2023年活動内容のレビュー 〜四国アイランドリーグplusデータレポート(11月6日週号)
今季の自分の活動内容をレビューする
NPBのドラフト会議も終了し、各球団は来季に向けての選手やスタッフの体制整備を進めています。11月4日にはリーグ主催のトライアウトも行われ、翌日には合格選手がホームページで発表されました。
また、トライアウトとは別に来季各チームに加入する特別合格者の情報もアップされています。
来春に高校卒業予定の選手から大学、社会人を経由した選手まで、多様な選手が今年も四国の門を叩いています。彼らの中から来年の今頃はNPBのドラフトで指名される選手が出てくると思いますので、ぜひチェックしてみてください(早速、徳島の話が高校野球ドットコムで記事にもなっています)。
今回はNPBドラフト会議、トライアウトと四国アイランドリーグplusの活動と主要なイベントが一段落したところで、今季4月から自分が「アナリティクスディレクター&新規事業担当」としてリーグに関わってきた内容をレビューしておきます。
オフシーズンもリーグのサポートを継続することになりましたので、多少頻度は減ると思いますが、noteの更新も続けていきます。
※記事執筆前提となるリーグでの自分の役割は、次の記事をご覧ください。
大きく分けると3つの役回りがある
リーグの内部で話していた役回りは大きく分けると3つあります。
1、1球ごとのデータおよびトラッキングデータ活用のコーディネート
今年からスポナビでの一球速報が行われるようになったことで、1球ごとのデータを収集し活用できる素地ができました。このデータを実際に活用できる状態まで整理すること、そしてNPBでは当たり前に活用されているトラッキングデータのトライアルを四国にも導入し、NPBで行われているデータ活用に選手、リーグ、チームのリテラシーを近づけることが1つ目の役回りです。
2、球界関係者のネットワーキング
球界関係者ならびにスポーツ関係のメディア、さらには地方のスタートアップ界隈の関係者など、リーグの中で日々業務を行っている選手やスタッフが外の世界を切り拓くためのネットワークのハブとしての機能が2つ目の役回りです。
3、セールスサポート
独立リーグはスポンサーからの収入が収益の柱です。自分がデータ活用で新しい取り組みをやることだけでなく、その取組を推進することに共感いただけるスポンサー、パートナー企業がいればできることも多くなります。その意味も含めた新規事業開拓、スポンサーセールスおよびそのサポートが3つ目の役回りです。
それでは、それぞれどのような成果だったかを見てみましょう。
1、データを活用できる環境を整備し、活用事例を発信した
まず1つ目は図解した方が早いと思います。仕組みというほどでもないですが、下のような環境を作っていました。
まず1球ごとのデータを金沢の分析環境では常に集計し、必要に応じてアウトプットすることができるようになりました。各球団が独自にデータをダウンロードし集計する方法はインプットしているので、実際にデータを使ってコンテンツを作ることができるようになりました。
元データを常に最新試合まである状態に結合させ、かつ日本語にリネームしたり、分析で使いたい変数を作ったりして使えるようにするようにSQLを書いておいたという程度ですが、この下準備をやっていないがゆえにデータを使えていない場面を結構見ます。
また、試合中のトラッキングデータを取得するRapsodoStadiumのトライアルを行ったため、トラッキングデータも適宜1球ごとのデータと結合させてリーグ共有の環境に連携していました。
一括で定義を揃えて、リーグの共通分析環境を作る案も提案しましたが、実際にやろうとすると一応多少のインフラ費もかかりますし、運用の精度も求められます。現状でそのニーズはなかったので、球団が独自でやろうと思えば分析できる状況にはしつつ、自分の独自の分析環境で集計を行っている状態です。
このデータを使って書いたコンテンツは下記のようなものがあります。
球団が発信するnoteでも選手を詳細に分析している記事があり、データが活用されています。
自分はあくまでもリーグの「アナリティクスディレクター」であり、自分が分析記事を書き続けることにはほぼ意味がありません。
一応、割と長くメディア向けの野球の分析の仕事をやっていた経験はあるので、分析の切り口の参考資料を提供しているだけであり、日々選手と過ごしている、もしくはチームや選手のことを考え続けている人にもっと多く情報を発信してもらいたいと考えていますし、今はそのためのハード、ソフト両面の基盤づくりをしている認識です。
なお、独立リーグはYouTubeに多くの試合の動画があるので、1球データとトラッキングデータに加えて時間情報が付与されたメタデータを作る運用さえ出来れば、MLBのBaseball Savantで公開されている生データと同様のものは作れます。様々な権利の問題などによってNPBではおそらく出来ないサービスを、独立リーグから実現させる準備は着々と進んでいます。
2、公式noteの実施など、対外的に四国の活動をPRする場が増えた
ネットワーキングはなかなかnoteで書くような話でもないので割愛しますが、ひとつだけ。まず春先にリーグの公式noteを作りました。
個人的にはSAJ2021など、noteにオンラインだけでなくオフラインでもお世話になっておりました。
コンテンツホルダーとしてプレスリリースだけではなく、公式に記事としてストックしておきたい話は多いので、noteを開設して無理のない範囲で運用することで、中長期的に価値が出ます。
本当はリーグのnoteのマガジンでもっと独立リーグのドラフト候補の記事をピックアップしていきたかったのですが、春先から夏にかけてはあまりそういう記事が見当たらず、断念しました。
来年は春先から、独立リーグのドラフト候補を書いた記事が増えると思うので、リーグでも情報をピックアップできるような体制を作っておきたいと考えています。
3 、セールスサポートはやりきれなかったので2024年こそは進めたい
そして最後、一番と言っていいほど重要なスポンサー獲得については、自分はそこまでやりきれませんでした。
春先にいくつかの企業と打ち合わせすることは出来たものの、スポンサーの費用を払っていただき価値を出す、というところまでは至りませんでした。
四国アイランドリーグplusはオフィシャルパートナーに支えられて成り立っています。
自分がいまやっているようなデータの活用の環境整備、いずれNPBに限らず様々な社会に出ていく選手の情報活用リテラシー向上、社会でリーダーシップを取っていくための土台作り、独立リーグという地域のプロ野球のリーグビジネスを通した多様なステークホルダーを巻き込んで事業を動かすスキルの獲得などに興味がある企業の方がいらっしゃいましたら、ぜひリーグのパートナーのご相談ができればと思いますので、公式にお問い合わせいただくもよし、X(Twitter)のDMから自分に連絡いただくもよし、ぜひご連絡いただければと思います。
以上、今季のレビューでした。3月までは四国アイランドリーグplus関連のnoteの更新は月1回程度にはなるかと思いますが、引き続きスポンサーセールスサポートを中心にオフシーズンも動いていきます。
今年のドラフトで改めて見えてきたように、本当にチャンスは四国にあるので、ぜひ一緒にリーグの活動を盛り上げていきましょう!
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