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Canvaにどうやって就職して日本からシドニーに移住したの?詳しく書いてみました

こんにちは、Canvaで日本を成長させようと努力し続けている植山周志です。3年前にCanvaに転職をしましたが、日本法人がないし、募集もしていないのにどのようにしてCanvaに就職したのでしょう?また、日本からシドニーに移住もしたので、なんで移住できたのかなど、たまに聞かれるので、ここに書いてみます。興味あったら読んでみてください。

この記事の背景

僕はCanvaで働く前は日本に40年間住んで、働いてきた日本人です。
そして、2019年にCanvaで働くことになり、東京からシドニーに家族と一緒に移住することにしました。
今はCanvaで働いて3年になります。当時、Canvaの社員数は400人ぐらいだったと記憶しています。今では3000人ぐらいに急成長しました。

日本でずっと働いていてどうやって海外企業の本社に転職と移住ができたのかを紹介します。

Canvaで働くってどうなのかを書いている下の記事もあるのでよかったらご覧ください。

僕はちょっと変わっている人間なので、そのことを書いているのが下の記事です。


どんな経緯でCanvaに就職することになったのか

まだ、Canvaが今よりも企業として若く柔軟なときに縁あってCanvaからお誘いを受けました。ラッキーだとすごく思っています。
今では採用プロセスはとてもしっかりしているので、下で書いているようなプロセスを踏む人は少ないと思います。

どんな経緯で採用されたのか?

全体のプロセスは下のとおりと通常の採用プロセスとは違って、ラフな感じです。

  1. 最初はLinkedInからメッセージが来て日本でランチの約束

  2. ランチで話し合ったら意気投合。Canvaにジョインして欲しいと言われる

  3. Canvaの人とZoomでCanvaについて質問する場を設けてくれた

  4. COOとGrowth責任者とZoomで面接

  5. シドニーに二日間行って最終面接

では一つずつプロセスを少し詳しく書きます。

1. 最初はLinkedInからメッセージをもらい日本でランチの約束

なぜ、Canva のInternational Growthをしている人が僕のプロフィールがいいと思って連絡をしてくれたのだろうか?当時International Growthを担当していたのはマレーシア出身のジンギという名の青年だった。

自分のLinkedInのプロフィールの前職の仕事内容に「Growth」と「数値でちょっと実績」を書いたので目に留まったみたいでした。その後LinedIn経由でメッセージをもらい、東京でランチをすることになりました。
下の画像は僕のLinkedInの前職のプロフィールですが、ジンギが興味持ったであろうところに紫の下線を引いてみました。もっとちゃんと書けばよかったかなと今、見返して反省しています。

前職のプロフィールで紫の下線部分にジンギが興味を持ったみたいです

ランチでは、お互いどんな施策をしているのかを話し合い意気投合。そしてCanvaにジョインして欲しいと言われたのです。
当時彼は出張で日本に来るということで、日本で5人ぐらいの外資系企業に勤めているマーケターと会ったとのこと。多くの人たちは本社から来た施策を日本でうまく適用することをメインとする仕事をしていたと彼は話してくれた。僕だけが本社の意向に従うというよりかは、日本市場を伸ばすための施策を試行錯誤しながら独自のことをやっていたから気に入ってくれたと話してくれました。また、自分が行った施策は全て資料になっているので、スマホからDropbox Paperでやっていることを見せました。Canvaは資料化する文化があるので、僕がやったことを資料でランチをしながら見せてあげていたのもよかったみたいです。

しかし、前職での仕事も待遇もよかったので辞めようとは思いませんでした。そこでジンギはシドニーに移住するのはどうだと提案してきたのです。私はビックリして。「話を続けようよ」と返事してしまいました。なぜなら僕は家族で英語圏の国に移住をしたいと思っていたからです。


