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誠実

「あなたは、真面目な人ですか?」

と先生は私に問いかけます。
夏目漱石の小説「こころ」の一節です。

こんにちは。kohです。
誰にしも多少なりとも悩みは尽きないものです。
私も例外ではありません。

先生は、過去に友人Kとお嬢さんとの
三角関係にありました。
先生はKの向上心を逆手に取って
お嬢さんと出し抜けに結婚します。
向上心と恋心の狭間で打たれた友人Kは
孤独の中、自死してしまいます。

その悔恨から先生は毎年の
一人での友人Kのお墓参りを欠かすことは
ありませんでした。

先生がその心の重荷を
私に話そうとしたのです。
そこで、先生が私に問うた質問が
「あなたは真面目な人ですか?」
という問いでした。

「真面目」とは「誠実」とも言えます。
誰だって「不真面目」な人に
自分の本心を開示したくはありません。
「誠実」に受け取ってくれる人に聞いてほしいのが人というものです。

どうやったら他人の「誠実」さを
見分けることができるでしょうか?

他人はその人の「言葉」から人となりを判断するのではなく
その人の「行動」を見て人となりを判断します。

どうしようもない、何の手も打ちようがない・・・。
そんな状況に必要なことは
「誠実」でいる態度だと思います。

「誠実」に物事に向かうことです。

目の前の小欲に囚われたり
ありもしない「魔法の杖」を求めるようでは

状況は変わりません・・・。

誠実なその一歩一歩が
重要になってくると思います。

概して。辛い時というものは
自分の視野を狭くしてしまいます。

周りに心配してくれる人がいるのに
ぞんざいに扱ったり
自分のからに閉じこもりやすいです。

人が生きる上で
「助けてもらえる勇気」も必要です。
それには心を閉じるのではなく
「誠実」に悩みを打ち明ける勇気です。

人生にはある程度不真面目に生きても
許される許容量があります。
しかし、それに甘えて
いつまでもわがままを通したら
ひとは離れていくだけです。

「誠実」に生きる。
それは、自分を大切にすることです。

この社会には
理屈ではどうしようもない
理不尽というものが沢山あります。
それでも、小説「こころ」の先生のような
「誠実」さを求めることを忘れたくはありません。

今回は「誠実」という言葉から
どうしようもない状況から
一歩でも抜け出る方法を考えてみました。

「誠実」に平凡に生きるには
難しい仕組みの社会になってきていると
思います。
だからこそ、自分を責めたり
周囲に当たり散らして自暴自棄になるより
自分の弱さと誠実に向き合うことが望まれまれると私は思います。

それでは

おわり

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