お声がけ
誰かに声をかけられた気がして何気なく振り向くと…
珍しい人から声をかけられたなと少し驚きながらも思わず微笑んでしまった。
これは、ある習い事の教室でのこと。
声をかけてきた彼女は、私より先に習い始めていた。
つまり『先輩』である。
通い始めて一年半あまりだが、彼女とは挨拶くらいしかしたことがなかった。
その教室には特に在籍クラスはなく、いつでも自分の都合の良い時に自由に行って良いことになっている。
これは社会人が多いせいもあるかも知れない。
さて彼女とは最近同じ時間に会うことがなかったが、先日久しぶりに、偶然同じ時間帯に同じレッスンを受けることになったのだ。
今まで面と向かって話したことのない私に声をかけることは、彼女にとって勇気のいることだったかも知れない。
お声がけのきっかけは、教室の後ろの壁に貼ってある順位表にあったようだ。私の順位が彼女と並んだのを見て「いつの間に!」と声をかけてくれたのだ。
会話を始める時は笑顔で!
これは誰でも無料でできる最高の会話の糸口になると私は信じている。
そして、昨年実施された審査をすべて受けたら順位が上がったこと。
その日は前のクラスから出席していたことなど、5分ほどだったが会話した。
あまり話したことのない人との会話は最初緊張するが、しばらくして雰囲気がつかめると和やかになったりする。
終始笑顔を絶やさないよう心掛けていたこともあり、レッスンが始まるまでの短い間だったが、彼女との会話は弾んだ。
向こうから転がり込んできた小さな縁だが、このような縁は大切にしていこうと思った休日の昼下がりだった。
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