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25.POMでお悩みの方へ綴る《言霊4》

何かにつけて人は悩みます。POMの診断を受ければ尚更です。1人で抱え込む人もいるし、家族に打ち明ける人もいる。しかし、身近な誰かに言いにくいのもPOMの特徴です。誰かにPOMであることを伝えた場合、どうなるか想像ができるからでしょう。もし自分が友人から打ち明けられたらどうするかを考えれば分かりやすい。かなり戸惑うはずです。告げた相手の顔が容易に想像できてしまうから。ま、言ったご本人があっけらかんとしていたら、大丈夫だったりします。

大丈夫じゃない場合の話、相談に来られた方々から伺うに、腫れ物に触れるかのようなよそよそしい付き合いになることが多いようです。自分も平静を装っているつもりでも、なにか漏れ出ちゃいそう。知識として知っていても、近いうちにどうにかなるかもしれない人と普通の日常でいられるか。聞かなかったことにして普通に付き合うことができるのか。1度知ってしまえば、知る前の精神状態には戻れません。だからといってかける言葉はそう簡単に見つかりません。その結果、よそよそしくなってしまう。仕方のないことです。そうなることが分かっていると、POMのことを他人に伝えることが難しくなります。

だからといって、秘密にして後で発覚したら「水くさい」とか「なんで言ってくれなかったの」と言われかねない。だから重たい病の場合は特に言うタイミングが難しいし、勇気が要ったりします。問題はですね、病気を知った上でかけられる言葉はあまりない、ということです。であれば、敢えてかける必要はありません。相手への気遣いは、何ができて、何ができないかを理解することかなと思います。例えば乳POMなら食事は普通にできたりします。胃POMで胃全摘された場合、1回の食事量が少なくなるとか、食べたら直ぐに下痢をする、という理解ができれば一緒に食事もできるでしょう。病名を聞かされたら、正直に気持ちを話してどう付き合ったら良いかを聞いちゃってもいいんじゃないかな。今回は言靈というお話になりませぬな。

励ましの言葉
「大丈夫だよ、きっとよくなるよ」

何となく言ってしまいそうな言葉ですが、これは無責任極まりない発言です。言葉自体は良い言葉なのに、その言葉に乗った想いは真逆になってしまうからです。言われた方は思います。無責任な言葉を言われたと。根拠無き励ましはそう感じさせてしまいがちです。私もPOMの相談で来られる方には安易に大丈夫とは言いません。医師から大丈夫だと言って欲しい。しかし、そんな無責任はことは口が裂けても言うことはできません。現代医学で寛解状態に持ち込める人もいるし、自然療法で根治してしまう人もいるし、何をやっても進行を止められない人もいる、そんな病だから。では、どのような言葉をかければ良いのでしょうか。

「私に何かできることはありますか?」

この言葉の根源には愛があります。自分に何ができるか分からないけれど、何かの役に立ちたいと思うので、試しに言ってみてくれる? という、可能な限り実現させたいという想いが乗っています。大きな責任を負うわけではないが、無責任な発言でもない。寄り添う覚悟を宣言する言葉でもないが、遙か彼方にいる訳でもない。地球と月の関係のように、見えなくてもそこにいてくれる存在であることを伝えられるのではないかと。言われた方としても、ヒマラヤにしか咲かない幻の薬草が欲しいとか、そんな無理難題の希望を押し付ける気は起こらないでしょう。親密度によって願いの大きさや深さは変わりますが、願いを叶えられなかったとしても、その言葉に乗った愛だけを受け取ることはできるかと。

家族や親しい友人であれば、
「貴方はどうしたいの?」

と、その願いを聞いて、共に寄り添って歩むことができるでしょう。一般の方が使う場合、人生に寄り添う覚悟は必要となりますので、口にするには慎重さが必要になります。家族であれば最初から寄り添うつもりなので問題はありません。私は医療人としてこの言葉を最初に使います。どう医療と関わりあうとよいか、日常をどう過ごせば良いのか、時間があれば、どう生きるのか、その病気の意味とは何か、などをお伝えします。

あと知人友人のあるあるで、
「これ、使ってみて!」
「これ、やってみて!」

自然療法に関わる人から言われることが多いです。根源は愛ですが、POMと知った方々から次々に紹介される場合が少なくありません。自分が信じるものを伝えたい。これは自然なことです。また、POMの方も必死だったりしますので、片っ端から手を出すこともあります。相談者さんの中には自然療法疲れを起こしている方も少なからずおられました。私も良いと思われるものを知ってはいますが、相談者さんに提示することは希です。先ず必要なのは人生の羅針盤であり、方法論ではないからです。幸せの青い鳥を探しに行くと見つからない。実は家に居るから。それに気づけるか、否か、です。私は相談者さんに、青い鳥の見つけ方をなんとかお伝えしようとしています。

もし自分の知る方法を伝える場合、
「こんな方法があるけれど、興味ある?」

伝えたい方は、この程度に留めて頂きたいです。その方の琴線に触れれば反応があります。触れなければ想いだけ受け取って引き下がりましょう。興味が湧いたら連絡してとか、ホームページのサイトを伝えるのが限界かなと思います。
*自然療法については16-20のシリーズに書き記しています。

これから先はPOMとは何か、どう付き合えばよいのか、などを綴って参ろうかと思っております。

つづく、、、

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