見出し画像

娘の旦那さんの気遣い ため息をこらえての深呼吸

我が家は「超」がつくほど狭い。
娘が結婚する前、旦那さんになる人に娘は前持って、
「うちはひくくらい狭いからねー。びっくりするよー。」
と話してくれていたので私も安心していた。
実際遊びに来ても特に顔にも出さず部屋で時間を過ごしていてくれていた。
いい人だ。

その2人に1人目の子どもができた時もぎゅうぎゅうに3人並んで寝てくれていた。
娘の旦那さんはにこにこして赤ちゃんを抱っこしたりあやしたりしていた。
実にいい人だ。

2人目ができて遊びに来た時、さすがに4人一部屋が無理な状態だったので旦那さんだけ別の部屋で寝てもらうことにした。
そこもかなり狭いのだが、
「全然、オッケーっすよ。」
といつも通りにこにこしていた。
実に実にいい人だ。

さて、その夜娘が突然、言ってきた。
子ども2人と娘が寝る部屋のハンガーラックが倒れてきたら危ないと言う。
孫のことを思うと私も大丈夫とは言えず、じゃあ部屋から出そうかという話になった。

これが大変。
意外に大きく、置くところは廊下、といってもめちゃくちゃ狭い玄関前しかない。
ラックを置くと玄関に行けない!
もう全員外出禁止状態だ。
そしてトイレに行くにもラックの周りをぐるりと通らなくてはいけない!
動かす間、娘はもちろん口出ししながら見てるだけ。
夫と私はどこかいい位置はないものかとラックを何度も動かしている。
娘の旦那さんは気を遣って、やろうと申し出てくれているのだが狭くて身動きが取れず私の真後ろにいた。

するとそのあまりの緊迫した状況の中真後ろで聞こえたのは…。

すーーー
ふーーーー
深呼吸だ。

おー、私は感心した。(実は後で姉夫婦に話して涙が出るまで笑ったのだが。)

本当はため息をつきたいところで、深呼吸とは。

素晴らしい。
気を遣ってくれている…。

果てしなくいい人だ。

ちょっと、娘!
旦那さんを大事にしーや。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?