2. Canvaの人とZoomでCanvaについて質問する場を設けてくれた

僕がランチを一緒にしたジンギは一緒に仕事をしている、ローカライゼーションのトップのレイチェルと僕のオンライン・ミーティングを設定してくれたのが次のステップでした。これは面接ではなく、僕がCanvaについていろいろ質問できる場ということでいろいろ聞くことができましたが、面接ではないといいつつ、相手は面接のように僕のことを見ていたことでしょう。
このとき話したレイチェルがいずれ僕の上司になるとは想像していませんでした。
ここでは、さまざまな質問をしCanvaにいる人たちはどんな人たちなのかと、いい質問をすることで自分を売り込むことをしました。質問力は大事ですからね。
どのような質問をしたらいいのかについては僕のブログ記事「40代で外資系に!転職の採用面接で準備する6つのこと僕の失敗1つ」に紹介しているのでよかったら参考にしてください。

3. COOとGrowth責任者とZoomで面接

次のステップになってやっと面接になりました。そして面接をしてくれたのがCanvaのファウンダーでCOOのクリフ。そして、当時Growthを牽引していたリサの2人でした。
僕はこれが最終面接だと思って、どうやってCanvaの日本市場を伸ばしたらいいかの提案を準備をしました。

緊張しながらZoomでの面接に挑むとCOOが僕の価値観、人間性を知りたいと冒頭に言いました。だから、自分の人生でのミッションは「10億人に笑顔と勇気を与えること」だと話したら好印象だったみたいで、下の2つのことを提案され、次の段階に進むことを話してくれました。
1つ目はデータを送るから、それを元に日本を成長させるプレゼンを作ること2つ目はシドニーに二日間来てプレゼンをすること、そしてそれが最終面接となる

ということでデータを受け取りプレゼンを作って準備をした。
データ分析が得意な僕としてはデータを受け取ったときに「僕の勝ちだな」とうっすら思いました(笑

4. シドニーに二日間行って最終面接

Canvaが航空券とホテルを用意してくれて、ゴールデンウィーク明けにシドニーに行くことになりました。面接だけのために海外に行くのは初めての経験でした。重要なポジションになるとこういうことがあるのは知っていたから、僕も出世したな〜なんて自分に言い聞かせて気分を上げてみました(笑
でも、航空券は一番安いエコノミークラスだったので、行きの深夜便は自分でお金払ってビジネスクラスにアップグレードしました。だって、到着した日に最終面接のプレゼンがあるんです。前夜に飛行機の中で一睡もできない状態でいいプレゼンなんてできません。

また、面接だけなのになぜ二日間も必要なんだろうと思いましたが、それには意味がありました。シドニーに発つ2週間ぐらい前に下のスケジュールが送られてきたのです。

面接のために行ったシドニーでのスケジュール

1日目のランチ後に休みを挟んで面接が予定されていた。そして、それ以外にさまざまな部署の人たちとも打合せが予定されていて、パツパツのスケジュールです。観光もできません。
これはもはや面接ではなく、入社直後のオリエンテーションじゃないか!と思いましたが、まさにその通りでした。

面接はうまくいきました、参加者たちの質問の嵐を受けて全て楽しく回答した自分がいました。自分が今までいろんなことを企画、発案、戦略、計画作りから実行まで幅広く行なっていたので、全ての質問に適切に回答できているのが気持ちよかったです。改めて、「やってきたことは裏切らない」ということを実感したときでした。

二日間の全てのスケジュールが終わった最後のミーティングで、僕を雇いたいという返事をもらい、空港に向かいました。翌朝、自宅に着いて数時間後にはCanvaの人事とZoomミーティングをして具体的な条件、入社時期などを話し合いました。このときは前夜はエコノミークラスの席で寝らなかったので頭がボーッとした状態でした(笑
帰りの飛行機までビジネスクラスにアップグレードする心の余裕がなかったです。

ざっくりこんなのが最初に連絡をもらってから採用されるまでのプロセスです。長々と書いちゃいましたが楽しんでいただけたら嬉しいです。

今回の採用プロセスを通って実感したこと学んだことと、いつも思っていること6つ

今回のCanvaでの採用プロセスと普段働いてきて、大事だと思うことを書いてみます。参考になったら嬉しいです。

1. 数字で語れる実績が大事

これは本当に大事です。始めに面接相手に自己アピールするときに下の2つを比較してみてください。

「日本のユーザー数と売上を増やすためにマーケティング活動に従事してきました」

やってきたことをアピールした例

「入社して4年間で日本の売上を5倍にし、国別のランキングで6位から3位にまでしました」

自分が築いた成果を数字でアピールした例

どちらのほうが、この人仕事できそうだなと思いますか?
明らかに後者ですよね。

さらにこの実績を裏付ける自分が行ってきた仕事を要点をまとめて話せると素晴らしいでしょう。ぜひ、数字で語れる実績を積み上げていきましょう。そのために普段の仕事でも数字を意識していくことが大事です。詳しくは長くなるので書きませんが。

