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告白するのに下書きするなんて、かわいいじゃないの!

娘と私は結構何でも言い合える仲。
娘は、恋愛のことも私によく話してくれる。
しかし、人の好き嫌いが激しくて、なかなかお付き合いが上手くいかないことも。

最近、出会えた人から告白されたエピソードを教えてくれた。
その人は、お付き合いをしてほしいという告白するときに、途中で言葉が出なくなったとか。そして「下書きしたからスマホ見ていいかな」と言ったそう。
私はそれを聞いていて、涙がポロッとこぼれてしまった。
彼が、なんて誠実な人なんだろうと思ったから。

話が上手くて、どんなときでもよどみなく言葉が出る人もいるだろう。
でも、彼は緊張しすぎて、上手くしゃべれなくなったのだ。それに、告白の文面をわざわざ下書きするなんて、かわいいではないか。その姿を思い浮かべるだけでじわじわ涙が出そう。

好きな人に告白するために、1字1句下書きをする。たとえそれがスマホだとしても、どんな思いでその時間を過ごしたのだろう。

娘もその一言にぐっときたみたい。自分のために告白の準備をしてくれただけでなく、下書きを読んでいいかと、正直に打ち明けてくれたことにも。考えていることをさらけ出し、自分と真剣に向き合ってくれる姿に心打たれたのだろう。

実は、昔の夫の姿にも重ねてしまった。
夫は手紙を私に書いてくれたことがない。正確に言うと、実家に心配事があってゴタゴタしているときに、実家宛に手紙を書いてくれようとしたことはある。しかし、手紙を書いたことがない夫は、1字も書けなかった。私は、がっかりした反面、手紙を書こうとしてくれた思いが嬉しかった。苦手なことを私のためにやろうとしてくれたから。時間を使い、私に向き合ってくれたから。

娘がこれからどうなっていくかは分からない。だが、誠実な人と出会えたことが、私にはとても嬉しいのだ。



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