紀州かつらぎ熱中小学校ライター部

「紀州かつらぎ熱中小学校」は大人のための社会塾。「もういちど7歳の目で世界を…」とのコ…

紀州かつらぎ熱中小学校ライター部

「紀州かつらぎ熱中小学校」は大人のための社会塾。「もういちど7歳の目で世界を…」とのコンセプトで、大学教授や経済人を講師に招き、かつらぎ町天野の「ゆずり葉(旧天野小学校)」にて月に一度、リアル授業をおこなっています。その部活動の一環として、ライター部の取材記事を投稿しています。

最近の記事

世界遺産 三谷坂を歩いて③【和歌山・取材記事】

三谷坂を登り切り、無事、天野の里に到着。花盛祭の渡御行列を見るために、私たちは世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社まで歩きました。 丹生都比売神社 花盛祭 丹生都比売神社の鳥居をくぐると、境内には参道の両側に色とりどりの花が飾られており、とても華やかな雰囲気でした。 ほどなく始まった渡御行列は、天狗の姿をした道開きの神・猿田彦さまが先頭です。 笛を吹く人、弓や刀を携える人、獅子頭を持つ人、お神輿を引く子どもたち……時代衣装をまとった行列が粛々と進んでゆきます。 この

    • 世界遺産 三谷坂を歩いて②【和歌山・取材記事】

      丹生酒殿神社から丹生都比売神社へと続く、世界遺産・三谷坂。ここからはうっそうと杉の立ち並ぶ山の中へと入ってゆきます。 涙岩・拝水(おがみみず) 杉木立の中を歩いてゆくと、ほどなく現れるのが大きな平たい涙岩です。かつてはどんな日照りの時でも水が枯れることがなく下流の村々を潤したことから、この名が付いたそうです。 古い時代には、標高の高いこのあたりでも稲作がおこなわれていたとのこと、水田の痕跡らしき石積みをあちらこちらで見ることができました。 ここまでの道々には瀬の水音と

      • 世界遺産 三谷坂を歩いて①【和歌山・取材記事】

        世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のひとつとして登録されている三谷坂。かつらぎ町三谷の丹生酒殿(にうさかどの)神社と天野の丹生都比売(にうつひめ)神社を結ぶ、約5.5㎞の急登です。 古い時代、丹生都比売神社の鎮座する天野は聖地とされ、神に仕える者といえども住むことは許されない地でした。神職はふもとの三谷に家を構え、そこから毎日、天野まで山の中を歩いて通っていたとのこと。その道筋が三谷坂なのだと伝えられています。 そんな歴史ある三谷坂を2024年4月半ば、紀州かつらぎ熱中小

        • 出会いに感謝【和歌山・取材記事】

          高野参詣道の一つ、約5.5キロの「三谷坂」を北岡さんの先導のもと登ってまいりました。 この日、ゴールである丹生都比売神社では花盛祭が行われる予定、わたくし地元でおりながらこのお祭りを拝見したことがありません。後々のお楽しみと思いつつ、いざ出陣! まずはわたくしの住む三谷の氏神様、丹生酒殿神社で安全祈願。 晩秋には黄色の絨毯を敷き詰めたかのような光景が広がり、大銀杏を見るために多くの参拝者が訪れます。 (ちなみに、昨年の銀杏落葉の掃除はわたくしの地区担当で……大雪の中、震えな

        世界遺産 三谷坂を歩いて③【和歌山・取材記事】

          風光る三谷坂【和歌山・取材記事】

          4月14日、紀州かつらぎ熱中小学校のライター部有志4名で 世界遺産に登録されている高野参詣道の三谷坂を歩きました。 三谷坂とは、丹生酒殿神社から丹生都比売神社までの、 「三谷の地と天野の神社を結ぶ参詣道で、 高野参詣道の中でも最も古い祈りの道」です。 「天野は聖地とされ神職でさえ住むことが出来ず 三谷の地に住み、毎日歩いて通った」 と言われる道でもあります。 まずは、丹生酒殿神社に道中の安全を祈願し、そこから三谷坂へ。 明るい若葉の揺れる柿畑の中を歩いて行きます。 初夏の

