たまたま見つけたのがCAREER MARKインターン募集の記事でした。

「駐在妻」のイメージを覆したい

持ち前の行動力で積んだ経験。その中で、自分の人生で大事にしたいことが少しずつ見えてきているのが、話を聞くだけでも分かります。ほかにはどんな理由からCAREER MARKのインターンへ応募されたのでしょうか。

なんとなく面白そう!そんな気配を頼りに、ベトナムへ来て身に付けた「とりあえずやってみよう」精神で応募したインターン。退職して駐在妻になってから、「何やっているの?」と聞かれることに怯えていたので、受かった時には「インターンと言える」と思って少し安心したことを覚えています。何か肩書きが欲しかったんです。
しかし、どんなインターンでも良かったわけではありません。自分がこれまで関わってこなかった新しい分野であり、世界中とつながりながらどこでも働けるオンラインスキルを磨ける。こういった点が今までの仕事では経験し得なかった大きな魅力でした。
さらにこの1年間で目の当たりにした「駐在妻」の古めかしいイメージを、自分の行動で少しでも変えたい!と強く思ったのです。世界の駐在妻に向けた活動をする中で何かヒントを得られる気がしました

帯同・インターンで変えたい価値観

自分のいる国だけでなく、世界の駐在妻とつながれるというのは、帯同中ならではですよね。実際の活動はどうですか。

インターンを始めてまだ1カ月ですが、正直想像していたより大変です(笑)
これまでの仕事では、目の前の仕事に忙殺されるばかりで非効率に思えるやり方に疑問を持たなかったり、やりたいことも先送りしたり・・・「自分で選んだ好きな仕事なんだ」と自分に思い込ませることで、人に任せたり、一緒に議論したり、ちゃんと休んだりができていませんでした。
インターンという立場であることもありますが、時差やフルオンラインなどの物理的条件を前提としたうえでの活動への向き合い方は、自分がこれからの人生において「何を大事にして生きていくのか」を考えるきっかけとなり、価値観を変えるチャンスになるのではないかと思っています。

読者へのメッセージ

最後にこのnoteを読んでいる方へ一言お願いします。

多くの方にとって駐在帯同は期間限定の非日常の時間だと思います。もやもやする時間も、うまくいかなくて悔しい思いをする時間も、懐かしく思う日がきっと来るはず!
駐在妻はこういうものだというイメージをとっぱらって、ご自身にとって快適でハッピーな方向を目指していけばいいのかなと思っています。
私にとって、インターン先輩たちの発信が『インターンという道があるんだ』という一つの気付きになったように、私たちのコンテンツを見てくださるどなたかにとって、何かのヒントにつながるような発信ができれば嬉しいです。

あとがき

好きを信じてひたすらに働いてきたともかさん。しかし自ら望んでギャップイヤーを作ったり、将来のキャリアについて常に考え続けてきたからこそ、偶然に訪れた駐在帯同という機会さえも、自らの価値観を変えるチャンスにする。そんな強い意思を感じ取ることができました。女性のキャリアは結婚や出産など不確定要素が多く、将来像が見えにくいと言われる中、ともかさんの常に前向きで柔軟なスタンスから勇気をもらえました。CAREER MARKインターン同期としてこれから一緒に活動していくことがより一層楽しみになりました!

最後までお読みいただきありがとうございました。

インタビュー・文:
CAREER MARK 第9期インターン 河野 香織
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