見出し画像

26.POMの存在意義とは何か

病気に存在意義なんかあるのだろうか?
無理矢理、意義をはめ込んでいるのだろうか?
とはいえ、人は理由があった方が納得しやすいものです。真実であろうとなかろうと、人は納得すると満足します。ということで、あなたが思う真実で問題はないので、ここでは私が思う真実を語ります。

普通に考えてみまして、ふつうにね、ふつー。POM細胞は元々自分自身の細胞です。元自分の細胞が生命体全体の死をもたらす影響を持つ。明確なPOM化の理由は不明ではありますが、なりやすい傾向はなんとなく見えてきます。体や心の限界を超え続けてきた人、と言いましょうか。名古屋の友人が3Gと言っていたのが妙に腑に落ちます。
・Ganko頑固
・Ganbaru頑張る
・Gaman我慢
POMの方にこれを聞くと「全部当てはまる」と大きく頷く方が実に多い。要は、本来の自分軸が外れている、ということです。もっと自分軸で生きる事が大切で、憎まれっ子世にはばかるという言い伝えはそれを体現しているかのようです。その近くにいる人は振り回されて3Gになりやすいのかもしれません。自分軸で生きるといことは、自分の心に素直であることで、我が儘し放題ということではありません。世の一流と呼ばれる方々の中に多くいらっしゃるように思います。

自分に素直に生きる

簡単そうで社会生活は簡単ではない、というか、ついつい難しく生きてしまう。人目が気になった時点で自分には素直じゃない。自分に素直な生き方をしている方を目にすると憧れませんか? 私は憧れちゃうな。日本における世間が認識する医者像から外れることができないので刺青もピアスもできません。じゃあ、したいことができない人は皆POMになるのか?というと、そうではありません。極端に自分軸から外れ続けていると無理が祟るのは、ある意味当然です。

自分軸から外れていき続ける人に対して、死をもたらすかも知れないPOMという病気は、そのことを気づかせてくれる存在と言えなくも無いのです。POMに限らず、病を気づきと捉えられるかどうか、かなと。

さて、POMが細胞の遺伝子から様々なお宝機能をゲットしているのをご存じでしょうか。単細胞生物から紡いできた遺伝情報の中に脈々と受け継がれてきたもの。その殆どは使われなくなっていて、眠れる遺伝情報となっています。何百年も開かれていない蔵のように。人の細胞のゲノム解析はできましたが、どのような働きがあるかの全貌は明らかにはなっていません。ところが、POM細胞はその中から使える遺伝情報を取りだして生存の道を切り開いているのです。科学で解明できない情報をPOM細胞は既に見いだしているのです。その情報とは次のようなものです(既に論文発表された内容です)。

・無限増殖=不老不死を獲得。
・細胞の増殖を制御できる遺伝子を用い、あらゆる障害を避けて増えようとする。
・低酸素に耐える能力を獲得。
・単細胞として分離する能力を獲得し、別の部位に着床し、増殖できる。
・多剤薬剤耐性能力を獲得:細胞内に入った毒性薬剤を自動排出する機能を細胞膜に設置。
・放射線耐性能力の獲得。
・エクソソームを活用して転移先を予約する能力を獲得。
・免疫細胞に自分は怪我をした仲間だと疑似アピールして攻撃を阻止するだけではなく、援助させる能力を獲得(免疫細胞を欺す能力)。
・更に、免疫細胞の攻撃力を無効化する能力を獲得。
・周囲の組織へ食い込む能力を獲得(正常細胞には不可能)。
・POM幹細胞が存在する(あらゆる攻撃を無効化できる細胞)。
・低体温化を発揮=POMは暑がりらしい

もの凄い生存本能とでも申しましょうか、無敵感半端ないでしょ。三大療法で勝負して勝てる気がしないのは、この事を知ってしまったことと実際の治療経験値からです。事実、何十年と戦いを挑んできた現代医療界ですが、年間死亡者数を減らせたことがただの一度も無いという実績が厚生労働省の報告を見ると分かります。だからなんですよ、現代医療に何を期待して、何を行って、何を行わないのかを決めなければならないのは。

「闘病」って表現しますでしょ。そもそも闘うべき相手なのでしょうか。宿主を死に至らしめる元自分の細胞が無敵の能力を獲得して生き延びようとする理由は何でしょう。

POMになりたくてなったのでしょうか?
POMにならざるを得ない状況に追い込まれなってしまったのでしょうか?

個人的な印象としましては、後者ではないかと思うのです。POMを描いたのではないかと思えるジブリアニメがあります。風の谷のナウシカ。人類を死に至らしめる毒ガスを出す腐海の森、森を焼き払おうとする人類と、それを守る蟲たち。森を焼くと王蟲が暴走して腐海の森が新たに生まれ広がる悪循環。現代医学とPOMの関係性そのものが描かれているとしか思えません。

それなのに、ですよ。POMが正常細胞に戻る可能性を研究している方が世界にはいまして、細胞同士の調和が乱れるとPOM化し、調和を戻すと正常細胞に戻ることを見いだした。この研究結果から、世の中にたくさんいらっしゃる自力で治癒へ持ち込んだPOMサバイバーの存在は不思議ではなくなります。

あまたある病気の中で唯一と言ってもいいほど自覚症状を出さず潜航しつづけるPOMの不思議。気づいた時には進行POMということは少なくありません。そういう意味で早期発見には意味があります。POM検診は無意味ではなく、早期発見して比較的安全に摘出できれば意味は見いだせます(この場合は手術のみね)。

自覚症状なく進行し、無敵の能力を獲得し、宿主を死に至らしめる存在とは何か。それでいて、心身が調和するとPOMが自然消失する不思議さ。私の思う偏見ですが、自分らしく生きていない人へ、その道は違うと命懸けで教えようとする存在。その人の生き様に対する黙示録ではないかと。ノアの箱舟に乗るのか、乗らないのかの選択を迫る存在。
POMという死の恐怖を与えなければ気づかないところまで行ってしまっている警報ではないかと。風の谷のナウシカで描かれる腐海の森は汚染された星を浄化するために存在するように、POMは汚染された人体を浄化する存在とおっしゃる方もおられますが、追いつめられて行き場を失って暴れているように、私には思えます。それがPOMにならざるを得ない状況になってしまったと考える所以です。

例えが良いかは別として、学校でイジメにあって孤立し、イジメに耐えかねて「もう我慢できない!」と暴徒と化すような。圧政に苦しんだ国民が耐えかねてクーデターを起こすような。調和が取れれば正常化するPOMも、そうして出来上がった存在に思えてなりません。

つづく、、、

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?