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原始人育て【発達障害を疑う前にすべきこと】

「お子さんは発達障害だと思うので、すぐに病院に行ってください」
学校からこう言われたら、どうしますか?

近年発達支援に関する注目が集まり支援の環境が整いつつあります。
しかし、同時に日本でおかしな現象が起きています。

2006年発達障害児の数:7000人

2020年発達障害児の数:90,000人

文科省 令和2年度 通級による指導実態調査結果

この14年で日本の発達障害児の数は約14倍に増えています。
アメリカのASDの割合は10年前の統計に比べると約2倍程度の増加です。
日本の発達障害児の増加率は世界でも異常に高いのです。

日本で激増する発達障害!?

文教大学教授の成田奈緒子氏は著書『発達障害と間違われる子どもたち』の中で「発達障害もどき」を指摘しています。

今記事では安易に発達障害と決めず、家庭で出来る症状改善方法について考えたいと思います。

今記事でわかること(目次)



発達障害とは?【先天的脳機能障害】

そもそも、発達障害とは、脳の発達に関わる機能障害です。

つまり先天的なものです。

そのため診断では生まれた時からの生育歴が重視されます。

例 ASD診断 
母子手帳などを参照しながら発達歴を詳しく聞く
☑︎在胎週数や出生児、体重
☑︎運動発達
  粗大運動(座る立つ歩く等生活に必要な動作)
  微細運動(手や指を使った細かく精密な動作)
  高知性協調運動(手や足等別々かまとめて動く運動)
☑︎言語発達 共感性
  初語や 言葉の出た順番などを注意深く聞く
  お母さんとよく目があったか
  人見知りの強さ
  特定の物への強興味関心
  大人の行動の模倣の有無など

しかし、この生育歴に全く問題はなくても、あたかも発達障害のような行動が見られる子もいるのです。
発達障害の診断がつかないのに、発達障害と見分けがつかない証拠を示している状態を成田奈緒子氏は「発達障害もどき」と呼んでいます。

(私は「もどきちゃん」と呼ばせて頂きます。)

区別がつかない「もどきちゃん」!?


発達障害もどきとは?【3つの脳機能】

もどきちゃんと発達障害との徹底的な違い

発達障害  :先天的な脳の機能障害
↕︎
もどきちゃん:後天的な脳の異常状態

つまり産まれた後の脳の発達過程に原因があります。

先天 or 後天 ?


発達過程で大事な脳は三つに分かれます。

1. 「からだの脳」 2.「お利口さんの脳」3.「心の脳」です。

  • 1「体の脳」
    脳幹や扁桃体などにあたる部分。
    人が自然界で生きるのに欠かせない機能。
    呼吸、体温調整。体を動かすこと、起きること、寝ること、食べること、感情を生む。
    0~5歳の間に逆に育つ。この脳が育っていないと、他の脳も育ってくれない。

  • 2「お利口さん脳」
    大脳新皮質。言葉を使う能力。計算記憶に関する力知識を蓄え、考える力。
    手指を動かす力。1~18歳位までの間に時間をかけて発達する。
    最も育つのは6歳以降、 小中学生の時期に大きく伸びる。

  • 3「心の脳」
    前頭葉。感情や衝動を抑え、じっくり考える力。
    論理的、思考力、コミュニケーションをスムーズに取る力。
    心の脳は10から15歳にかけて作られ、18歳前後まで発達し続ける。

心の脳はお利口さん脳に知識や情報などは 充分蓄積されてから、それらを前頭葉で統合していく形で発達します。
大事なのは順番です。

①体の脳

②お利口さん脳

③心の脳

この順番で脳の部位を育てていくことが、健全な脳の発達には欠かせません。
もどきちゃんは最初の「体の脳」から崩れていることが多いのです。

土台は「からだの脳」!

