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お葬式の心得え

※宗派によって違いがあるので、宗教によっては必要のない部分もあるかもしれません。
親戚の葬式に参列し、それこそうちの葬式の時にはこの故人に色々教えてもらって出したのにその家族は知らなかったんだなということがありました。親や祖父母から聞いておらず意外と知らない人が多いのかもしれないので、ちょっとだけメモを。

今は核家族化で、自分が葬式を出す立場になった人は多くないのかもしれません。
出すのはたとえそれが小さいお葬式でも結構大変です。
だからなるべく周りが気を遣った方が良いです。
でも自分が出したことがないと、どこが気遣いポイントなのか結構みんな知らない。
なので気遣いポイントを少し書いておきます。参考になったらうれしいです。

<お花>

故人が近しい関係の人なら、一番は花。
親族は葬式に「お花」を出します。義務じゃない。
でもだいたい「出しときゃ良かった」「出してよかった」と思います。
※葬式のお花は発注方式です。喪主を通して葬儀屋へ発注します。喪主はあちこちに連絡したり色んな決め事をしたり、身内が亡くなってから葬式まで実は大忙しです。

親族にはだいたい第一報で死去連絡があり(本当に近しい親戚は亡くなる前に「あまり長くない」と連絡が来るので最後の挨拶に間に合う場合もある)、ちょっと間を置き通夜と葬式日程連絡があります。この通夜と葬式日程連絡があった際に「お花を出したい」と伝えるのです。

お葬式を出す側(喪主)は「お花出してください」とは言い辛いし、気が動転しているのもあって死去連絡をする時に通夜葬式にお花を出しますか?とか聞いてきません。周りが思い出さないと、お花がないお葬式になるのです。別に花なんか要らないと感じるかもしれないけど、あのお花は通夜、葬儀と会場に飾られた後、お別れの挨拶の際に親族でお棺に入れます。
だからお葬式にお花が少ないと、妙にお花のないお棺になるのです。
イマドキ、家族葬が増えたので余計にお花を出す人は親族しかいません。
お棺の蓋を閉める時に、お花を入れて蓋をするのと、お花がないまま蓋をするのとでは、送る側の気分が違います。「お花を出せばよかった」という悔いが出ます。
だいたい注文は一基か一対だけど、ケチらず一対で出した方がいいです。
一基の相場が10,000円‐15,000円だから、一対で20,000円‐30,000円くらいしちゃうけど。通夜、葬式の間、祭壇の左右にお花を飾るので、一基だと片側にだけお花が飾られることになりバランスが悪いです。
慣れてない喪主(だいたい喪主は皆慣れてない。しかも昔の田舎と違って近所の世話焼きさんとかいない)だと、一基と一対の違いを知りません。一基は一台、一対はワンペアのことです。
あんまり喪主が気が動転しているようなら葬儀屋と故人の名前を確認して直接葬儀屋へ花を発注した方がいいかもしれません(だいたいどこの葬儀屋さんでも直接受付してくれる)。喪主の負担も減ります。
花は「通夜」に間に合うように出すのが良いです。
喪主にお花を依頼した場合には、金額を確認し、香典と別に「花代」と書いた封筒に花の代金を入れ、通夜や葬式に持参します(要記名)。どちらも欠席の場合には、速やかに現金書留で送ってください。花代は香典の中に一緒に入れられたらまぎれるのでダメ。あと持参する場合にハダカ銭とか絶対ダメです。
香典の他にこの花代を親族が出すのって、葬儀代の一部負担でもあります。喪主以外の親戚で少しづつ葬儀にかかる費用を負担する。それは初七日、四十九日、初盆の香典も同じ。
ちょっとづつ助け合うのです。

故人が自分の同居人の場合でも、例えば祖父母の葬式で、喪主が親など自分以外の場合、自分がそれなりの歳なら花は出した方が良いです。香典とは別に。なんなら供物も。
故人が親の兄弟の場合(つまり伯父叔母)、関係性にもよるけど、親と連名もしくは自分の兄弟連名で出すこともあります。

