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第19話 カピちゃん、ロボ君と友達になれるように頑張る。

「ロボ君と友達に・・・ですか。どうなるかはわからないですけど、とりあえず頑張ってみます。」
と、カピちゃんは言いました。

「どうもありがとう。カピちゃんが輪廻の森に来てくれて本当に良かった。もし何か困ったことがあったら、遠慮なく相談して欲しい。では、もう夜遅いのでそろそろワシは帰るとするよ。今日は本当にどうもありがとう。」
と言って、銀色の鳥は帰って行きました。

その日の夜、カピちゃんはなかなか眠りにつけませんでした。ロボ君とどうやって友達になっていいかがわからなかったからです。いくら考えてもどうすればいいかわからなかったので、カピちゃんは家の精霊の梅さんに聞いてみることにしました。

「梅さん・・・起きてますか?」
と、カピちゃんはおそるおそる言いました。すると、天井の方から優しいお婆さんのような梅さんの声が聞こえました。

「起きているよ、カピちゃん。どうしたんだい?」

「ロボ君と友達になるようにシルバーさんに頼まれたんですが、どうやって友達になったらいいかわからないんです。」
と、カピちゃんは言いました。

「友達ねえ・・・それはちょっと時間がかかるんじゃないかい?ところで、カピちゃんはロボ君と友達になりたいのかい?」
と、梅さんは言いました。

「ロボ君はちょっと気難しい感じの子なので、友達になるのは難しいんじゃないかなあとは思います。ただ、この輪廻の森には他に知っている人もいないので、できたら仲良くなりたいんですけど・・・。」
と、カピちゃんは言いました。

「なるほどねえ。それなら、まずはロボ君と一緒に過ごせる時間を作って、一緒に楽しめる何かを見つけるといいんじゃないかね?ロボ君だって、ずっと家にいるのは退屈だろうからねえ。」
と、梅さんは言いました。

「それいいですね!ロボ君と一緒に楽しめる何かを見つけてみます。それなら何とかなりそうですね!」
と、カピちゃんは言いました。

「そうそう、何とかなるよ。何事もなるようになるのさ。もしどうしてもロボ君と友達になるのが難しければ、シルバーさんに相談してみるといいよ。シルバーさんも他の方法を考えるだろうからね。」
と、梅さんは言いました。

「そうですよね!梅さん、ありがとうございます。ちょっと気が楽になりました。・・・気が楽になったらなんだか眠くなってきたので、そろそろ寝ますね・・・今日は色々ありがとうございました・・・おやすみなさい。」
と、カピちゃんは言いました。

「おやすみ、カピちゃん。」
と、梅さんは言いました。そして、カピちゃんは深い眠りにつきました。


次の日にカピちゃんは目が覚めると、すぐに隣のロボ君の家を訪ねました。

「柳さん、おはようございます。ロボ君はいますか?」
と、カピちゃんはロボ君の家の玄関の前で聞きました。

「カピちゃん、おはようございます。よく来てくれましたね。ロボ君は家にいますよ。少々お待ち下さいね。」
と、ロボ君の家の精霊の柳さんの声が、家の玄関のドアから聞こえました。

「ロボ君、お客様が来ていますよ。お隣のカピバラのカピちゃんが来て下さっていますよ。」
と、ロボ君に話しかける柳さんの声が、家の中から聞こえました。

「入れなくていいよ。僕は会わないから。」
と、答えるロボ君の声が、家の中から聞こえました。

「ロボ君、お客様が来て下さっているのにそれは失礼ですよ。お客様が来たらおもてなしするのがマナーですよ。」
と言う柳さんの声が、家の中から聞こえました。

「じゃあ、柳さんがおもてなしをしてよ!僕はそういうの興味ないから!」
と言うちょっと怒った様子のロボ君の声が、家の中から聞こえました。

「わかりました。私がおもてなしをします。」
と少し残念そうに言う柳さんの声が、家の中から聞こえました。

「お待たせしてごめんなさい。ロボ君は今はちょっと調子が良くないみたいなんですが、もし良かったら私とお話ししましょう。中へお入り下さい。」
と言う柳さんの声が目の前のドアから聞こえたかと思うと、ドアの扉が勢いよく開きました。

「柳さん、ありがとうございます。あの・・・ごめんなさい。ロボ君はもしかして・・・あまり私と会いたくない感じですか?」
と、カピちゃんは心配そうな顔で聞きました。

~第20話につづく~





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