重なる姿
今まで出会ってきた書籍の中で、自分と重なる登場人物に出会ったこと数回。
その中の1人が、ある小学生の女の子。
残念ながら、この作品のタイトルが思い出せない。
……………
主人公の小学生の女の子は、いつも給食を残し、給食当番の男子から毎日怒られる。
ある日、彼女はビニール袋を持参する。
給食の時間、周りの目を盗み、机の中でそのビニール袋を広げる。そして、給食の一部をそのビニール袋に入れることに成功する。
彼女が残さなかったので、変な顔をする男子。
その様子におかしくなる彼女。
学校からの帰り道、空き地に立ち寄り、ビニール袋ごと、その給食の一部を捨てる。
翌日も同じことをし、帰りに空き地に立ち寄る。そこで、自分が昨日捨てた給食に、野良犬が群がっているのを見て、何だか嫌な気持ちになり、その日は捨てずに持ち帰る。
ラスト近く。彼女は夕方、スーパーに行く。何かの事情で食材を買いに来たのだが、どれを買ったら良いか迷っていると、声をかけられる。
振り返ると、給食を残してばかりいる彼女を、いつも叱ってくる、あの苦手な男子だ。
彼女の買い物の目的を聞いた彼は、代わりに素早く食材を選んでくれる。そこで初めて、彼が毎日のように夕食を作っていることを知る。
彼の家庭の事情を知り、複雑な気持ちになる彼女。
今まで苦手に思っていた彼の別の面を見て、彼に対する彼女の気持ちが変わっていく。
……………
かなり前に読んだので、途中記憶がとんでいるが、上記のような内容だった。
主人公の彼女の姿が、当時の自分に重なる。
小学校低学年の頃、教室の壁に『給食表』というものが貼ってあった。4人あるいは5人グループの班全員が給食を食べきれなかった場合、その給食表に×印をつけることになっていた。
×印が付くこと以外に罰則はなく、そんなことを気にかけないメンバーと一緒の班なら問題なかった。
しかし、中にはこの給食表にこだわる生徒もいた。意地の悪い担任が、そのこだわるメンバーと私をわざと一緒の班にしたのだ。
毎日無理やり給食を食べさせられる苦痛。そんな様子を面白がっているのか、知らん顔しているのか、何を考えているのかよく分からない担任。
ちょうどそんな頃に、この物語に出会ったと記憶している。
図書館で借りたものと思われるが、今でも苦い記憶が残る児童向け作品。
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