2. 提案、プレゼンをする機会があってデータを入手できるならデータ分析は強みになる

Canvaの面接の時はデータをもらったので、もらったときにこれは勝ったなと僕は思いました。なぜなら僕はデータ分析が得意だからです。
データ分析はこれからさらに重宝スキルだと思います。特にIT企業はさまざまなデータをとっているので分析がたくさんできます。だからデータ分析をするスキルがあるなら、すごいアドバンテージになります。僕はUdemyでデータ分析のクラスを2講座公開しているのでよかったら受講してみてください。

3. 成長し続けたい・チャレンジし続けるマインドの人には国内・グローバルスタートアップは合うかも

Canvaみたいに凄い速度で成長している企業は社内でさまざまなことが起こります。だから変化だらけです。人間は本能的には変化を嫌う動物です。だから変化が頻繁にあるから人によっては居心地がよくないと感じることが多いでしょう。
でも、自らが変化を起こしたり、変化することが大丈夫でチャレンジして成長したいのなら、Canvaみたいに成長している会社は合うと思います。

4. 採用する側が困っていることがあり、それを解決するために採用される場合は、入社時の状況が良くないことを覚悟しておく

ポジションを採用するにあたって、さまざまな状況が考えられます。例えば下の3つの状況が想像できます。

  1. 新たに市場開拓・ビジネスの立ち上げたいから新規採用する

  2. さらに成長したいから人員増強のために採用する

  3. 現状に満足していないから、誰か変えてくれる人を採用する

僕の場合は3でした。だから入社したときのCanvaのユーザー数は他国と比べて多くなく、成長率も低い状態でした。
これをどう捉えるかは自分しだい。人によっては貧乏くじを引いた状況だと思う人もいるかもしれないが、自分が解決することを期待された問題を解決した後の達成感、得られる信頼などが大きくなります。
普通のこと、簡単なことをやるために採用されているのではなく、難しいことを成し遂げるために採用されたのです。だから、仕事も簡単でない場合が多いのは当たり前。そんな状況で雇っていただいたことに感謝し、試行錯誤しながら3年間働いてみました。そしたらさまざまな方にCanvaを利用いただき、彼らが輝くことのお手伝いができている。これ以上嬉しいことはありません。

5. 英語でのコミュニケーションは必須

海外企業が日本進出したい時に、現地の人を雇うことを考えます。その時に雇った人と英語でコミュニケーションできることが最初の必須条件になります。しかし、日本人で英語が話せる人の割合は多くはありません。10%弱と書いてあるWebサイトもあり、英語力世界ランキングで見ると112カ国中78位と低い部類の国入ります。
そんな状況で英語が話せるというのはすごく強みになります。これに別の自分のスキルを掛け合わせることで、日本での人材マーケットの中で大きく抜きに出ることができるのです。

では、その英語力を伸ばすためにはどうしたらいいんでしょう。いろんな方法を皆さんすでにご存じだと思います。僕が行っている方法が2つあるので紹介します。

  1. 英語のPodcastを聴くことでリスニング力を鍛える

  2. 積極的に英語を話す人たちと話すことで話す力を鍛える

英語のPodcastは自分が聴いて楽しいものを聴いています。以前、下の記事で当時聴いていたPodcastを紹介しているので参考にしてみてください。英語のPodcast、Masters of scaleとTim Ferriss Showは今でも聴いています。

積極的に英語を話す人たちと話すに関しては、僕は今シドニーに住んでいるので英語を話す機会が多いので環境としても恵まれていますが。ここで言いたいことは自分のとる態度として外交的に積極的に話しかけるようにするということです。これは性格によるものもあるので、この方法が合う人、合わない人がいますが、参考にしてなれば嬉しいです。