もどきちゃんから抜け出す方法があります。

脳はいつまでも成長し続けます。
脳科学の研究では生まれた日から死ぬまで、脳内では神経ネットワークが作られ続けていることがわかっています。

何歳になっても脳細胞のつながりは増やせる!
細胞のつながりが増えれば、脳は成長していきます。


打倒もどき!その方法とは?【エリート原始人】

「からだの脳」が盛んに育つのは5歳までです。
この時は優先して「からだの脳」を育てる時期です。
もどきちゃんは、広い意味でこの脳に適した環境が整っていません。
この時期に早期教育などで「お利口さん脳」ばかり刺激すると、土台となる「からだの脳」がうまく育ちません。

脳全体のバランスが崩れる。

結果、落ち着きがない。

集団行動ができない・ミスや忘れ物が多い

流行りの発達障害ブーム

もどきちゃん誕生。。。

では土台となる「体の脳」を育てるためにはどうすれば良いか。

成田奈緒子氏は「立派な原始人」を育てることが大切と言っています。

(私は「エリート原始人」と呼ばせて頂きます。)

原始人を育てろ!

人は生まれる前に、体内で生き物の進化の歴史を再現しているそうです。
人間は「魚類→両生類→爬虫類→哺乳類」という系統発生の中で生まれた動物。

その生命の進化の痕跡が、胎児が母親の体内で成長し生まれるまで に再現されているとのこと。

、、、すごいですね!

人は 体内で進化の過程を繰り返し誕生する。
つまり新生児は人間の形をしているが、まだ本当の意味で「人間に成り立て状態」なのです。

産まれたては、ほぼ動物
↓ だから
まず目指すべきはエリート原始人!

その後徐々に文明が扱えるような現代人になっていけば良いのです。

胎内で進化する人間!
  • 体の脳を育てるToDo
    ☑︎日が昇ったら起きて生きるためにしっかり食べる!
    ☑︎日が沈んだら、身を守るため安全な場所ですぐ眠る!

まさに原始人の生活です。
生まれてから5年間は原始人のスキル獲得が優先されます。



原始人のスキルとは?【自然の刺激】

原始人は「自然の刺激」を五感から吸収します。
五感からの刺激、すなわち「味覚・嗅覚・視覚・触覚・聴覚」

この五感からの刺激を1番効率よくたくさん入れられるのが規則正しい生活の繰り返しです。

生活リズムが乱れ電子機器を多用すると、この原始的な脳の発達が遅れます。

脳機能のバランスが崩れるため、発達障害と同じような症状になります。
、、、すなわち、「もどきちゃん」化です。

もどきちゃん化を防ぐためには自然での五感刺激ができる生活改善をすることが大切です。

人口刺激 or 自然刺激 ?


生活改善をすると「からだの脳」の育て直しができ、脳のバランスが整います。

生活リズム改善の1番の要は睡眠です。
睡眠不足が子供の気になる言動を引き起こしていると言っても過言ではありません。

本来人間は昼行性の動物です。
昼行性の中で得られる刺激が脳の1番のご馳走となります。

朝起きたら太陽の光を目から入れる

朝であることを脳に知らされる

体内時計がリセットされる

これが昼光性の基本です。
睡眠が狂うと脳も体もリセットされません。
疲労感が抜けず、朝から机につぶしたり授業に集中できなくなります。
、、、すなわち「もどきちゃん」化です。

昼行性 or 夜行性 ?

睡眠が整うと脳内のセロトニン量が増え、セロトニン神経もしっかりつながります。
特に2、3歳の時期には、子供の睡眠リズムが変われば、昼間の様子も驚くほど変わります。


原始人の睡眠とは?【眠りの質と量】

エリート原始人に必要とされる睡眠を質と量から考えていきます。

①睡眠の量

小学生の理想の睡眠時間:約10時間
↕︎
日本人の1日平均睡眠時間:6から7時間

ネルソン小児科学 厚生労働省調査 

約1〜3時間も少ないです!
量を伸ばすことが大事です。

そのためには、早く寝るより早く起きること。
起きないからといって諦めないこと。

まず1週間お子さんを毎朝7時より前に起こすことから始めてみましょう。
すると午後8時ごろには眠くなってくるものです。
2~3歳の幼児の場合はこの方法を実行して、ほぼ1週間経てば正しい生活リズムが確立されます。