<香典>

香典。金額は兄弟で相談しておくと、後から聞いて「げ。自分だけ少ない。どうしよう」と悔やまずに済みます。
香典袋の内袋に金額、住所、名前を書くのは必須。手抜きしない。郵便番号があるのが親切。ないとお身内が困る(これで集計して後日お返しや礼状を送る)のです。今の葬儀場は記帳カードもあるけど、香典を送ってくださる方もいるので、結局親族は香典袋の名前と金額を頼りに集計して返礼を考えます。(結構大変。住所が中途半端だったり苗字だけだったりすると調べるのにホントに骨が折れる。)
そういえば知らない人もいるかもしれないけど、初七日、四十九日、一周忌、とそれぞれ香典を出します(今は身内のみかな)。イマドキは初七日は葬儀と一緒に行うことが増えているのでその場合には別途初七日分の香典を用意する必要はない。通夜と葬式の両方参列する場合には、香典は通夜で渡せば良いです。

宗派が分からない場合、通夜や葬式では「御霊前」、四十九日を過ぎると「御仏前」と書くのが無難です。キリスト教は御花料、神式は玉串料。

浄土真宗は亡くなったらすぐ極楽浄土に行くから「御霊前」と記載するのは失礼という説もあるけど、うちの家もうちの近所もみんな浄土真宗だけど、そんなことで失礼だと言ったことも言われたこともありません。みんな「御霊前」と書いています。世の中には厳しい浄土真宗もあるのかもしれないけどだいたいおおらかな宗教です。

<数珠>※仏教の場合

お通夜にも数珠がいります。都会の葬式だとなくても全然大丈夫な場合もあるけど、田舎の葬式だと持っていないと忘れ物をした人みたいになる場合があります。百均でも売っているので持っていると安心です。

<靴と靴下>

今は「葬祭場」で通夜と葬式とを行う場合が増えました。その場合でも油断していくと、会場が靴脱ぎ方式の場合があります。ありがたいことに会館はだいたい椅子があるけど。でもどうせ葬儀場だし、と気軽に行って靴を脱ぐ羽目になり脱いだら靴下が穴あきだったり、五本指ソックスだったりするとげっ、と縮こまることになります。どちらも男性に多いけど。要注意です。女性はストッキングの穴あき注意。靴も同様の理由で脱いでも大丈夫なものを。脱ぎ履きが面倒なものだと出入口でもたもたする羽目になります。

<お焼香>

お焼香で順番に前に出る。数珠は忘れずに手にかける。お焼香の手順は大体葬儀屋さんが最初に説明してくれるので、よく聞いておきましょう。

前に出たら、喪主に一礼→祭壇に一礼(なんなら自分の後の人にお先に失礼しますの気持ちで一礼)→お焼香→祭壇に一礼→喪主に一礼→自分の後の人にお先にありがとうございますの気持ちで一礼。の流れで行うと整った感が出ます。

<会場到着時刻>

通夜や葬儀場への到着時刻は親戚の場合、30分前くらいがちょうどよいです。受付したり、帳簿に名前を書いたり、挨拶したり、故人を拝んだり、というのは葬儀がはじまる前にするから。あんまり早くの到着だと邪魔な場合もあるけど、ぎりぎりに来られると受付でもたついたりしてそれはそれで困ります。あと葬儀がはじまるちょっと前に全体の流れやお焼香作法について葬儀屋から説明されるので、これを聞きそびれると前の人を見てやる羽目になりドキドキすることになります。

<近くて遠い親戚への連絡のアドバイス>

故人(親世代)の伯父叔母や親のいとこなど、故人は近しい関係なのに、家族はそれを知らない、ということは実は結構あります。無理に今後の付き合い方を強制する必要はないけど、家族は記憶から抜け落ちている可能性があるので、「そういえば〇〇さんは故人の伯父にあたるけど連絡はするのー?」くらいにアラートを出す役割は周りがした方が良いです。

<自分が身内の葬式を出す場合>

家に仏様がなく、特定の宗教がない場合、葬儀屋がお坊さんを紹介してくれたりします。葬儀屋は病院が紹介してくれることもある。でもできるなら事前に葬儀屋の評判は確認しておいた方がいいです。そもそもその前に生前、まずは身内と自分の葬式はどうしたいのか話し合うことが大事です。うちに仏様がなく、お墓もない場合、事前に話し合っておかないと、残された家族が途方に暮れます。葬式をしたいのか、宗教はなににするのか(無宗教の葬式も存在する)。戒名は欲しいのか。遺骨はどうしてほしいのか。そのあたりを決めておくと少しマシ。あとは死んだ時にどこまで連絡してほしいのか。誰にどんな風に送ってほしいのか。葬儀屋やお坊さんの対応によって送る側に悔いが残ることがあるので、ご注意を。

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つらつら思い出したことを書きましたが、喪主は大変なので周りが知っていると、サポートできるので良いですよ。

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