6. グローバル環境での共通言語は英語と数字、ロジック、情熱

日本の文化、生活習慣を知らない人たちと仕事をする場合、「日本人はこんな感じなんですよ」という話は通用しません。こんな感じを証明するデータを見せる必要があります。さらに論理的に話をしないと文化、育った国・環境が違う人たちに納得してもらうのは難しいんです。さらに全ての人間に共通して伝わるのが情熱です。
英語で数字で根拠を示し、論理的に言いたいことを話し、120%の情熱を乗せるのです。そうするとグローバル環境で話しが通じます。

6つのことを偉そうに書いてしまいましたが、どれか1つでも役に立つことがあったら嬉しいです。

Canva Japanチームメンバーからもらった質問

今回のこの記事を書くにあたりCanva Japanチームメンバーから質問を集めてみました。それにも回答してみます。

海外移住を交渉した経緯

僕はCanvaに対してシドニーに移住させれくれ!と交渉する必要はなかったです。最初に出会ったジンギがシドニーに移住することを提案してくれていたので、移住することが前提に採用が進みました。
そもそも背景として、Canvaは海外から採用した人たちをシドニーに移住させることを行なってきました。シリコンバレーと違って優秀な人材がシドニーに集まっていないので、世界中から集める必要があると経営者たちが考えたようです。

実は前職で僕は日本チームでなくグローバルチームに所属していた時期が長かったのですが、本社に物理的にいることがとても大事だったのです。だから本社にいない僕は苦労することが多かったです。だから僕自身、本社に身を置くことを大事だと思っていました。
確かに本社の多くの人たちと顔見知りになって、部署を超えて多くのコミュニケーションができるのですごくいいと思っています。

家族にはどうやって説明したの

妻とは最初にジンギと日本でランチしたときから話していたので説明する時間がたくさんありまそた。また妻も海外移住をすることに前向きだったのでよかったです。
2人の娘がいるので、彼女たちにCanvaで働くことが決まったときに話しました。そしたら当時小学校5年生の長女が英語が話せないし、日本の友達と離れることになるから1時間ほど泣かれてしまいました。1時間後に娘が「私たちは新しい家で自分たちの部屋を持てる?」と聞かれて、まだどこに住むのか分からない僕は「持てるよ。自分たちの部屋持てるよ」と約束しちゃいました。それで娘たちは泣き止んで一件落着しました。
今、娘たちは自分達の部屋を持てて嬉しいみたいです。

オーストラリアの税金は日本と違うの?

オーストラリアも日本もざっくりですが所得税などは大きく変わらないです。シンガーポールと日本、オーストラリアを比較するとシンガーポールの所得税はすごく低いです。そこから日本とオーストラリアを見ると似ていると僕は思っています。
オーストラリアは7月から10月の間でTax Returnと言って確定申告ができます。全てオンラインで行うことができるので、自宅から全て完了するので便利です。
会社からの所得は日本でいうマイナンバーと結びついているので、オーストラリアの税務署の確定申告のWebサイトにログインするとすでに会社からの所得情報が入力されています。
確定申告では、さらに経費、医療保険を申請することができます。サラリーマンでも確定申告をして還付金が返ってくる可能性があるのは日本と違うところだと感じています。

オーストラリアの医療保険はどうなの?

医療保険はオーストラリア市民と永住権保持者に対しては国民健康保険・メディケアが提供されます。メディケアに加入しているとほとんどのお医者さんの診療代、病院の入院費をカバーしてもらえるみたいです。

僕のように永住権を持っていない海外から来た人たちは個人で健康保険に加入する必要があり、お医者さんに行ったといきなど全額負担しています。

通常のお医者さんに行くと結構な費用が請求されるので、健康でい続けるように努力しています。

最後に

Canvaにどうやって入社したのかなど徒然書いてみました。何か面白いと思っていただけるところが多少なりともあればとても嬉しいです。
Canvaで働きたいと思った方いましたら、下のCanvaの求人サイトをご覧ください。


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