          風光る三谷坂【和歌山・取材記事】

          世界遺産高野参詣道 三谷坂参詣登山レポート【和歌山・取材記事】

           2024年4月14日、約50年ぶりに三谷坂を歩きました。 一番最初に三谷坂を歩いたのは小学生の時。当時の三谷小学校の卒業記念として友人とわいわいはしゃぎながら登ったので、頬切地蔵や笠石などの史跡を見た記憶は全くありません。 しかしながらその後、三谷坂も世界遺産に登録されたこともあり、今回は整備された史跡の説明案内看板を読み、また見慣れた地元の景色を見ながらゆっくり登ることができました。   ただ、昨年6月の集中豪雨の被害により、かなり歩きにくい箇所もありました。 その分

          世界遺産高野参詣道 三谷坂参詣登山レポート【和歌山・取材記事】

          晩秋の高野山

          11月半ば、晩秋の高野山を友人と一緒に訪ねました。もう紅葉は盛りを過ぎているよ、と聞いてはいたのですが、友人は愛染明王さまのおられる金剛三昧院を、私はずっとご無沙汰している清高稲荷大明神を参拝したくて、人出の落ち着いた時期を選んで出かけました。 駐車場に車を停めて歩きはじめると、あちらこちらに残り紅葉が。もうずいぶん散っているため、細かな枝々が透けて見えて、それもまた美しく感じました。 こちらは初めて見た高野槇の松ぼっくり。(槇ぼっくり?) 笠のかたちが見慣れている松ぼっ

          私の秋

          暑い暑い夏から、いきなり冬が来た今日この頃。 紅葉を見に行くことも、秋を楽しむこともなかったなあ、と思って庭に目をやると、 紅葉に朝日が差して綺麗。 アネモネは来年の春の準備をしていて、クリスマスローズには小さな蕾が。そして、空豆からはたくさんの芽。 朝風に吹かれながら、庭すらゆっくりと見ることができなかった、この秋の忙しい日々を改めて思いました。 気持ちの余裕は、色んなことを気づかせてくれますね。 私の秋は気づきの秋となりました。 (ライター部:森田真智子)

          秋つれづれ

          あっという間に11月となりました。 11月8日は長女の誕生日。この日は家から車で15分程の所にある、古民家の洋食店「おとぎ屋」さんで一緒にランチを頂きました。地場産の野菜がたっぷりで、お味噌汁が美味しく大満足でした。 その後、近くにある観心寺に行きました。 まったりとした空気の中、のんびりと散歩ができました。 イチョウは綺麗な黄色に変わっていましたが、モミジはまだ、ちらほら赤くなっている程度。 最近は紅葉の名所でも、時期が遅くなったり、赤くならずに枯れていく葉も多くなって

          かつらぎ町新城を訪ねて② 「新城BASE」のこれから【和歌山】

          「水とみどりの美術館すぎのこ」を後にして、午後からは同じ新城にある「新城BASE」を訪ねました。 「新城BASE」は紀美野町から高野山へと向かう道筋にあり、元JAの倉庫を大きく改装、カフェやキャンプスペース、採れたての高原野菜販売所の拠点として準備中。開業は2024年春の予定です。 「こんにちは!」 収穫したばかりの柿をトラックの荷台いっぱいに積んで、運営を手掛ける戸田農園・戸田真寿(まさとし)さんは「新城BASE」に現れました。 「新城BASE」のはじまり 戸田さんは大

          かつらぎ町新城を訪ねて② 「新城BASE」のこれから【和歌山】

          かつらぎ町新城を訪ねて①「水とみどりの美術館すぎのこ」【和歌山】

          清流が走り山裾には豊かな田が広がる、かつらぎ町新城。9月24日、初秋の晴れた日に「新城地域交流センター」内の「水とみどりの美術館すぎのこ」を訪ねました。 旧新城小学校を新・改築して建てられた「新城地域交流センター」は一見、どこにでもある公民館のようです。ところが一歩足を踏み入れると、洋画や日本画、さまざまな絵画が掛けられた芸術の空間「水とみどりの美術館すぎのこ」に。 運営しておられるのは、紀州かつらぎ熱中小学校教頭の中前光雄(てるお)先生です。独立美術協会や県展で審査員を務

