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都会のOASIS

「ココに来ると、色々嫌なこととか発散できる。」

先日、ある習い事の教室で耳に挟んだこの言葉。

これを聞いて、以前読み、映画化もされた『深い河』(遠藤周作著)という小説を思い出した。

私は人間の河のあることを知ったわ。(中略)信じられるのは、それぞれの人がそれぞれの辛さを背負って深い河で祈っている、この光景です。
人間の河、人間の深い河の悲しみ、その中に私も交じっています。

映画『深い河』より

やって来る理由も、去って行く理由も人の数だけある。

そこは毎回毎回、縁あって集まった人たちの一期一会のOASIS。

ほんの一時、心の傷を癒し、浄化し、再生する場。

インドのガンジス川を舞台にした『深い河』と、習い事で通っている教室が一瞬重なって見えた。


下記は、大学時代の恋人を追ってインドまでやって来た彼女が、神父さんになるための修行をしている元彼と再会するシーン。
神父さんの服に身を包み、手を組んで森の中から静かに現れる元彼がとても崇高に見える作中で私が一番好きな場面です。

映画『深い河』のワンシーン


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