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【横浜トリエンナーレ|野草】鑑賞記録3

今日は横浜トリエンナーレの三箇所の会場をまわって足と脳が疲れました。
もう「遊びは終わりだ」感がすごい。
紛争、環境、社会問題……
キュレーターは、昨今の各地の芸術祭がスペクタクルのみになっているのではないかという危惧があったといいます。今回、問題だらけの世界と対峙する作品が並びましたが、極端に振られすぎ感は否めません。これは横浜トリエンナーレでやることなのかなぁ、というものも。
親子連れも多いです。
子どもたちに言い訳できない世界を、もはや取り繕うことはできなくなっているようです。

クレモン・コジトール/ブラギノ

映像作品。都会を離れ、シベリアの美しい森で自給自足の生活を始めたのに、ヤバい隣人に悩まされる。(隣人側の視点はわからない)人間どこに住もうが諍いから逃れられないという絶望。
子どもたちにとってパラダイスのような美しい自然なのだが……
ゲーム画面みたいと思ってしまった私のリアルとバーチャルはもう反転してしまっている
「私のカモだよ♪」花びらをむしるようにカモの羽をむしる子どもたち
マイカモを火で炙る子どもたち


ペッパーくんもいます。心なしか目がうらめしそうです


「昔のティッシュはデカかった!!」横トリでこれを展示する者あればレビューで紹介する者あり


エナジー・ウェイビング・コレクティブ

カンフーの練習に見せかけた野外集会
この屈んでる人好き


ブック・フェルカータ/根こそぎ

植物と共存して植物のように生きる……
これくらいのアート具合は欲しい
立派な模様のやさしいカタツムリ
”今こそ新しい世界へ“


水木 塁/P4(Pioneer Plants Printing Projects)
都市に生えちゃったユウレイタケみたい
霜柱のようでもあり


葭村太一/
北緯35度27分43秒 東経139度37分38秒
落書きを木彫するという発想がすごい


志賀理江子/霧の中の対話・火
一宮城県牡鹿半島山中にて、食猟師の小野寺望さんが話したこと

鹿猟師へのインタビュー。今回一番心打たれた展示

“死ぬ寸前まで生きるっていう方向性しか動物はないんだよね。”
“肉を食べるみんながさ、見えない部分を、みてほしかった。”
“「食えない恐怖」は、現代人の無意識の「不安」”


インゴ・ニアマン&エリック・ニードリング/ヴァルダー
インゴ・ニアマン氏は、開幕直後のアーティストトークイベントで話を聴けた一人なので、興味を持って観ることができました。
“ディープエコロジスト”という考え方があり、この地球上で人類は現在の人口の99.9%は死ななければならないと。そして残り0.1%の生きる価値のある人間として、自分たちが相応しいと考える人たちがいると。
それが、日本人にはピンとこないけれど、ヨーロッパの「右傾化した白人男性」というグループであるらしいです。
彼らは森に入っていってそこで狩猟採集などして暮らそうとしますが、あまりうまくいっていないようです。
……という、皮肉とユーモアを込めた映像作品なのです。
パロディ的でありながら、人間はこの先何を食べていけばいいのか、などもそこそこ真面目に?検証する活動もしているそうです。
インゴ・ニアマン氏はどこか飄々とした印象の方でした。人類どうする?という問題に対し、シニカルにかつ真面目にユーモアを忘れずに取り組んでいるところに好感が持てました。



あとは富山妙子さんのコーナーが、見応えありました。(撮影不可)


次回の横浜トリエンナーレが開催される3年後、世の中はどう変わったのか、変えられたのか変えられなかったのか、問われることになりそうです。



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