早く寝ること → 早く起きること

朝日をしっかり浴びることが夜の眠りの質にもつながります。
朝早く起きると昼に眠たくなるかもしれません。
ネルソン教科書では、昼寝は3歳で多くて、1時間程度、4歳を過ぎると必要なくなるそうです。
昼寝のしすぎにも気をつけましょう。

②睡眠の質

睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠があることは最近よく聞かれます。
ノンレム睡眠とレム睡眠を4から5回繰り返すと充実した睡眠になります。

レム睡眠:記憶の整理と固定 脳クリーン化😄
    ↕︎( 質が悪いと)
記憶が整理されず嫌な記憶も保持される
 =嫌な記憶がリセットできない😣

レム睡眠の枠割

ノンレム睡眠:セロトニン分泌 心リカバリー😄
    ↕︎( 質が悪いと)
セロトニンが不足する
イライラ キレやすい 落ち着きなくなる😡

ノンレム睡眠の役割

、、、すなわち「もどきちゃん」化です。

質を高めるため、眠る前にお風呂や激しい運動は避けましょう。
自分が心地よい、落ち着くと思える方法を見つけることが大切です。

原始人≠電子人
原始人は機械を触りません!

自然界では夕方から夜になると目に入る光の量が少なくなります。
すると 脳の中にある期間からメラトニンが分泌されます。
メラトニンが出ることで私たちは眠気を感じるのです。

しかし、電子機器にはブルーライトを発していて、脳内のメラトニン分泌を抑制してしまいます。

また、夕食ではタンパク質を摂ることが大切です。
睡眠前に摂取したいのがトリプトファンです。
アミノ酸の1種でセラトニやメラトニンの原料でもあるので、睡眠の質を高める効果があります。
夕食は就寝時刻の2時間前までに終わらせましょう。

睡眠は質と量!


原始人→人間の方法は?【役割と感謝】

エリート原始人になったらいよいよ人間になる番です。

早く人間になりたい!

そのための脳育てとして成田奈緒子氏は「お子さんには役割を与えてくださいね」と述べています。

大切なのは役割の目的です。
子供に役割を与える目的は感謝を与えるため。

役割によって人からもらう感謝が子供の自己肯定感を底上げしていきます。
役割をこなし、ありがとう、助かったと他者から認められる。
こうして家庭の中で 人格が認められて、自信がつきます。

そのためにもその子がサボってやらなかったとしても、親は絶対に代わりにはやりません。

信頼して待ちます!

皿洗いの役割をサボる(待つ!)

つぎの食事の皿が使えない(待つ!)

次の食事ができなくなる(待つ!)

自分、家族が困る(待つ!)

自分の役割の大切さに気づき行動する(ありがとう!)

肌身で子供に感じてもらい、生活を回していくこと。
これが自己コントロール力を育てる訓練にもなります。

経験させ、自分で感じること。

反対にやらないことで叱られると不安と攻撃性が増します。
活動のパフォーマンスが下がり、何に対しても成果が出にくくなります。

不安と攻撃性から行動落ち着かない、すぐにキレる。
、、、すなわち「もどきちゃん」化です。
子供自身を否定することなく、行動の変化を促しましょう。

役割の目的は感謝!

親の1番の仕事は子供を信頼すること。

信頼=「存在」感謝

「存在」の1番最初はその子が産まれた瞬間です。
親は子の出産日にタイムスリップすれば信頼できるのではないでしょうか。


原始人を見守る原始親【原始的親子愛】

「発達障害だと思うので、すぐに病院に行ってください」
学校からこう言われたら、すぐに病院に行くのではなく、まず生活リズムは整っているかチェックしましょう。

生活リズムが 乱れていたり、睡眠が充分取れていないのであればそれを見直すことから始めます。

エリート原始人を育てるための1番の要。
それは子どもに寄り添う原始的愛情です。
エリート原始親となり「もどきちゃん」とお別れできることを祈っています。

エリート原始親へ!



参考


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