          かつらぎ町新城を訪ねて①「水とみどりの美術館すぎのこ」【和歌山】

          かつらぎ町の万葉歌【和歌山・取材記事】

          4月23日、「笠田万葉サークル」の岡田敬三さん、木村哲也さん、作部屋(さくべや)昌子さんにかつらぎ町で詠まれた万葉歌についてのお話を伺いました。 万葉集には4516首の歌が20巻に分けて収められており、そのうちかつらぎ町の「妹山」「背山」についての歌は15首にも上ります。これは筑波山に次いで多く、富士山よりも1首多く詠まれているそうです。 この日は万葉人になった気持ちで、まずは当時の旅の様子を聞かせていただきました。 万葉人の旅出発地点は時代によって違い、 ・飛鳥の都は現在

          かつらぎ町の万葉歌【和歌山・取材記事】

          高野山 町石道参詣登山【和歌山】

          5月27日、紀州かつらぎ熱中小学校アウトドア部・ライター部の合同イベントとして「高野山 町石道参詣登山」が行われました。 町石道とはお大師様(弘法大師空海)が、高野山のふもとに住む母に会うために歩いたと伝えられている、約22㎞に及ぶ山道です。当時、高野山は女人禁制となっており、お大師様は月に九度も母を訪ねたことから、ふもとの町には「九度山町」という名が付いたとも言われています。 この日はやわらかな日差しのトレッキング日和。集合場所となっていた「道の駅 柿の郷くどやま」から、

          高野山 町石道参詣登山【和歌山】

          早春キャンプ【和歌山・天野の里】

          3月4日、紀州かつらぎ熱中小学校第一期最後の日、授業をおこなってくださった(株)スノーピーク代表取締役会長兼社長執行役員 山井太(とおる)先生、そして熱中小学校代表理事 堀田一芙先生もご一緒に、校舎「ゆずり葉」のグラウンドにてキャンプを楽しみました。 広い広い天野の里の夜空に、まるでお祭りのように電球が連なり、あちらこちらのテーブルには橙色のランタンの灯が。 バーベキューの炉には熾火が燃え、早春の夜気をほのかに温めています。 グラウンドの端に張られた大小さまざまなテントは一

          早春キャンプ【和歌山・天野の里】

          re:bero ~人生のパッチワーク~【和歌山・高野口町】

          1月30日、紀州かつらぎ熱中小学校ライター部の部員4人で、高野口町にある「re:bero(リベロ)」へ取材に行きました。 店主の金子あかねさんはセルフリノベーションを手がけている方で、ドアを開けたなら、新しいような懐かしいような、白を基調とした独特の空間が広がります。 階段を上った先にあるカフェスペースにはアンティークの大きなアトリエテーブルが置かれ、窓からの明るい陽光に、ほっとくつろげる雰囲気となっています。 奥の部屋にはセレクトされた雑貨が並んでいるのですが、単なる「雑貨

          re:bero ~人生のパッチワーク~【和歌山・高野口町】

          「春休み突入記念 高野山参詣登山」下見レポート(北岡英二)

           令和5年3月18日(土)、紀州かつらぎ熱中小学校では「春休み突入記念 高野山参詣登山」を開催する予定となっています。それに先駆けて2月11日(土)、アウトドア部有志5名(大家部長、前田、中谷、溝口、北岡)で高野山町石道を歩き、下見を行いました。(全行程約25㎞)    今回、3月に参加される方々の参考になればと思い、また「町石道ってどんなところなんだろう?」という方へも向けて、レポートさせていただきます。(今回、町石道の歴史は省略します)  出発地点の九度山町・慈尊院から

          「春休み突入記念 高野山参詣登山」下見レポート(北岡英二)