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猫の目②

あるロシア人女性が言っていたお話です。

家を建てる時、その土地に猫を放しておくの。最初は走り回っているけれど、そのうち疲れて寝てしまう。その時、猫が寝場所に選んだ所が、一番寝室に相応しいのよ。

その女性は犬が好きで、2匹飼われていますが『こればかりは猫でないと出来ない仕事』とのことでした。猫は癒しスポットを探す天才かも知れません。

以前、帰宅してきた時の事。川沿いの裏道を通って来たのですが、川の方を眺めていると、風もないのに、一か所、不自然に草が揺れています。『何かな?』と思って見ていると、当時の飼い猫『駒』でした。

私に気づいて欲しくて草を揺らしたのか、その時、ちょうどクビが痒かっただけなのかは分かりません。

その時彼女がいた場所は、かつての愛猫『マロン』も好んでいた場所です。

この2匹、あらゆる点でまるで正反対でしたが、お気に入りの場所だけは、数か所共通していました。

さてその川沿いの場所ですが、駒がいたのはかなり川に近く、その時期は草が高く生い茂っていました。前の道を歩いている人からは、猫を見つけるのは容易ではありません。一方、猫からすると、寝そべったまま、草の間を通して、道行く人の姿がよく見えそうです。

『良い場所を知っているなあ。』と思ったものです。それにしても、その時、私に気づいて草を揺らしたのであれば、猫は遠くが見えるのかも知れません。色の区別はつかなくても、ある程度の距離は見える…?

そうだとしたら、猫には一体、どのように世界が見えているのか、謎は深まるばかりです。

今日、この川沿いの裏道を久しぶりに歩きました。『マロン』と『駒』が『お帰り』と迎えてくれたような気がしました。


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